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かしましさの嵐

 俺は今あの言葉を実感している。

女3人集まれば姦しい(かしましい)ってのは本当だと思う。


「ねえねえ、普段の大君ってどんな感じ?互助会にいる時はくそ真面目な顔して"万知様いい加減にして下さい"とか言ってさ、時代劇の爺やみたいなんだよ」


「山っちは普段から堅物だよ。"麗奈、言葉遣いはきんとしろ"って先生じゃないんだからさ。それと誰にでも優しいよ。特に女の子にはね」


「いるよねー、そういう奴。女の子は自分だけに特別な優しさが欲しいって気持ちが分からないんだろーね」


「大君には無理だって。特別扱いとか出来ないタイプだもん」


「山っちは2人で遊びに行ってる時でも困ってる人がいたら優先しちゃうんだよー。私を放っといてさ」


「うわっ、それ最悪。お前は誰とデートしてるんだって言いたくなるよね」


万知様、麗奈、鬼瓦さん3人のガールズトークが物凄い勢いで展開していく。


「でも麗奈ちゃんは大君にとって特別だと思うな。だって互助会で山田が女の子を呼び捨てにしてるって大騒ぎになった位なんだよ」


「まあ、ホワイトデイにお手製のクッキーの他にスニーカーも貰ったしねー」


「えっ?山田さんって、あのキャラでお菓子作るの?やだー!!うけるんですけどー」


「大君は料理だけじゃなく家事炊事が得意なんだよ。あー爺やじゃなくオカンかもね」


「分かるー。家まで送ってくれた時も"デート楽しかったよ"じゃなく"寒いから風邪ひかない様にして寝ろ"って言ったんだよ」


姦しいが、俺がネタになっているが万知様が笑顔になっているから良しとしよう。


――――――――――


 その後も3人の話は1時間近く続いた。

フッション・グルメ・歌・ダンス等々、正直よくあんなに話す事があるもんだなと関心してしまう。

満足したのか、万知様が一息つくなり俺に声を掛けてきた。


「それで大君、この2人を今後どうするつもりなの?」


「鬼瓦さんは修行場に行ってもらい霊能力を制御出来る様になってもらうつもりですが」


「亜美ちゃんは当然として麗奈ちゃんも連れて行ってあげて。当然、案内役は大君ね」


「しかし万知様、麗奈の霊能力は強くありませんよ」

麗奈の霊能力は常人より少し強い程度でしかない。


「本来はねー。どっかの誰かさんが近くにいすぎたり、色々と巻き込みまくった所為で麗奈ちゃんの霊能力が強まっちゃたのよ」

万知様が呆れ顔で話をしている。


「でも茜ちゃん、私は山っちがお祓いした所ってあんまり見た事ないよ」


「秋川さんが消した記憶は私が治したげるね。…うん、これで大丈夫」

相変わらず万知様の力は規格外だよな。


「それじゃ鬼瓦さんには後日組織から連絡が入ります、麗奈には俺が伝えるよ。帰りは俺はスクーターを取りに戻らなきゃいけないんだよな。万知様、麗奈を送ってもらって良いですか?」


「山っち、私も一緒に行くよ。色々と聞きたい事もあるし。それじゃ茜ちゃんメールするね」


――――――――――


 

 「山っち、本当に幽霊とか妖怪って本当にいるの?」


「幽霊なら麗奈も何回か見てるだろ?」

麗奈が見た霊は廃屋にいた霊と健二君のお婆さん。


「だけど何か実感がわかないんだよね。この辺にも幽霊っているよ?」


「そこら中とまではいかないけど沢山いるんだ。まっ、俺も普段は見えない様にしてるんだよ」

霊は自分が見える人間を頼ってきやすい、全てを救うなんてのは無理だし成仏は自分で何かに気づかないと意味がない。


「ふーん、それで妖怪も沢山いるの?」


「妖怪じゃないけど妖精なら家にも1人いるよ」


「妖精?…えー、あの虫まだ山っちの部屋にいたの?」

記憶が戻っても麗奈はプリムを虫扱いするんだな。


「最近は乙女ゲーや昼ドラにはまってるみたいだよ」


「うわっ、相変わらず何の役にもたってないじゃん」

悪いプリム、これに関しては俺もフォーロの仕様がない。



―――――――――


 僕がBLアニメを見ながらマスターを待っていた時の事です。

マスターの部屋にあいつが来たんです、あの礼儀知らずが。


「山っち虫のしつけ考えた方が良いよ。あんなのに夢中でお帰りなさいも言わないんだもん」


「出たなー、礼儀知らず女。ノックもしないお前に言われたくないわ」

我ながら見事な切り返し、礼儀知らず女はぐうの音もでない筈。


「家主の山っちが鍵を開けてくれたのにノックする必要ないじゃん。山っち、がお仕事してる時に訳が分からないアニメを見てるなんて、虫は本当に良い身分だね」


「虫って言うな。僕はダイナマイトセクシーモデルフェアリープリムだ。DSMフェアリーなんだぞ」


「へっ?DQNフェアリーの間違いじゃね。そうだ虫に言っとくね、今度から私が山っちのお仕事を手伝うから虫は安心してプー太郎生活を楽しみな」

この女は図々しくもマスターの仕事にまで入り込んでくるのか。


「マスター、なんでこの礼儀知らずを認めたんですか?今からでも遅くないです、契約をクーリングオフして下さい」


「認めたのは俺じゃなく万知様だ。万知様が決めた事を俺が破棄出来る訳がないだろ」

まずい、このままじゃ僕の喰っちゃ寝生活が崩されてしまう。



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