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憑いてるモノ

山田の主要人物一覧を作らなきゃ

ザコ3部作に出てきた人数はかなりかも

マスターの携帯からうるさい音楽が流れてきた。

この音はアイツだ、礼儀知らず女だ。

アイツは僕が妖精界で血の滲む様な修行をしている間にマスターの優しさにつけこんで、ご飯をを食べに来たり毎日電話を掛けてきたりと好き放題していたらしい。

僕はマスターがこれ以上アイツに振り回されない為にも会話内容をチェックする事に決めた。


「山っち、孝子ねえちゃんと都合あわせといたよ。明後日の2時に駅の南口で待ち合わせ。それでその後はどこに行く?」


「そうだな、あまり他人に聞かれたくない内容だし人数が人数だからカラオケに行くか」


マスターの話だとカラオケ店なら防音がしっかりしているから霊の話をしても不審に思われないとの事。


「うわっ珍し!!山っち歌うの?」


「あのな違和感を無くす為にカラオケを選んだんだよ。言っておくが俺は1曲も歌うつもりはないからな」


マスターは歌を歌うのが苦手だ。

妖精族の歌声は魅惑の歌声、そう僕とマスターは互い苦手な物をフォロー出来るまさにベストパートナー。


「えー、せっかくのカラオケなんだから歌おうよ」


「前に俺に音がとれてないって駄目だしをしたのは誰だっけ?」


「うー、またそれを言う。しつこい男は嫌われるぞ。山っち明日は11時頃に迎えに来てね」


「11時って待ち合わせは2時だろ?」


「山っち、一緒にお昼ご飯食べに行こっ。行きたい店あるんだけどナンパがうざくてさ。山っちがいるとみんなビビって声を掛けてこないし」


こ、この女はマスターを迎えに来させたあげにくナンパ除けに使うなんて、いくらマスターがトロル並にごついからって失礼だ。


「ったく、俺はお前のガードマンじゃないんだぞ」


「いいじゃん、嫌な奴なら一緒にご飯なんか行かないんだし。なーんか山っちが近くにいてくれるとリラックス出来るんだよね」


マスターお任せください。

貴男の忠実なるプリティ妖精プリムがあの女の邪魔をしてみせます。

その為には


「マスター、カラオケに僕も憑いて行っていいですか?きちんと姿は消しますから」


「なんか微妙に意味が違う気が…分かった、プリムに頼みたい事もあるから着いて来い」


「はい、ちゃんと憑いて行きます」


そんなマスター僕が憑いて来るのが安心だからって安堵の溜め息なんか漏らさなくても。


―――――――――


俺達が待ち合わせ場所である駅の南口についたのは1時40分頃。


「山っち相変わらず真面目だよね。待ち合わせの20分前から待機してるなんてさ」


「それが普通だっての。本当はもう少し前から来て居てもおかしくないんだぞ」


この時間になったのは麗奈が早過ぎるとの反対したからなんだし。


「えー待ち合わせ時間はギリでいいじゃん。待つのダルいし」


ちなみに麗奈は俺との待ち合わせ時間に間に合った試しがない。


「そんなんだから麗奈は何時も遅れるんだろ」


「女の子は準備に時間が掛かるんだって。あっ孝子姉ちゃんだ、おーいこっちー」


麗奈は藤川さんを見つけたらしく大きく手を振って挨拶をする。


「山田さんお久しぶりです。彼女が話をしていた友人の姫宮桜さんです」


「姫宮です、この度は色々とありがとうございます」


姫宮と紹介された女性が頭を下げて礼儀正しく挨拶をしてくれた。

姫宮さんの見た目の印象は清楚。

髪は長く、前髪は綺麗に揃えている透き通るような白い肌を持った和風美人といった感じだ。

しかしそれ以上に気になるのは。


(マ、マスターあの人に憑いちゃってます。べったりねっとり黒い物が憑いちゃってますよー)


俺に憑いて来たプリムの声が頭に直接響いてきた。


(ああ、あれじゃあのお札だと効果が薄い。元からなんとかしないとな)


(ふぇー見た目は黒髪の清楚な美少女って感じなのに。あんなドロドロが憑いてるなんて)


プリムの言う通り姫宮さんに憑いてるのは怨みの塊りといった感じだ。


「初めまして山田明大と言う者です。やっぱりあのお札では役に立ちませんでしか」


「山っち、あのお札って、もしかしてお札をケチったの?」


「違うっつーの。今回渡したのは霊の侵入を防ぐ簡易のお札だよ。今日話を聞いてから丁度いいお札を渡すんだよ」


本人に憑いているんなら結界タイプのお札は意味を成さない。


「いえあのお札の効き目は凄いですよ。お札を貼ってからは目を見ていませんし」


姫宮さんが慌てた様に手を振っている。

つまりあれは普段は姫宮さんに憑いているが部屋には入りたがらないと。


「山っち、立ち話より早くカラオケに行こっ。ここでそんな話をしてたら目立つじゃん」


麗奈は俺の手を引っ張って歩き出す。


「あらあら麗奈ちゃんとお坊さんは随分と仲良しさんなんですね」


「孝子姉ちゃん何言ってるの!!こうしないと山っちが何時までも動かないからだよ」


「はいはい分かりました、さあ行きましょ」


やりとりを見てると麗奈と藤川さんは仲の良い姉妹の様に見える。


――――――――――


「山っち、何歌う?決めてないなら私が先に歌うよ」


「しっかり検索を済ませた奴がそれを言うか。俺は姫宮さん詳しい話を聞かなかゃいけないんだよ」


もちろん歌うつもりはこれっぽっちもない。

そう言って俺が姫宮さんの隣に座ると


「ストッープ、なにちゃっかり桜さんの隣に座ってるの。山っちのスケベ」


「あのな歌を歌っている時だとこの距離じゃないと話が出来ないだろ。いいから早く歌えって」


「だったら早く話を済ませる。全く山っちは油断も隙もないんだから」


姫宮さんの話をまとめると視線を感じる様になったのは3ヶ月くらい前からで、1ヶ月くらい前から視線を感じる事が多くなったとの事。

直接憑いてる霊に祓うのが手っ取り早いんだけれども、多分それだと同じ事の繰り返しになるだろう。


(プリム、しばらく姫宮さんに憑いててもらえるか?何かあったら帰ってきて良いから)


(マ、マスターはこの汚れを知らない可憐な妖精をあのドロネチョと一緒に過ごせと言うんですか?ううっ、こうして僕は薄汚れていくんだっ)


(帰って来たら好きな物を作ってやるから)


(はいっ!!わかりました、プリムにお任せ下さい)


「さて姫宮さんには近いうちに新しいお札を渡します。何かあったら藤川さんに伝えて下さい」


「あのお金はどうしたら良いでしょうか?多少でしたらお支払いは出来ますので」


持ち物をみると姫宮さんはいわゆるお嬢様なんだろう。


「それは全てが解決してからにしましょう。さてちょっとすいません」


そう断り俺はトイレに行き八木に電話を掛ける。


「八木、俺とカラオケから出てきた女性の尾行と見張りを頼む」


「山田は良いよNE−。美女と美少女に囲まれてカラオケ。それなのに俺は寒空の中見張りだZE」


「ったく、俺がカラオケを嫌いなの知ってるだろうが。予想だと対象者に憑いてるのは…だ」


万知様は俺がこの手依頼が苦手なのを知っている筈なんだけどな。


ザコ3部作の中でも山田さんが一番人気なんだろうか。

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