情事の果てに 禁じられた関係
ガムの誘いを受け入れる。
思っても見なかった展開。
もうガムったら強引なんだから……
でも心は正直だ。ガムを激しく求めている。
ベットは昨日まで寒くて仕方なかった。
でも今は違う。
部屋の暖炉に火が灯ったわけではない。だって暖炉は壊れているんですもの。
夜は暗くて怖かった。
でも今は違う。
もちろん暖炉の火も部屋の明かりも消えている。
それでも明るくて仕方がない。
体が火照る。
体が発光する。
ガムがいるだけで幸せ。
もうガムを放さない。ガムだって私を放さない。
「お姉さま! 」
「スティ―! 」
「お姉さま! 」
「スティ―! 」
まず手を握る。
それから体を絡める。
邪魔にならないように全てを脱ぐ。
これまでののわだかまりを解くように。
お互いを確かめ合った後にキス。
ゆっくりそれでいてあっさりと。
そして再びキス。
今度は強く激しく。
はあはあ
はあはあ
「ねえ、お姉さま…… 」
「何? 」
「許してくれる? 」
「まだ。ダメ。もっと」
何て背徳的なのかしら?
ド・ラボーとお付の者。その間には決定的な差異が。
破ってはいけない関係。
もっと言えば超えてはならない禁断の関係。
ガムが求めるものだから応じる。
私が求めればきっとガムも何も言わずに受け入れたことでしょう。
ガムが主導する。私は言われるまま。
このパターンが常だ。
ガムは私をいつも守ってくれる頼りになる年上のお姉さん。
でも今こうして裏切っている。私を無茶苦茶にしている。
ガムはどう思ってるんだろう?
聞くのが怖い。とっても怖い。
本当にガムは私を愛してくれているのだろうか?
まさか捨てるつもり?
ガムが分からない。
ガムとの関係が深まれば深まる程怖い。
二人は激しく愛し合った。
たぶん私もガムも今はお互いを一番に思っている。
でも自分の気持ちさえ分からないのにガムの気持ちなど分かるはずもない。
「どう気持ちいい? 」
「ええとっても」
こうして一連の儀式を終える。
「ガム…… 」
「ステーテル。ごめんね…… 」
ガムはなぜか涙を流している。
うれし涙? のはずない。
予想外の展開。
ガムも二人の関係に苦悩している?
いや私以上に悩んでいるのかもしれない。
「どうしたのガム? 」
「これで…… 」
「ええっ? 聞こえないよ」
「これで最後にしましょう」
「どういうこと? 」
「あなたには王子と幸せになって欲しい」
ガムの強い思いを受け取る。
「ではさっきまで愛し合ったのは嘘だと言うの? 」
「嘘ではありません。もしステーテルが本気なら…… 」
「だったらいいじゃない! 」
「いえ、ちっともよくありません」
もうお姉さまはどこにもいない。
あんなにも優しく抱きしめてくれたお姉さまはガムの奥の奥に。
もう姿を現さない。閉じ込められている。
「私はステーテルに幸せになって頂きたい。それにはやはり王子と結婚するのが一番なのです」
揺らぎに揺らぐガムの心。
私には理解できない。だって受け入れた。いえ強引に受け入れさせたたじゃない。
さっきまでのは何?
遊び? 戯れ? ガム!
決意を固めたガム。そしてついに口にしてしまう。
「随分と遠回りをさせてしまいました。今夜のこと私のただのエゴです。ステーテルに非はない。
それもすべて分かっていながらあなたを傷つけた。何と言い訳していいやら…… 」
ガムは参ってしまっている。
「ガム! お願い抱きしめて! 」
「それはできません。もう終わったのです」
「お姉さま? 」
「もう二度とそのように呼んではなりません」
非情なガム。
「私たちの関係はここまで。続きなど無いのです。終わったのでございます」
「ガム…… 」
いくら期待しようと決意の固いガムを翻すことは不可能。
「残念です。でもこれでいいんです」
「ねえガム! 私にどうしろと? 滅茶苦茶じゃない! 」
言い訳ばかりのガム。何が言いたい?
「本当に随分と遠回りしました。ようやくあなたにふさわしい王子が見つかりました」
「王子? 」
それならいくらだって。この国にも何人だって。
「いいですか心して聞いてください」
「ガム…… 」
「囚われの太郎王子の居場所が分かったのです」
続く




