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見えてきたモノ

なんとか麗奈を落ち着かせる事が出来たので詳しい話も聞けるかもしれない。


「麗奈、呪いって言ってたけどお前達を恨らんでいる奴でもいるのか?」


あれだけ濃い呪いだと、かなり深い恨みだと思うんだよな。


「山っち怒るよ。私達はダンスや歌が好きな人間が集まって作ったチームなんだよ。誰かに恨まれる様な事はしてないってば」


「それならこう言えば分かりやすいか?逆恨みしている奴に心当たりはないか」


「いる…。同じライブ会場でよくうちのチームをデイッスってくるヤツがいるんだ。死ねっとか呪ってやるとかさ、くだらなくて相手にしていなかったけど」

 

逆恨みにしても、それだけじゃ呪いを掛けれる訳がないんだが。


「随分と過激な言葉だな。それじゃ呪いだって思いたくもなるか」


「そいつさ、ゴスロリの服を着て顔を死んだ人みたいな青白い色にメイクしてるんだ。歌詞も悪魔とか呪いとか死とかそんなのばっか、名前もリリスとか言ってさ」


リリス、アダムの最初の妻だとか夢魔だとか魔女だとか言われる存在。

怪力乱神を語らずって言葉がある通り、決して気軽に自称して良い名前じゃないんだけども。


「凄い人もいるもんだな。人気はあるのか?」


「そいつのファンも似たような服を着てみんな暗い感じなんだよ。あー、やだやだ。よっし!こんな時は麗奈ちゃんの美味しいオムライスを食べて元気を出そう!!」


こりゃ麗奈に内緒で調べてもらう必要があるな。

麗奈のオムライスは結構美味しかったんだけども、ケチャップで"山っち"って書くのは止めて欲しかった。


「ねえ、山っち。山っちってさ大和撫子とか好き?」


「あんまり得意じゃないよ。どうも男をたてるとか、黙って俺に着いて来いってのは苦手なんだよ。それで本当に納得しているのか分からないし」


「へー、そうなんだ。だよねー!山っちって鈍感だし」


「俺はどっちかって言うと自分の意見をはっきり言ってくれる方がいいな」


「えー、それって遠回しに私を口説いてる?いやーモテる女は辛いねー」


本音を言えば力を使えば嘘をついてるかどうかぐらいはわかるから、気持ちを押し殺されると疑心暗鬼になりそうで怖いからなんだよな。


「まっ、どっちにしろ俺には縁がない話だ。麗奈遅くなったから家まで送ってくよ。今日は美味い物食わせてくれて有り難な」



――――――――――


とりあえず麗奈の先輩の解呪のヒントになればと柘植さんに電話を入れる。


「ふーん、ゴスロリでリリスかー。ファンと一緒にトランス状態になって何かを喚んじゃったのかもね。とりあえず上に報告しておくね」


当然の事ながらリリスなんて高位の存在は素人に喚べる訳がない。


「お願いします。麗奈のヤツにも呪いが掛かったみたいですから」


「麗奈ちゃんかー。なかなかの美少女だったけど山田君は口説かないの?」


「柘植さん、麗奈は力のない素人なんですよ、親しくなり過ぎたら巻き込む危険性があります。それに俺は麗奈の好みと真逆みたいですから」


「誰も結果論は聞いてないでしょ?お姉さんが聞いてるのは山田君の気持ち。他の男の子に取られても知らないよ?それと他の男と付き合っても、麗奈が幸せなら俺は良いってのは駄目だよ」


「柘植さん、今は呪いの話をしてるんですよ。勘弁して下さい」


「お姉さんにしてみたら山田君の幸せも心配なんだよね。あのお堅い山田君が女の子を呼び捨てにしてるだけでも一安心なんだから」


「と、とりあえず何か分かったら連絡して下さい」



これ以上、麗奈の記憶を削るのは負担が大き過ぎる。


今回の件は、ばれない様に動かないと駄目だ。


「マスター、暗い顔してどうしたんですか?もしかしてあの女が作ったオムライスでお腹を壊しちゃいました?」


「違うって、プリムは妖精の粉を使う事はできるんのか?」


妖精の粉、妖精が自分の羽から創り出す粉で催眠効果を持つ。


「マスター、お気付きにならなかったのですか?僕はマスターの居ない間に修行をして成長をしたんです。言うなれば今の僕はスーパープリム!!今なら妖精の粉もお茶の子さいさいですっ」


テーブルの上で、青い髪の妖精が特撮ヒーローのポーズをきめている。

プリム見た目はお嬢様っぽいんだけど、中身がな。


「そうか、それならプリムに流す力を増やしても平気だな」


使い魔は契約者の霊力や魔力を触媒にして、妖精の粉や幻術を使用する。

当然流す力が多い程、その威力も増加する。


「へっ?ちょっと待って下さい。マスターの霊力は強力過ぎるんですから加減して下さいよ…実際はスーパープリムじゃなくプリム1・5vrと考えてもらえたら嬉しいんですけど」


いくら流す力が強くても妖精にも容量がある。

下手に流し過ぎると


「うきゅ〜」


テーブルの上で昏倒している青い妖精みたく一時的に気を失ってしまう。


……


「マスターひ、酷いです。はっまさか僕が気絶している間にあんな事やこんな事をしたんじゃないですよね。僕もうお嫁に行けないっ、でもこれも僕が可愛すぎる所為なんだっ」


プリムはテーブルの上でシナを作りヨヨッと泣き崩れた振りをしている。


「あのな実際は1・5じゃなく1・2ぐらいだろ。それに3分しか寝てないのに何するんだよ。1回妖精界に戻ってきちんと修行して来いっ」


「マスター待って下さい。戻しても良いですから、僕がチェックしている番組はきちんと録画して下さいね。今週のあめとーく楽しみにしてたんですから」


最近、俗化が激しい妖精が帰った事だし、俺も準備をするか。


山田さんの初出を知らないで読んだ人いますか?

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