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兆候! 怪鳥ジャスラ再び

ハッシャの奴らは奇襲攻撃に遭い一目散に逃げ帰った。


おーい!

おーい!


「ご無事でしたか王子? 心配しましたよ」


「うむ。よくぞ迎えに来てくれたな。褒めてやろう」


王子をコンプラの者に引き渡す。


これで任務完了。


だがまだやらなければならないことが残っている。


王子は無事コンプラ王国に帰還。



「こちらでよろしいですか? 」


部隊は引き続き進軍する。


「おいどうするつもりだ? 」


「協力致します」


どうやら我々の手助けをしてくれるらしい。これは心強い。


「よし分かった! こっちだ。着いて来てくれ」


ハッシャ領内。ナナチャットとの国境付近までやって来た。


「ちょっと寄り道をするがいいな? 」


「へいへい。ご自由に」



一行はドッドの案内で一気にクールシチャットへ。


これでようやく舞台は整った。



上空。


「ねえ寒くありません? 」


「我慢してください。空の上は寒いものです」


地上に比べて温度が下がるのは分かり切っている。でも寒すぎない?


「ガムは平気なの? 」


「はい。これくらいなんてことないですよ。いちいち騒ぐようなことではありません」


「だって…… 私冷え性なんですもの」


「それは申し訳ありません。ですが生憎、服は持ち合わせておりません。毛皮や毛布でもあれば良かったんですが用意してる暇がありませんでした」


「いいのよガム。でも急に寒くなって来たから…… 」

 

「確かに少々冷え込んできましたね」


天気が急変しどんどん暗くなっていく。


どうも変だ。嫌な予感がする。


ただいくらガムに言っても取り合ってくれない。


空飛ぶ馬車は真っ直ぐイーチャットへ。



「見えてきましたよ」


イーチャット。


思い出のイーチャット。懐かしい……


ついでに余計なものまで目に入る。


そう魔王城だ。


噂では魔王が手下を使って人間を集めているとか何とか。


本当かしら? まさか食べるつもり? 想像しただけで寒気がする。



「ガム寒いよ! 」


「もうワガママばかり言わないで…… きゃあ! 」


背中に飛びつかれたガムが悲鳴を上げる。


「もうステーテル! お止めください。危険です」


「だって寒いんだもの! 」


さっきよりも五度下がっている。これは大変だ。


辺りが闇に包まれる。


魔王城に差し掛かろうと言う時に何か不吉な予感。


「ガム! 」


強く抱きしめる。


「もうステーテルったらふざけ過ぎです! 」


「寒いよ! 寒い! 」


「もう困りましたねえ…… 」



ガムの操縦は完璧。


空飛ぶ馬車は強風に煽られながらも一定の高度とスピードを保っている。


「暗くありません? 」


「そんなものですよ」


魔王城上空。


「ねえガム。ガム? 」


「お願いですからもう少し離れて。操縦できないでしょう! 」


ガムが怒ってしまった。もう大人げないんだから。


「ええっ…… どう言うこと? 」


ガムもようやく異変に気付いたのか焦っている様子。


ただそれが何なのか分からないらしい。不気味だ。


魔王城上空を支配する何か。ゆっくり静かに近寄ってくる。



「ねえ何か聞こえない? 」


「ははは! また私を脅かす気ですか? 」


ガムはやはり相手にしていない。


分かってるくせに気づかないふり。大人だわ。


これだからガムには困ってしまう。


音? 音楽?


子守歌みたいな心地よく静かな調べ。


いつの間にか眠ってしまいそうだ。


寒さも和らぎポカポカ。


一体どこから聞こえてくるのかこの心地良い音色?


ああ今にも天にも昇る気分。


これが幸せ?


ついつい口ずさみたくなる。だがここは我慢。


「懐かしいですね。これは確か…… 」


ガムが音に合わせて歌い上げる。


「ガム! 」


ついつい聞き入ってしまう。



ぎゃあ!

ぎゃあ!


音楽に混じって獣の雄たけびが聞こえる。


「ねえガム…… 」


「申し訳ありません。私がつい歌ってしまったばっかりに」


ぎゃあ!

ぎゃあ!


今度ははっきりと聞こえる。


魔王の忠実な部下怪鳥ジャスラのお出ましだ。


ジャスラは無敵。一度目をつけられると逃げおおせることは不可能。


まあ弱点もなくもないんだけど。今はそんな余裕はない。


「ちょっと何するの! 止めて! 壊れる! 」


怪鳥ジャスラはお構いなしに馬車を揺らす。


ジャスラに狙われてはひとたまりもない。もうここは潔く諦めるしかない。


きゃあ!

いやあ!


怪鳥ジャスラの餌食となる。


空飛ぶ馬車はバランスを崩し落下。



二人の運命は?


いつの間にか空は明るさを取り戻していた。


                  続く

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