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白と黒

久しぶりの更新です

 コンビニの客足が一段落すると、麗奈が妙に真剣な表情で話し掛けてきた。


「山っちは占いって信じる?」


「占いって星占いとかか?」


立場上、占いを全否定はしないが全ての人を12の括りだけに分けて占うのは無理があると思う。

そういや昔、男子校時代の後輩が占いで"クラスメイトと恋が芽生えるかも"なんて結果が出てえらい落ち込んでいたよな。


「違うよ。ちゃんとした占い師による占い。凄く当たる占い師がいるんだって興味ない?」


「ないな。よく当たるって言ってもあれだろ?内容が曖昧でどうとでも取れる内容なんじゃないのか?」


実際に当たりすぎる予知をする占い師は仕事をしにくいんだよな。

万知様なんて人の不幸も見えちまうから、力を抑えてるし。


「うわっ!!つまんない反応。もしかして"貴男に可愛い年下の彼女が出来るかもしれませんよ"とか言われるかもよ」


「しれませんよだろ?出来なかったら選択が悪いとか、身に着けている物が悪いとか言うんだろ」


「山っちつまんねー、つまんねー。もしも私が"格好良い彼氏が出来るかも"とか言われても良いの?」


「そんなのお前がナンパを断らなきゃ直ぐに出来るだろうが」


「にぶっ!!山っち鈍すぎ!!そんなのだから彼女が出来ないんだよっ」


鈍いと言われても、タイプじゃないって言った癖に俺に何を期待してるんだろう。


―――――――――


 鳴かぬなら鳴かない理由を考えようホトトギスbay麗奈。

山っちの、あの鈍さはなんなんだろう。

普通はあそこまで言ったら気がつく筈だ。

私が山っちの事を好きだって事を。


「美保ー、駄目だったー。山っち鈍すぎるー」


「そりゃ麗奈の今までの態度を見てたら誰でもそう思うよ。夏希の押しの強さを見て初めて自分の気持ちに気づくんじゃねー」


そう、夏希が驚く程に積極的になっているんだよね。


私より先に山っちに電話を掛けるし、山っちの家に遊びに行けば夏希が先にいる。

そこで初めて自分の気持ちに気付いたんだよね、山っちを誰にも渡したくないって。


「美保はどっちの味方なのさー」


「麗奈も夏希も2人共ダチだからねー。夏希のちゃんとした気持ちは分からないけど、今回は山田さんを大切にしてくれそうな方に味方するよ」


「何それー?私が山っちを大切にしてないみたいじゃん」


「麗奈はどっちかと言うと山田さんに頼り過ぎだからね。夏希が選ばれたら麗奈困るだろうねー」


「うっ!!それより例の占い師って本当に当たるの?相性占いしてみようかな?」


「うわっ!!いきなり恋する乙女?麗奈ギャップ激しすぎ」


その後も私は散々美保にからかわれた。

でも相性占いが最悪だったらどうしよう。



―――――――――



 八木から新しい依頼があるからと連絡が来た。

詳しい事は直接俺の部屋に来て説明をするらしい。


「山田、邪魔するZE」


「お邪魔します」


結縁をしてから八木と篠崎さんは良く一緒に行動をしている。


「それで新しい依頼ってのは、なんだ?」


「まずこれを見てくれYO−」


八木がポケットから取り出したのは直径5センチくらいのピンク色の球。


「これは微妙に霊力が付加してあるな。しかしこれはただのプラスチックだろ?随分と無駄な事をするな」


自然石いわゆるパワーストーンに霊力を付与すれば元から備わっている力に加味されて強い力を発揮するがプラスチックだと一過性にしかならない。


「良くわかったNE−。これが1個5千円で売られているんだとYO−」


「高っ!!これ百均で買えるだろ。随分とアコギな商売をする奴がいるな」


「それがかなりの人気らしいYO−。中にはこれが欲しくて犯罪を犯す娘もいるそうだZE」


マジかよ。

こんなプラスチックを手に入れる為に業を増やすなんて。

しかし、なんでこんなのが人気なんだ?精々、芳香剤レベルのリラックス効果しかないだろ…。


「もしかして、これは入り口レベルなのか」


「そっ、これは掴みの手段らしいZE。売ってるのは白魔術を使った占いの店。高い物になると、相手の心を独占できるとか、ライバルの魅力を消すとか、中にはライバルの幸運を消すなんて物もあるらしいZE」

「それは白魔術じゃなく黒魔術の類じゃねえのか」


白魔術と黒魔術の違いは頼る力は、白魔術は神や願いに適した精霊や妖精、黒魔術なら悪魔や物の怪と言われている。

しかし一番の違いは白魔術は人の幸せを願う術で、黒魔術は人の不幸を願う物。


「馨ちゃん、先のどの辺が黒魔術になるの?」


篠崎さんが小首を傾げて八木に質問をしている。


「OK、雪菜に教えてあげるZE。相手の心を独占できるとってのは人心操作になるんからDe、ライバルの魅力を消すのは精神に関与するし、ライバルの幸運を消すのは言い換えれば相手を不幸にするって事なんだよ。これは白魔術ではあり得ないんだ」


内容が内容だけに八木も真面目な口調になっている。


「えー!!私が生きている時に見た占いの本にも似たような内容が書いてたよ」


「えっ?雪菜、それマジ?ねっ誰との事を占おうとしたの?」


八木は新しい事実に焦りまくっている様だ。


「馨ちゃん、本は見ていただけだよ。でも普通の人は違いが分からないと思うよ。その他には何か違いがあるのかな?」


「白魔術は信仰心を必要するが、黒魔術が必要とするのは生命力やカルマ、早い話が願った本人も不幸になるんだよ」


下手をすれば知らず知らずのうちに自分も周りも不幸にする可能性もある。


山田さん、お気に入り登録数をあっさり権蔵に抜かれてしいました

4作品で一番下に

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