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山っちと牧師と恋バナ

リクエストでひさしぶりの山田さんです

 微妙な表情をしているのを誤魔化す様に山っちが口を開いた。


「麗奈、腹減ったろ?何か食べに行かないか?」

怪しい、普段なら仕事とや勉強を優先する堅物が自分からご飯に誘うなんて。


「修行場にご飯食べる所なんてあるの?」


「修行場だから精進料理の店しかないけど、若い連中の為に野菜を使ったパスタの店が出来たんだよ」

若い連中って…


「もちろん、山っちのおごりだよね?」

山っちの口は硬いけれど店の人なら何かを知ってる筈。

山っちが連れて来てくれた店は良く言えば純和風、普通に言えば古民家、悪く言えばボロっちい建物。


「山っち、ここがパスタのお店?粉悟ってお蕎麦屋さんみたいな名前だよ」


「フンゴはイタリア語で茸って意味なんだよ。それにパスタも粉物だろ?」

少しがたつく扉を開けると


「チャオ!!オー、ヤマダひさしぶりー。今日はかわいいガールフレンドとデートかい?」

迎えてくれたの陽気な外国人だった。


「マルコ神父お久しぶりです。麗奈はバイト先の後輩ですよ」

どうやら陽気な外国人は神父様みたい。


「照れなくてもいーよ。ウワサはきいてるよ。ヤマダが彼女を連れて来たってミンナ驚いてたよ」

彼女か…山っちが告ってくれたら即オッケーなんだけどね。


「麗奈、マルコ神父はイタリアの教会から来てくれてるんだよ。外国の人は自分の宗教以外は認めてくれないから成仏させる時に協力してくれるんだ。後は若い連中の恋の相談とかにものってくれている」


改めててマルコさんを見る、年齢は20代半ばくらいでかなりのイケメン。

ヒゲを生やしてるけど、きちんと整えていた不潔な印象は受けない。


「でも安心したよ、やっとヤマダに彼女が出来て。ようやく前に進めたんだね」

再び微妙な表情をする山っち。


「ヤマダ、恋人同士に秘密はダメだよ。キチンと話しなさい」

マルコさんは、いきなり神父モードで山っちに説教を始める。


「分かりましたよ。麗奈とりあえず飯を食うぞ、マルコ神父芽キャベツのパスタをお願いします。麗奈は何にする?」


「じゃあ、茸のクリームパスタで」

パスタは凄くおいしかったけど、どこか遠くを見ている山っちが気になってきちんと味わえなかった。

パスタを食べ終えて一休みしていると山っちがゆっくりと口を開いた。


「恋人とかは、ともかく組織に入ったから話しておきたい事がある。でも楽しい話じゃないから麗奈が決めてくれ」


「うん、知りたい。山っちの事だし」

会計を済ませた山っちは修行場から離れて山に向かって歩きだす。

10分くらい歩いたら見晴らしの良い小高い丘に着いた。


「ここには俺が初めて消した人の墓なんだよ。魂を消したから墓の意味なんてないんだけどな」

お墓に供えられているのはお花にジュースにお菓子。

「この墓は中学の時の同級生の墓なんだよ」

山っちは遠く見ながらポツリポツリと話し始めた。

それは悲しい恋のお話。


女性視点は難しいです、女性が見たら不自然感満点かと

今日はもう一昨書くかも

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