表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/73

退魔師の帰郷、故郷の味

久しぶりにざこが出てきます


 携帯の向こうから、懐かしい声が聞こえてきた。


「ちーす。山田さん何か用すか?」


「ザコ、久しぶりだな。そういや、今はザイツ伯爵様なんだよな」

 電話の相手は、高校の時の後輩、財津功才。


「山田さん、様付けは勘弁して欲しいっす。俺としては伯爵なんて熨斗(のし)をつけて返したいんすから。領地の仕事に鬼王子の無茶振り、使える者は擦り切れまで使う女王様。可愛い娘達と愛しの奥様がいなきゃとっくの昔に逃げてるっすよ」


「その分じゃ側室なんて興味はなさそうだな」

 財津家は爵位を持っているけど、長男が産まれていないから側室を持つ必要がある筈なんたが。


「側室っすか?…メリー、違うって!!今のは山田さんの質問に答えただけだから…俺が愛してるのはメリーだけだって、他の女に興味はないから…それで山田さん相談ってなんすか?」

 相変わらずザコはメリーさんの尻に敷かれているらしい。

 そして俺が相談内容を告げると、ザコの奴はこんな事を言ってきた。


「とりあえず大学生達の個人情報と住居付近の地図が必要っすね。後、目立つ首輪を用意しといてもらえるっすか?それとアライグマをできるだけ沢山確保しておいてもらえれば助かるっす。俺は東京で山田さんに合流するっすよ」


「合流ってお前こっちに来るのか?」


「姉ちゃんと美才がエリーとミリーを連れて来いってうるさいんすよ。それに今回の話は師匠が好きそうな話っすからね。転移に問題はないっすよ…って感じにします」

 エリーちゃんとミリーちゃんはザコの双子の娘さん、何度か写メを見たことがあるけどメリーさんに似て可愛い女の子だった。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 後輩さんと、電話をしている山っちは珍しく上から目線で話している。

 山っちはバイトの後輩にも敬語を使うタイプだから上から目線で話す相手は少ないんだよね。


(うわっ、嬉しそうに先輩風を吹かせちゃって…高校の時の山っちはあんな感じだったんだろうな)

 後輩さんと電話をしている山っちは私と同じ高校生みたく見えて、それがちょっと嬉しい。


「山っち、電話終わった?それでどうすんの?」


「とりあえず俺は文夫さんと向き合ってみるよ…麗奈、目立つ首輪に心当たりあるか?」

 向き合うって言ってるけど、山っちの目には哀しみが溢れている 


「目立つ首輪?ブランド物かシルバーチェーンとかなんじゃね?…山っち、文夫さんってどんな人だったの?」 


「優しい人だったよ。ネプタが好きで俺もネプタの笛は文夫さんに教えてもらったんだ。本当の弟みたいに可愛がってくれたんだ」

 私の大切な彼氏は、これから弟みたいに可愛がってくれた人の魂と向かい合わなきゃいけない、これを助けなきゃ女が廃る。


「へー、山っち笛が吹けるんだ。それじゃ、今から文夫さんに会いに行くの?」


「いや、1回家に戻るよ、夜じゃないと泥田坊は出ないんだ。麗奈、スーパーに寄って行って良いか?母さんからメールでお使いを頼まれたんだよ」


「良いよ。弘前の人に山田大明には、こんな可愛い彼女が出来たんだって教えたいしね。それで何を買うの?」

 教えたいって言うか、これは牽制だ。

 誰に対しても(私は除く)公平に優しく接する山田先生は、男女問わずに人気があったらしい。

 特に大人しめな女子には人気があったみたい。

 

「甘納豆と栗の甘露煮、それとホヤだよ。赤飯に茶碗蒸しを作るんだろうな」



「へっ?甘納豆と栗の甘露を料理に使う訳ないじゃん!?それにホヤってなに?」

 それから佐藤長ってスーパーに来たんだけど。


「麗奈、あれがホヤだよ。すいません、ホヤを6つ下さい」


「山っち無理だって!!あんなキモい物食える訳ないじゃん!!あれのどこを食べるの?」

 ホヤを一言で言えば地球外生命体。

 大きさは手の平に乗るくらいなんだけど、色は赤黒くてトケトゲが生えている。


「中身だよ、ホヤは海のパイナップルって言われてんだぞ」

 確かに根っこみたいのが着いてるけど、どうみても食べていい物のじゃない。


「むーりー!!キモい、あんなを食べるなんてありえないつーの!!」


「うまいんだけどな。それじゃ他の物も買いに行くぞ」

 それから山っちは何に使うか分からない甘納豆と栗の甘露を購入。


「山っち、パンの前で止まってどうしたの?」

 山っちは菓子パン売り場の所でボッとしていた。


「イギリストーストが懐かしくてな。良く文夫さんに買ってもらったんだ。青森以外じゃあまり見かけないんだよ」

 イギリストーストは懐かしいデザインの袋に入った食パン。


「これってただの食パンじゃね?」


「食パンの間にグラニュー糖を混ぜたマーガリンが塗ってあるんだよ。へー、種類が増えたんだ!!おっ、カステラサンドにラスクもあるじゃねえか。小倉マーガリンは買いだな」

 山っちはそう言うと次々に菓子パンを大人買いしていく。


「山っち、そんなに買ってどうすんの?」



「東京に持っていくんだよ。師匠へのお土産は何時もイギリストーストなんだよ、師匠はああ見えて大の甘党なんだぜ…半分は俺が食うけどな」

 山っちの師匠はモデルのReiji。

 あの強面モデルが甘党なんだ…美保の奴はR eijiのファンらしいから教えてやろう。


「それ美味しいの?」


「うまいし癖になるんだよな。時々無性に食べたくなるんだよ」

作者は最近話に出てきた甘納豆を使う赤飯を作りました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