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退魔士と七不思議

今回の教育実習の話や七不思議の話は読者の方に協力してもらいました。

七不思議は日本各地に存在している、有名な所でいけば本所七不思議、諏訪大社七不思議、伊豆七不思議。

しかし調べると七不思議以上だったり微妙とされる物を含まれている。

例えば本所七不思議の津軽の太鼓とかだ。


「学校の七不思議か。殆どが見間違いや噂が1人歩きした結果なんだよな」


「それがこの学校の七不思議は妙にリアルなんだよね。マリアンヌって普通科、スポーツ科、進学科、家政科に分かれてるんだけど七不思議は1つなんだよ。スポーツ科と進学科は別棟なのに」

パターン的には元は1つの科だったから同じ話が広まってるんだろうけど。


「それでどんなのがあるんだ?まさか音楽室にあるベートベンの目が光るとかじゃないだろうな」

流石に二宮金治郎の石像はないだろうし。


「まず1つ目、普通科と進学科を繋いでる渡り廊下を化粧が濃い娘が放課後に歩くと誰もいないのに呼び止められる。2つ目、スポーツ科の体育館で夜中バドミントンのスマッシュの音が聞こえる。3つ目、礼拝堂のピアノが夜に勝手になりだす。4つ目、屋上のフェンス際に夕方に行くと誰もいないのに背中を押される。5つ目、進学科に夜中に行くと誰もいないのに物を書いてる音が聞こえる。6つ目、帰りのホームルーム中に知らないアドレスに返事を返すと呪われる。7つ目、男の実習生と女子が仲良くなると不幸が訪れる」

…下調べが必要なのもあるな。


「なんか気になるのあった?でもどうせガセネタばかりだと思うけどね」


「そうでもないぞ。普通科と進学科を結ぶ渡り廊下ってあそこだろ?」

俺が指差した先を見て麗奈が青ざめる。


「な、なんで分かったの?まだ進学科は案内してないじゃん」


「あー、麗奈の力は抑えてあるからな。短い黒髪で眼鏡を掛けた女の子が寂しそうに歩く人を見てるんだよ。まっ悪い霊じゃないから直ぐに成仏してもらえると思うけどな」

俺の話を聞いてますます顔を青くする麗奈。


「生徒を脅して楽しいか?このどS実習生!!山っちが言うとリアルに聞こえるの」


「リアルに聞こえるんじゃなくリアルにいるんだよ。なんなら力を戻してやろうか?」


「あのね、山っちと違って私は残り2年間ここにいるの!!もう進学科にいけないじゃん」


「実習中に出来る事はしていくよ。その為に俺が来たんだから」

実習と調査と現場の仕事はかなりきついが。


「…他にも気になるやつがあるの?」


「礼拝堂のピアノ以外は全部だな。とりあえず俺は放課後に理事長と話をしてみるよ」

場合によっては実力行使をする必要があるかもしれない。



――――――――――


放課後、俺は挨拶を兼ねて理事長室を訪ねた。


「理事長、失礼致します。実習生の山田明大です、本日よりお世話になります」

理事長は白髪頭の品の良い老婦人だ。


「いえ、山田先生には無理を言ってうちの学校に来てもいましたので…それでどうですか?この学校は」


「七不思議を聞いたんですけど1つは霊を確認しました。その他にも10数体の霊を確認しています、ただ今回は調査班が動けないので七不思議の背景にある事件を教えもらえれば助かります。出来たら祓いたくはないので」


「それで確認した霊とは、どんな生徒でしたか?」


「髪の短い眼鏡を掛けた少女が渡り廊下で他の生徒を寂しそうに見つめていました。誰かに何かを伝えたい感じでしたよ」

理事長は目を伏せるとゆっくりと話し始めた。


「その娘は10年前に普通科から進学科に移った生徒です。でも進学科にはついていけずノイローゼになり自ら命を絶ちました」


「化粧の濃い娘に声をかけるのは普通科の友人を探してるからですか。今日の実習終了後に対応してみます」

そして俺は実習生から退魔士に変わった。



――――――――――


その頃、山田のアパートでは


「訴えてやります!!僕の扱いがおかしいです、あんなドS精霊にいじめられたらの全部カット、その上学校なんて出番がないのが確定じゃないですか。こうなれば撮りためておいた深夜アニメをポテチを食いながらみてやります。今日は薄しお、コンソメのスタンダードをセレクトです」

使い魔が1人堕落していた。


プリムまたしばらくお休みかも

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