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健児君とバアバ

色々な意見を参考に前話に話を足して改編しました

良かったら見て下さい


とりあえず俺のバイトが終わるまで麗奈と健児くんに待ってもらう事にした。

100キロ婆、全国各地に噂がある所謂都市伝説。

道路を法定外速度で走っていると背後から物凄い速さで走ってきた老婆が追い越していくって話。


「俺ん家、両親が共働きで小さい頃はバアバが面倒を見てくれていたんです。パパもママも俺より出来の良い兄貴ばっかり構っていたけどバアバは出来損ないの俺にも優しくしてくれたんです」


「うわっ、バアバにパパ、ママってキモっ。それでアンタはグレたって訳?」


お約束な話だがお婆さんはその道路で亡くなっていたた。

そして健児君は家に居場所を無くしてヤンキー街道まっしぐらになったらしい。


「髪もバサバサで怖い顔をしていたけど、あれは絶対にバアバなんです。兄貴お願いです、バアバを助けて下さい」


健児君のお婆さんを祓うのは簡単だ。

でもそれじゃ何の解決にもならない。


「悪いけど今のままじゃ無理だよ。まず健児君が普段の行いを反省してからだよ」


「反省ならします。だからバアバを助けて下さい」


「今の君を見たらお婆さんはどう思うかな?立派に育ったって喜ぶと思う?悲しむだけじゃないかな」


俺の言葉を聞いた健児君は無言のまま立ち去った。


「山っち、どうしたの?てっきり山っちなら健児を助けあげると思ったんだけどな」


簡単に言うと健児君の守護霊が首を横に振ったんだけども


「麗奈、健児君はどんな性格?」


「軽くて女好きで酒も煙草もやるし万引きやカツアゲの噂も聞いた事あるけど」


「霊魂には嘘は通じないんだよ。もし今の健児君をお婆さんが見たら成仏どころか自分の教育を悔いてますます苦しむだけなんだよ。それに両親に関心を持たれないからグレたっての言い訳だ。俺の後輩にも似た境遇の奴がいたけど他人を傷つけるのを嫌う奴だったよ」


