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冬だからもっと寒くなる話

作者: ぬ~
掲載日:2006/12/02

クリスマスが近づいていくにつれ、子ども達は楽しさ、うれしさに満ちていた。

が、ここに一人、クリスマスを頑なに拒む子供が一人。

クリスマスの話題になると、顔を顰めて会話の群れから外れていった。

そんな少年が頑なに拒んだクリスマスが、今日、来た。



少年は布団をかぶって、静かに、怯えながら、クリスマスが去るのを待った。


何故?


知ってしまったからだ。

クリスマスの怖さを。


何てことだろう・・・。と、少年は後悔した。

自分の行った行為に。

そして、この事実を知ってしまった自分に。


少年は布団に潜り込みながら、

来るな・・・、来るな・・・。と、怯えて震える少年。

来ないで欲しい。出来れば、クリスマスなんて来ないで欲しい。


あぁ、何で僕は・・・、


あんな事をしてしまったのだろう・・・?


今更ながらに、後悔する。

悪気は無かった。

本当に。

ただ、ほんの少し、驚かすつもりだった。それだけのつもりだった。

なのに、アイツが勝手に転がり落ちて――――


少年は震えた。

怖い。

恐い。


未だ、少年の行いはバレてない。

だが、恐らく、彼にはお見通しなのだろう。

少年は恐怖に慄き、それでも、気付けば、布団の中で眠りについていた。



シャンシャンシャンシャン・・・



少年は鈴の音で目を覚ました。

いつの間にか眠っていたらしい。

布団から潜り出る時、出来れば、もう既に日が過ぎていて欲しい。

が、少年が時計を見たとき、時計の針は一時を少し回った刻を示しているだけだった。

少年は、「ハッ」と思い出す。

さっき、自分が聞いて目覚めた時の音。

あれは、鈴の音だった。

少年は恐る恐る、外を見た。

「・・・あ・・・、あぁ・・・!」

思わず声が漏れた。

窓の外、遠くに見えるのは、幻なんかじゃない。

トナカイに乗り、赤い服を着たおじさんが、何かを探すように空を徘徊していた。

少年はカーテンを閉ざし、窓を背にして汗を流す。

彼の探しているのは、自分だ。と。

ああ、何て事だ・・・!

少年は動いた。部屋、家の戸締りを全て確認する。

全てを閉ざして、更にガムテープを探し出し、隙間という隙間に貼り付ける。

入ってくるな・・・、入ってくるな・・・。

呟きながら、張る。張る。

自分の部屋の隙間に、全て張り終えた。

少年の部屋には煙突も無い。


これで大丈夫。これで・・・!


少年は布団を被り直した。

身を隠して、震える。

大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫・・・。

呪文のように繰り返して、なんとか眠ろうとする。


しかし、


ガタ・・・


物音が、少年の眠りを遮った。

ガタ ガタガタガタガタガタガタガタ・・・

窓を叩くような、揺らすような音だった。

大丈夫。大丈夫。入って来れないはず。

大丈夫。大丈夫。

少年は自分に言い聞かせる。


ガタガタガタガタガタガタガタガタガタ・・・ ガタ ガタ ・・・


音が、

止んだ――――


やった!諦めたんだ!


少年は喜び、かぶっていた布団を蹴り飛ばした。

が、

歓喜の表情に、一気に恐怖が張り付く。


居た。


開いた窓から冷えた風が吹きすさび、

部屋の中に立つ、一人の老人。


サンタだ。


髭を蓄え、赤い帽子を被り、赤い服を着ている。

目は窪み、眼球を確認することができない。

サンタの、手が伸びる。


ああ、そういえば・・・、

と、少年は思った。

誰から聞いたのだったろう、と。

サンタの話を、誰から聞いたのだったろうか、と。

覚えていなかった。

いつから知っていたのか、誰に聞いたのか。

そういえば、一つも覚えてない。

気付いたら、知っていた。

気付いたら、怯えていた。

いつからか与えられていた、サンタからのプレゼント。


そして死の間際、少年は見た。

サンタが持っていた袋。

袋の口から、血に濡れた腕がはみ出していた。

それも、恐らく大人のじゃない、

アレは、子供の・・・。


そして、よく見れば、

サンタの着ている、赤い服。

これは、元々、この色なんじゃない・・・。

これは、そうか・・・。


血の、

赤なんだ・・・。


サンタの手が、少年を捕らえ、


少年の意識は暗転――――

大丈夫、の羅列を見ててゲシュタルト崩壊をおこしてしまいました。

友達に、これは笑える、と言われたのですが、どうなんでしょう?

まぁトモアレ、楽しんで頂ければ幸いです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 見ていて後ろを何回か振り返ってしまいました。 サンタって本当は怖かったんですね・・・。 サンタへの見方が変わった気がしました。 面白かったです。
[一言] おぉ・・・・とても怖いですな・・・・ 背中がぞくっとして鳥肌がたちましたぞぇ 次の話も期待しております・x・
2006/12/11 20:09 評論家A(自称)
[一言]  そういえば、もうすぐクリスマスですね・・・。  あ〜なんだか怖くなってきちゃいました。  また、センスのある作品期待してますよ☆
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