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最後の刺客

サンスリン様の二十回目の誕生日は熾烈な王位継承争いへと変容していった。


知と知を争う戦いが今始まる。果たしてステーテルは何事も起こらずに明日を迎えることができるのか?



やはりここは大人しくエルス王子につくのがいい。


ガム……


無表情のガム。何を考えてるのかしら? 遠くの方を睨みつけているガム。


ガムはこの戦いに興味を示してない? それとも誰が勝つかもう分かってるの?


もう! ガムったら少しぐらい反応したっていいじゃない。



「ではまずは外国語だ。様々な国の文章を翻訳してもらいたい。できるなお前たち? 」


「はい! 」


我慢できずに執事に代わり国王が仕切り始めた。


第一ラウンド開始。


これはサンスリン様有利と見る。エルス王子も負けていない。ワンド王子だけ手が動いていない。


「よしそれまで! 」


結果はエルス王子の勝利。


エルス王子はこの日の為に猛特訓を積んだようだ。


ただなぜ知っていたのか疑問?


「うむ。エルスの一歩リードってところかな」


国王は嬉しそうに戦況を見守る。


国王は誰を後継者にするか迷っている。もし結果に関わらず指名するとしたら誰を選ぶのだろう?


私はもちろんサンスリン様ですが。エルス王子でもいい。最悪なのはワンド王子がなること。


うん? あれ待って…… 一番になった人が国王の地位を受け継ぐのは別にどうでも良い。


問題は私の相手がその者になるのでは? まさかね…… まあ私の気持ちを無視するとは思わないけ


ど。ガムの助けが無いと強引に婚姻させられるかもしれない。注意しなくちゃ。


「よし続けて計算じゃ」


第二ラウンドは算術。難問を出題。


ここでようやく私の出番。


エルス王子の命を受け別館の書庫から注文の書を届ける。


今回のイベントは速さと正確さを競っている。仲間の協力は認められている。


「できた! 」


エルス王子が一番。


サンスリン様は惜しくも二番。自力で説いた為に時間を浪費してしまった。


ワンド王子は一つも解けずに諦める。



「次! 」


三つ目は芸術。


いかに優れているか。センスが問われる。


エルス王子の命によって花を摘む。


染色技術で対応するもメイドたちの団結に敵わず敗北。


第三ラウンドはサンスリン様の圧勝。


良かったサンスリン様! 陰ながら応援しております。



第四の試練は弁論術。


これはガムに頼るのが一番。


しかしガムはなぜかワンド王子の味方に付く。


どど…… どういうこと?


ワンド王子はガムの協力を得てみるみる内に話がうまくなっていった。弁論はワンド王子が取る。



最後。第五の能力。


何と言っても国王は危機を察知し逃げる能力も備わっていなくてはいけない。


逃げる早さを競う。


これはサンスリン様有利。一番若く足も早い。


苦もなく逃げ切る。サンスリ様勝利。


これでエルス王子とサンスリン様の一騎打ちになった。



延長戦。


延長戦は庭で行われることになった。


「うむ。これで全てが決まる。残念だがワンドよ。お前は大人しく見ていてくれ」


第一王子としてのプライドから怒りに震えるワンド王子。


「ふふふ…… 」


不気味な微笑みで二人の王子を見つめる。



これで完全決着。エルス王子かサンスリン王子か? 一体どっち?


「うむ。何も考えていなかった。やはり強いものがふさわしい。今から我が部隊を送り込む。見事打ち倒せ! 」


国王の思い付きで全てが決まる。まあそんなものか。


「始め! 」


さあどうしましょう? エルス王子につくべきか。サンスリン様を守るべきか。


ふとワンド王子に目がいく。怪しい動き。何かサインを送っているようだ。


物陰から男が姿を現した。


国王はすぐにその正体に気付いたようだ。


「お主! 何と言うことを! 」


銃を持った乱射王子が乱入。


まさかそんなはず…… あり得ない……


乱射王子の名に恥じないような活躍で盛大に銃をぶっ放つ。



再びの惨劇。


助けて! ガム!


きゃあ!

うおおお!


逃げ惑う人々で辺りは大混乱。もうどうすることもできない。


                続く

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