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退魔士と謎の?占い師ロッキ

 あれから二週間が経ったけど芹香は何かを見間違えたんじゃないか、そう思える位に何もなかった。

 互助会の方でも何も掴めてないそうだ。

 芹香のダチが選んでいる講師の中で生徒数が地味に増えた人がいるくらい。

 でも、その人には霊の気配が全くないそうだ。

 休み時間に頬杖をついて外を見ていると、美保が話し掛けてきた。


「麗奈、芹香が感謝してたよ。後、頼りになる彼氏が羨ましいって」


「そのお陰で私は山っちとデートが出来てないんだよね」

 美保(げんいん)の悪びれない笑顔がムカつく。


「あれ?麗奈、それってReijiのクリアファイルだよね…しかもスタッフ限定のやつじゃん。どこで手に入れたの?」

 Reijiはモデルだけど、山っちと同じ互助会に所属する退魔士。

 

「ああ、これ?山っちからもらったの 山っちはReijiと知り合いだから部屋に色々あるんだよね」

 正確には退魔の師匠、だから山っちは Reijiのグッズを大事に保管している。

本当は、このクリアファイルは茜からもらった…正確にはコピーした歌詞をクリアファイルに入れてくれたんだけど。


「麗奈、ちょうだい!!ううん、売って!!何で今まで教えてくれなかったの!!」


「売る?別にあげるよ。それか購買のコーヒー牛乳で手を打つ。教えなかったのは山っちから口止めされてたの。忙しい人だから迷惑を掛けちゃいけないって」

 何しろ、山っちはReijiから電話が来ると正座するぐらいに尊敬しているんだから。


「コーヒー牛乳って…それファンにはお宝なのに」


「ファンにはでしょ?私にしてみれば山っちに色々雑用を言いつけて邪魔をするだけの奴なんだから」


「本当に興味がない事には無関心なんだから。そう言えば良く当たる怪しい占い師の噂は聞いた?学校の子が何人か占ってもらったみたいけど、凄い的確なアドバイスをくれるんだって」

 何でも、その怪しい占い師は外人で派手なテントと派手なスーツが特徴らしい。


(本当にそんな奴がいたら、山っちも苦労しなくて済むのに)


―――――――――――――――


 山っちにバイト帰りに送ってもらっていると、それがあった。

 怪しいとしか良い様がないテントが。


(ピンク色でお相撲さんが描かれたテントって…賞味期限切れの牛乳並みに当たるロッキさんのアミダくじ占いってなによ!!)

「山っち、あのテントなに?やばくね」


 山っちもテントを見て驚いている。

 まあ、誰でも驚くと思うけど。


「ロ、ロキ神様。麗奈、今からあのテントに入るけど絶対に言葉使いに気をつけろよ」

 何時になく真剣な表情の山っちと一緒にテントに入ったんだけど…そこにいたのは怪しい以外何者でもない外人。


(オレンジ色でゆるキャラがプリントされたスーツ!!ヤバイ、やばすぎる)


「ロキ神様、お久し振りです」

 でも山っちは怪しい外国人に深々とお辞儀をした。


「はい、お久しぶりっ子ですね。山田さんにも可愛らしい彼女が出来たみたいで安心しました。名前は藤川麗奈さんですよね?」


「ちょっ、何で私の名前を知ってるの?」


「何でって、私は占い師ですから。色々と分かるんですよ…例えは例のお札が何なのかとかね」

 そう言って占い師はニヤリと笑った、笑っただけなのに背中に冷や汗が流れる。


「ロキ神様、あのお札に何が書かれているかお分かりになるんですか?」


「まあ、まずは座って下さい。レギオンや七人岬って分かりますよね」


「レギオンは聖書に出てくる騒がしい霊を意味する言葉で七人岬は七体の霊が集まって出来る厄介な存在です」

 

「本来あの手のお札は名のある神霊の力を借りる為の物です。古来、人々はやりきれぬ思いを神霊に委ねてきました。でも現代は個人が主役の時代、誰かに思いを託すよりも、 自分で願いを叶え主役になる事を想う」

 嫌な寒気が私を包み込み震えが止まらなくなる。


「だからあのお札には神霊のお名前が書いてなかったんですか…神霊に思いを託すんじゃなく、自分の力で思いを叶える為の札」


「そうです、そして力を貸すのは名も無き何十、何百体の霊魂。百人岬とでも言いましょうかね」


「そんな、そんな何体もの霊を集めれる訳が…まさかお札に願いを託した人達ですか?」

 そう言えばあのお札を使った陽山明も意識不明のまま。


「お札を印刷してばらまく程、霊魂が増える仕組みなんですよ。集められた霊魂はまるてネットで誰かが悪と設定した人を叩く様に誰かに攻撃を仕掛ける。そこに何がしかの大義名分があればね」


「しかし、印刷したお札では力が出ないのでは?」


「いいえ、印刷の方が正確に文字を掛けますし、後はインクを充填する機械があれば良いんですよ。そしてインクに霊的な素材を混ぜて印刷をするんです。それだけで良いんですよ…とりあえず塾講師の素行を調べたら面白い事が分かりますよ」


「分かりました、ありがとうございます」


「礼には及びませんよ、君がいたから功才君が成長したんですから」

 

「あの私からもお礼を言わせて下さい。ありがとうございました…それと何てお呼びしたら良いんでしょうか?」

 とてもじゃないがタメ口なんて聞けない。


「ゆるキャラ好きのフレンドリーな占い師ロッキさんって覚えて下さい。ちなみに今の一推しは衝撃のゆるキャラ青森のナガエモンです。覚えにくい時はロキでも良いですよ、ちなみに普段は神様をしています」


 霊や妖精だけじゃなく、まさか神様に会うんなんて思いもしなかった。

小説に出てきたナガエモンを検索してみて下さい。

かなりの衝撃を受けるかと

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