多少っていうか、かなりひねくれてはいたけど。


「それなら健児に言ってあげれば良かったじゃん。なんか山っち厳しいよ」


「自分の行いを見つめ直して悔い改めなきゃ意味がないんだよ。さっきの健児君を見る限り反省はしてない」


それに多分お婆さんは自分の意志で100キロ婆さんをしている。


「ふーん、なんか難しいね。そう言えばあの使えない妖精はどうしたの?元に戻さないとまずいんじゃない?」


「今は妖精界に帰ってるよ。俺と契約をしている限り他の人間に喚ばれる事はないから」


「山っちも、物好きだよね。なんの役にもたたないんでしょ?」


「坊主が役立たないからって相手を否定したら駄目だろ?それに一度契約を解除しない限りは違う使い魔を喚べないから坂崎先生みたいな例は防げる」


組織が動いてくれたお陰で坂崎や被害生徒の記憶は消去できた。


「山っちて本当にお人好しだよね。何だかんだ言いながら健児の事も見捨てる気はないんでしょ?」


「それも坊主の努めだから。麗奈、健児君がきちんと反省した様なら教えて欲しい」


「山っち次はケーキ屋で手をうってあげる。情報が入る上に美少女とデートが出来るんだよ、凄いお得じゃん」


麗奈の場合、ケーキが9で俺が1なんだろうな。


――――――――――


それから数日後の事、使い魔のプリムが俺の部屋に来ていた。


「マスター、マスターは人付き合いを考える必要があります。特にあの礼儀知らずとは距離を置くべきです」


あの時は夜でよく分からなかったけども、プリムは水色の長い髪と羽を持っていた。


「麗奈は口はともかく中身はきちんとした娘だよ」


「きちんとした娘は年上にタメ口なんて使いません。ましてや妖精を虫だなんて言いません!」


どうやらプリムは麗奈に虫扱いされた事を相当根にもっているらしい。

そんな時、俺の携帯が鳴った。


「マスター相手は生意気女じゃありませんか。出る必要はありま…ひぃー、なんですか?その禍々しいストラップは」


プリムが怯えているのは俺が可愛がっていた後輩からもらった巨大な真っ黒な鱗。

彼奴はどこでこんな物を手に入れたんだろう。

「麗奈どうした?これから家にか?別に構わないけど…」

「礼儀知らず女はマスターの家に来るなっ。僕は断固反対するっ…。マ、マスターその鱗を近づけないで下さい。中の人がにらんでるんですよー」


「山っち、役立たず妖精がいるんだ。分かったお土産持ってくね」


「マスター、あの女はどれ位で到着しますか?」


時間を教えるとプリムはドアを必死に抑えていた。


「プリム、麗奈は勢いよくドアを開けるから気をつけろ…遅かったか」


幸いプリムはドアと壁の隙間に逃げる事ができたらしい。


「マ、マスターそういう大事な事は早く言って下さい。危うく僕はノシ妖精になる所でしたよ。


それに礼儀知らず女、他人の家のドアを開ける時はノックをするかチャイムを鳴らすのが礼儀です」


「虫うるさい、山っちにはちゃんと部屋に入る前にメールしたっつの。ほれ虫にお土産」


麗奈が持ってきたのは


「こーらー虫カゴならまだしも、ラップを張ったバケツってなによ。しかも穴を開けてないし。僕は海で捕まった蟹か!!」


この2人って意外と気が合うのかも知れない。


「山っち、健児が近くに来てんだ。会ってあげて」


待ち合わせ場所には坊主頭にした健児君がいた。


「兄貴、俺馬鹿だから反省の仕方なんて分からなくてだけどバアバを助けたくて…もう馬鹿はやらないからバアバを助けて下さい」


健児君の守護霊も合格を出していた。


「おっし、それなら健児君、お婆さんとの思いでの品を持って来い。きちんとお婆さんを救いに行こう」



健児君が持ってきたのは小さなクマの縫いぐるみ。

すでにボロボロだけども大事にされていたのが分かる。


「さてそれじゃ麗奈と健児君は教えた場所で待機、俺がお婆さんをそこまで誘導する」


法廷速度内で走りながら、霊力でお婆さんを呼び出す。

現れたお婆さんが俺と併走しようと瞬間に結界に拘束して健児君達が待機している場所に誘導した。


「バアバ、僕だよ健児だよ。バアバごめんなさい、良い子にしてなくてご免なさい」


健児君のクマの縫いぐるみにお札を貼り中に閉じこめれた思い出を解放する。

お婆さんの膝枕で寝る幼い健児君、お婆さんとお祭りに出掛ける幼い健児君、お婆さんにあやされる幼い健児君。

そこにいたのは髪をきちんと結った優しいお婆さん。


「健ちゃん、ごめんね。バアバがパパをきちんと育てなかったから健ちゃんに哀しい思いをさせちゃったわね」


「バアバ、バアバごめん、ごめんなさい」


健児君は泣きながらお婆さんにすがりついている。


「貴女の役目は終わりました。健児君はもう大丈夫ですから安心して下さい。結界はまだまだ保ちますからゆっくりと話をしても大丈夫ですよ」


俺と麗奈はその場から離れる。


「ねえ山っち、健児のお婆ちゃんの役目ってなに?」


「お婆さんはあそこで事故を防ぐ為に警告する役目を請け負っていたんだよ。健児君の業を少しでも減らす為だと思う。成仏出来ないのかなり苦しいんだけどもそれでも続けたんだ」


「そうなんだ、もう大丈夫だよね。健児反省してたし」


「もし間違った道に進みそうなら周りの人が戻せば良いんだよ。俺も何回も道を間違いそうになったし、今も間違っているかも知れない。だから反省して自分を省みるんだよ。まっ、毎日似たような失敗を繰り返しているけどな」


救えずに祓った霊もいる、無理矢理退治した妖怪もいた。

多分これからもずっと反省して動いての繰り返しなんだと思う。



この物語の流れはこんな感じになる予定です

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