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ペットショップの怪異

ちょっと重めな話かもしれません。

携帯に届いた依頼のメールを見て思わず溜め息を漏らしてしまう。


「マスター、溜め息は幸せを逃がしますよ。あっでも僕と言う可愛い妖精が側にいる幸せは溜め息ぐらいじゃ逃げて行きませんのでご安心ください」


プリムが目の前で胸を張りふんぞりかえっている。


「それはありがと。今届いた依頼を見たらつい溜め息がでちゃったんだよ」


退魔士に来る依頼は健児君のお婆さんみたいに万事解決と言うのは少なくむしろ後味が悪い方が圧倒的に多い。


「依頼ですか?ま、まさかまたあの礼儀知らずと一緒に行くんじゃないですよね?」


「もう麗奈と一緒に現場に行くことはないよ。もうあの時の事は覚えてないだろうし」


「幾らあの女がお馬鹿でもマスターの大活躍を忘れる訳がありません!」


「忘れるんじゃなく組織の仲間に頼んで記憶を削って貰ったんだよ。これ以上素人が厄介事に首を突っ込んだら禄な事にならないしな」


「記憶を消すんですか?確かに戦いも魔術も経験した事がない素人はマスターの足を引っ張るだけですもんね」


プリムも魔力は低いとはいえ使い魔のはしくれ、戦いの厳しさを知っている。


「ああ、それに下手に力の事を喋られたら面倒な事になるだけだしな」


一般人の中には自分の不幸を全て霊の所為だと思いこんだり、霊能力が万病に効くと信じている人も少なくない。

そうゆう人達に巻き込まれて大変な目にあった同業者を何人も知っている。


――――――――――


その頃、聖マリアンヌ学園で藤川麗奈はある疑問を抱いていた。


(健児の奴どうしたんだろ?昨日まで兄貴兄貴って騒いでうざかったのに)


そして健児が山っちの話をする事はこれ以降2度となかったんだよね。

私がそいつに会ったのは放課後の帰り道での事。


「うわっ、美保見てあいつ。いくら寒いからって黒い帽子にサングラス、マフラーに黒いコートって趣味悪くねぇ?」


「麗奈、聞こえるって止めなよ」


「平気だっていざとなったら山っちに助けてもらうから。山っちケンカも強いんだし」


そしてその男とすれ違った瞬間、私の中で記憶が欠けた。


――――――――――


俺と麗奈がバイトをしている時の事。


「うわっ、山っち見てあのお客さん。いくら寒いからって黒い帽子にサングラス、マフラーに黒いコートって趣味悪くねぇ?」


麗奈の反応を見ると記憶はうまく削れたらしい。

商品整理をする振りをして男に近付く。


(秋川さん今回もお世話になりました)


(いえ山田さんは貴重な戦力ですから。ただ男の子と違って彼女から山田さんの記憶は削り取る事はできませんでした)


秋川さんは俺と同じ組織の事後処理班に属している、坂崎先生や被害者の女子高生の記憶を削ってくれたのも秋川さんだ。


(近い内にまた事後処理班のお力を借りますのでよろしくお願いします)


(また面倒な依頼を受けたんですか?あまり無理をならないで下さいよ。可愛い後輩さんが心配しちゃいますよ)


その可愛い後輩を巻き込みたくないから記憶を削ってもらったんだけれども。


――――――――――


「マスターここが今回の依頼主はペットショップさんですか」


「ああ、ここのペットショップに猫の怪異が現れて困っているそうだ。情報収集班からの話では、このペットショップではかなり無理なブリーディングを行っているらしく、その行程で処理された動物も少なくないらしい」


ペットショップの事情と同行したプリムが人目につかない様にする為に仕事の時間は深夜を選んだ。


「マスター、ぶりーでぃんぐって何ですか?それに処理って」


「ブリーディング、早い話が人工繁殖だよ。そしてこのペットショップでは毛色が悪かったり容姿が悪い動物達を殺しているそうだ」


「そんなの身勝手過ぎます。命はオモチャじゃないんですよ。もっとペットの身になって下さい」


プリムは俺の使い魔を勤める自信がないらしく、最近はペットの座を狙っているらしい。


「その通りだ。俺も人に恨みを持つ動物霊なんて退治したくない相手なんだよ」

人のエゴの犠牲になった動物の霊、罪を犯す前になんとかしたい所なんだけれども、多分俺の話は聞いてくれない。


「プリム今回はできるだけ退治をしたくない。だから説得を頼めるか?」


「はいマスターお任せ下さい。こう見えても僕は森の動物達のアイドルなんですよ」


最悪の場合、プリムは強制送還すれば被害は俺だけで済むと思う。


この作品で使って欲しい名前なんてありますか?


あくまで他の作品の名前じゃなくてですけど。

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