退魔士とメイドさん?
久し振りの更新です
今回の依頼には妙な点があった。
「護衛対象が10人もいるのか。しかも対象者には、正体を明かせないと」
「護衛対象が全員若い女の子なんだね…山っち、下手したら不審者扱いされるんじゃね?」
確かに、見知らぬ男が後を着けて来たら不審者と思われても仕方がない。
「今回の依頼は女性の退魔士が中心になるだろ、後は顔見知りかいる人じゃなきゃ受けれないな」
幸いと言うかマリアンヌの生徒は護衛対象に含まれていなかった。
「えー!?こいつ、芹香じゃね?うわっ、髪を黒くしてるからマジ分かんなかったよ」
麗奈は護衛対象の一人を見て驚いている。
「麗奈、知り合いがいたのか?」
「中学の時のツレ。ほら、私は高校に入ってからダンスとバイトと山っちに忙しかったじゃん。だから、最近連絡してなかったんだよね」
「うわっ!!さりげなくラブラブアピールしやがった。お前もシェリーと一緒で女の友情より、男を取るタイプだな」
プリムの友達に彼氏が出来たらしく今朝からずっと愚痴っている。
「そういや芹香の奴、メイド喫茶でバイトしてんだよね」
「メイド喫茶?それで依頼主が飲食店の組合になってるのか。麗奈、この依頼を受けるか?受ければ詳しい情報がみれるぞ」
依頼の内容にはプライベートの事も書かれているから、依頼を受けない限りは詳細を見る事は出来ない。
「お願い、私は芹香にメールしとくから」
依頼を受ける事にして、詳細を確認する。
対象者がバイトの帰り背後に気配を感じて振り返ると、痩せた男が立っている。
怖くなり走って逃げようとした瞬間に男が消えたらしい。
それが何回も続いているらしく、多い人には毎日の様に現れているとの事。
(飲食店でバイトしている以外に何か共通点があるのか?いや、それ以前に同じ霊が複数の人間に固執するとは考えにくい。痩せているだけで違う霊と考えた方が自然か…それに見えるぐらいに力が強くなった霊が同時に出るのもおかしい。何か見落としてるのか…それともまだ事件は本格的に動いてないのか)
色々と考えを巡らせていたら、麗奈の携帯が鳴り出した。
「芹香、久し振りじゃん。今?今は男の家だよ…ったり前じゃん、ちょーラブラブだっつーの…イケメンかって?まだ、そんな事言ってんの?男は見た目はより中味だよ、な・か・み。私の山っちは優しいしちょー頼りになるんだよ。ケンカも強いし半端な事じゃビビらないし、何より頭も良いんだって」
麗奈、頼むから思考が崩れそうになる会話は止めて欲しい。
「えっ、今から?良いよ。うんっ、じゃ駅前のマックね…山っち、芹香が山っちに相談をしたい事があるんだって」
「渡りに船だな…それじゃ行くか」
「無視?僕は空気扱いなんですか?…全てのリア充に死を!!これはプリムの叫び」
「虫がヤバい事を言ってるけど、放っておいて大丈夫なの?」
「最近、マフィアが恋人ってゲームにはまってるんだよ。マフィアは”全てのフランス人に死を!!これはイタリアの叫び”が語源って出てくるらしいんだよ。本当は違うらしいんだけどな」
何でもプリムはゲームの中では酒場の歌姫らしい。
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マックに着くと芹香が先に待っていた。
(何か、やつれた感じがするな)
「よっ、久し振り。髪、黒くしたんだ?新しい男の趣味?」
素知らぬ風を装い、出来るだけ明るく声を掛ける。
「今、メイド喫茶でバイトしてんの。この方が受け良いんだよね。麗奈こそ男の趣味が変わったじゃん」
「良い男でしょ、欲しいって言ってもあげないかんね」
山っちの前で元カレの話なんて勘弁して欲しい。
「言わないつーの、あっ高城芹香です。初めましてご主人様」
芹香が猫なで声で山っちに挨拶をする、そんで山っちはポカーンとしている。
「は、はあ。山田大明です。こちらこそよろしくお願い致します」
流石は山っち、芹香の定番ネタをスルー。
「芹香、山っちはメイド喫茶とかに興味がないんだって。それに私がいるから行く必要ないし」
「堂々とノロケやがって…麗奈は尽くすタイプじゃなく尽くさせるタイプじゃん。山田さん癒しが欲しくなったらメイド喫茶ラブリーにゃんこに来て下さいにゃん」
猫なで声で猫の真似をする芹香に山っちは更にポカーンとしている。
「にゃんってサブっ!!こんな可愛い彼女がいるのに行く必要ないつーの。山っちはそんな金があったら私とのデートに使うし」
「さぶいのは自分でも分かってるって。麗奈の彼氏強いんでしょ?ちょっと貸してくんない?」
普段なら即断っているけど、今回は違う。
「条件によるよ。ただし私も一緒に行くのが条件ね」
芹香が引いてるけど気にしない、退魔をしている山っちは魅力が倍増するんだし。




