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サンスリン様とロマンチックな夜

昼過ぎ。


ボーっと窓の外の景色を眺める。


この上ない贅沢。だけど何か違う。


「失礼します」


冷え切ったハーブティ―を取り換えてもらう。


あらあら。一時間も考え込んでいたみたい。


ふあああ! 欠伸が出てしょうがない。


宮廷での何不自由のない生活に飽き始めている。


どうしたのかしら? 刺激を求めている?


私としたことがどうしたことでしょう?


もう充分じゃない。あんな生活はもうこりごり。


私はド・ラボーなのよ。


野蛮で過酷な旅ではなく優雅な毎日が私には相応しい。


そうでしょうガム?


ガムはただ頷くばかり。何かアドバイスをしてくれるわけではない。



ああ…… ガムどうしてしまったの?


最近のあなたは何だか冷たい。とっても冷たい。


親身になって答えてくれていたじゃない。


もう脅威がなくなったからって興味まで失っては困ります。


さあガムお願い。目覚めるのよ。元のガムに戻って!


ガムとの関係が徐々に薄れていく。


もうガムに頼ることもあまりない。ガムが何かを教えることもない。


ガムはここに来て完全にやる気を失っている。


私には分かる。いつもガムを見ていたから。


ガム…… どうして?


ああ、お姉さま! 私たちはどうなってしまうの?


怖い…… 怖いの。


陽が暮れるまで何をするでもなくただ外を眺めていた。



ふう…… ガム……


ガムのことが頭から離れない。

 

「失礼! 」


サンスリン様が色鮮やかな花束を持ってきてくださった。


「おお! 我が愛しのステーテル。どうかこの愛の印をお受け取り下さい」


そう言って跪く。


ガムのことで頭が一杯だったものだからサンスリン様の訪問に気付かなかった。


「あらサンスリン様。ごきげんよう」


気のない返事をしてしまう。別にサンスリン様を拒絶しているわけではない。


ただボーっとしていたものだからつい……


「ステーテル。どうした元気が無いようだが? 」


サンスリン様に心配をかけてしまった。何て罪深いの。


「いえ考えごとを少々」


「してそれは余のことであろうな? 」


自信過剰な王子様。もう困った人。うふふ……


「いえ…… 旅の思い出に浸かっていたのでございます」


「まあ良い。今日はなそんなお前の為にいいところへ連れて行ってやろうと思うのだがどうだ? 」


積極的なサンスリン様。彼が落とせなかった女はいないと噂されているプレイボーイ。


今までもいくらでもお相手はいただろうに。なぜか私を大変気にかけてくださる。


今日もお花を頂いた。ジェントルマンとしての一面もある。誘われては断れない。


ガムを見るが無反応。もうガムったら……


「お供いたします」


「よし行こうぞ」



馬車を用意。


サンスリン様の腕に体を預ける。


何て幸せなの。


馬車を走らすこと十五分。


明かりに照らされた町に舞い降りる。


「失礼。ここからは歩いて行きましょう」


サンスリン様に抱かれて夜の街を歩く。


このステーテル。ド・ラボーとして今まで耐えた甲斐がったと言うものです。


ああ幸せ。何てロマンチックなのかしら。サンスリン様! もう私はあなたの虜です。



ここは煌びやかな町。ナナチャットで一番の繁華街。


その中心地にカジノがある。


「レディーアンドジェントルマン! ようこそお越しくださいました。今夜も存分にお楽しみください」


カジノの中は通りの比ではないほどの騒がしさ。


強すぎる光にくらくらする。


慣れない音とチカチカする光にダウン寸前。


ああ! 目を開けていられない。


「どうした? 顔色が悪いぞ」


「いえ。初めてなものですから」


「ははは! ここはいいぞ! 」



サンスリン様だけでなくお兄様たちも週に一回は訪れるそうでもう完全に顔馴染み。


もちろん王子はここでも人気で男女問わず話しかけられる。


「王子! 」


さっそく捕まってしまう。


「グッドラック! 」


挨拶を済ませて戻ってきた。


「さあ楽しもうではないか」


サンスリン様の目つきが変わる。


                続く

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