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現れた少女

 携帯にオンカノの招待メールが届いた。

予め霊力は法具にて抑え気味にしてあるし、部屋には結界をはって外から干渉出来ない様にしてある。


「プリム、まずどうすりゃいいんだ?」


「マスター、いきなりの丸投げですか!先ずはアクセスをして下さい」


アクセスすると次々に色々な女の子が現れては消えていく。


"オンカノは貴方だけの彼女と巡り会うゲームです。携帯の向こうでは、貴方のオンリーワンの彼女が待っています"


さてと、何がでるのやら。


――――――――――


 僕のマスターは無敵の退魔士で無敵の恋愛ゲームクラッシャーでもありました。

オンカノは設問に対して答えを自由入力していくとプレイヤーの好みに合わせたキャラが登場するらしいんですけれども、マスターの回答は。


貴方は、女の子になんて呼ばれたいですか?

マスターの答えは、相手の好きに呼ばせる。

貴方は、どんな趣味の女の子が好きですか?

マスターの答えは、他人の趣味に口を出すつもりはない。

貴方は、どんな髪型の女の子が好きですか?

マスターの答えは、髪型で人を判断する気はない。

女の子と、行きたいデートスポットはありますか?

マスターの答えは、話し合いで決める。


 マ、マスター、主体性が無さ過ぎます。

どれだけ硬い答えなんですか?

話し合いでデートスポットを決めるって会議じゃないんですから。

キャラメイキングから、こんな展開になるとは。

その後もマスターのキャラメイキングの参考にならない回答は続いていきます。


マスター、嫌いな女の子に対する答えが自己主張をしない人ってわざとですか?


ようやく出て来たキャラはテンプレな顔良し、頭良し、運動神経良し、性格良しの万能ヒロイン。

早い話がマスターの回答が酷すぎたのでテンプレヒロインにしたんだと思います。


 そしてゲームでもマスターのクラッシャー振りは遺憾なく発揮されました。


ヒロインが「よろしくお願いします」と言えばマスターは「こちらこそ」で終わり

ヒロインが「大君の趣味は何かな?」と聞けばマスターは「まだ貴方から大君と言われる程、親しい仲ではない筈ですが」でと答え

ヒロインが「私の事を嫌い?」と聞けばマスターは「好き嫌いは1時間で判断出来ません」と答えて

ヒロインが「私の料理美味しかった?」と聞けばマスターは「ゲームなので味が分かりません」と答える。


マ、マスター親密度グラフが1ミリも変動していません。

きっと中の幽霊少女さんは困惑しまくりですよ。

恋愛ゲームを役人並の硬さでプレイする、それが僕のマスターです。


 ちなみにマスターの所に来た幽霊少女は10代半ば色白の美少女。

マスターの答えに顔を強ばらせるだけで笑顔を全く見せていません。


「それじゃ俺なりのオンカノ攻略を始めるぞ」


マスターはそう言うと幽霊少女の前に立ちました。


「それで貴方の名前は何て言うんだ?」


本来なら姿が見える筈がない自分と目を合わせての質問に幽霊少女は動揺しています。


「私の事が見えるんですか?」


「年は10代半ば、髪は黒くて肩までのストレート、可愛い顔をした女の子だろ?」


優しく笑いながら答えるマスター。


「可愛いだなんて、冗談は止して下さい。私は幽霊なんですよ、怖くないんですか?」


「あいにく俺は坊主でな、幽霊とは付き合いが長いんだよ。俺は貴方を解放したいんだけど良いかな?」


マスターは不安げな幽霊少女に対して、微笑みかけます。


「良いんですか?でも何もお返しできませんよ、ゲームでも楽しませてあげれませんでしたし」


「それが坊主の勤めだよ。まずは名前を教えてくれるかな?」


「雪菜です。篠崎雪菜と言います」


篠崎雪菜ちゃんは幼い頃から病弱でずっと入退院を繰り返していたとの事。

友達もうまく作れず、恋も出来なかった、その後悔で成仏出来ずにいる所を何者かに拘束されてマスターの所に行く様に命令されたみたいです。


「それじゃ篠崎さんは親しい友達を作りたいんだね?」


「はい、キャラじゃなく私と仲良くなって欲しいんです」


 普通なら俺が友達になってやるよと言うんでしょうが、そこは無敵の朴念仁なマイマスターです。

おもむろに携帯を掛け始めました。


「八木か、今から家に来てくれないか?相談があるんだよ」


 マスター、ゲームの次はヒロイン候補を丸投げにするんですね。


30分位した時でしょうか、マスターと間逆の存在が姿を現しました。


「ハーイ、呼ばれて登場しちゃいましたー。ヤッギ君でーす」


「八木、普通に入って来いよ」


「山田、人を呼びつけておいてなんだYO。おっ、ohー、妖精に美少女幽霊?山田ついに現実から萌えに現実逃避しちゃったのか?」


「そういや八木はプリムと初めて会うな。プリムは使い魔の石を回収した縁で俺の使い魔になった妖精。そしてもう1人は篠崎雪菜さん、例のオンカノの被害者だ」


信じれない事に、チャラ男は可愛らしい僕を一瞬だけ見た後は篠崎さんに釘付け状態。


「ねえねえ、ちゃんユキはデートに行きたい場所とかある?そうだっ、これから夜景見に行こーYO?」


「えっ?私デートとかした事ないですし。それに幽霊とデートしても楽しくないんですよ」


顔を真っ赤にしてうつむく雪菜ちゃん。

それでもチャラ男の攻勢は続く。


「大丈夫!!ちゃんユキと出会った瞬間に僕ちゃんのガラスのハートを射抜かれちゃたんだYO−。こう見えても僕ちゃん真面目だし意外と家庭的だし山田程じゃないけど霊力を持ってるから心配は無YO−だYO−」


僕や雪菜ちゃんが見えている時点で霊力があるのは納得ですけれど


「マスター、これに雪菜ちゃんを任せるの若干どころか強烈に不安なんですけども」


「ちゃんプリムは手厳しいNE−。山田、大丈夫俺にちゃんユキ任せちゃいなYO−」


両手の親指を立てて自分を指すチャラ男。


「頼んだぞ。後オンカノの招待メールをもらったから調査を頼む」


「任せとけ!!ちゃんユキみたいに可愛い娘を泣かせる奴はきっちりと片づけないとな」


チャラ男の勢いに圧倒されたのか雪菜ちゃんはチャラ男に着いて行きました。


「マスター、大丈夫なんですか?」


「八木の調査能力はピカイチだよ。それにあいつも坊主だ、篠崎さんと普通に接してくれるよ。八木だから大丈夫なんだよ、ただアイツを苦しませ事になるかもしれないけどな」


マスターは遠い目をしながら、そう呟きました。


活動報告にも書きましたけれど6月に東京に行くので、この作品に反映させたいです。

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