お断りからの救出からの脱出
宇宙王子にお断りを入れる。
「ステーテル? よろしいのですね? 」
最後の確認を行うガム。
まさかこんな奇妙な生物を受け入れろと言うの?
「ガムお願い」
「王子…… 申し訳ありませんがお断りさせていただきます」
ガムに任せるのは忍びない。しかし相手が相手。何をしてくるか分からない。できればなるべく近づきたくない。
「ワレワレハアア! 」
怒りを露わにした異星の王子。
「私のどこが不満だというのだ? 帰すものか! お前らは囚われの身なのだぞ」
「しかし王子。嫌がっております。無理に引き止めるのはおやめください」
「ワレワレハハア! 」
王子は抵抗を続ける。
プライドの高い王子。困ってしまう。
「これ以上はどうかどうかおやめください」
ガムが訴えかける。
王子はそれでも引こうとしない。どれだけの自信とプライドを併せ持っているのか。
「しょうがないですね」
「ガムお願い」
異星の王の頬を張る。
「これが返事です」
王子は頬に手を当て睨む。
「ワレワレハ! 」
一向に諦めてくれない。何と面倒な王子。
「ステーテル! 」
ガムを通しての今までのやり方では相手は受け入れない。こうなってははっきりさせるしかない。
「失礼! 」
宇宙王子にビンタ。
ド・ラボー直々に宇宙王子に張り手をかます。
本来このようなはしたない真似は慎むべきだがあまりにも聞きわけが悪い場合は実力行使に出る。
レア中のレア。本来王子は聞きわけが良く諦めも早い。あっさりした方が大半。
諦めが悪すぎる王子には身をもって分かってもらう以外方法が無い。
「お断りします! 」
「ワレワレ…… 」
言葉を失い呆然の王子。
「子供たちはどこに? 」
「ワレワレガガガ…… 」
教えるつもりはないと怒ってしまった。自分の立場をまだ理解していないようだ。
ガムに耳打ちをする。
「ステーテルより伝言があります」
「ワレワレハ? 」
「子供たちと王子を返してとっとと故郷に帰りな! 」
ガムったら大げさなんだから。恥ずかしい……
「ステーテル。これくらいで我慢してください」
「オホホホ…… 誤解よ。誤解」
「ワレワレハ! 」
好きに探せばいいだろと投げやり。
もう知らん! 我は疲れたもう寝る! とふてくされる。
さあどうしましょう? 困ったわ……
「ごきげんよう」
抜け殻の宇宙王子に一礼し外へ。
「おい! 」
「ええっ? 」
「こっちだ。こっち」
編集長が手招き。
「子供たちが閉じ込められているぞ」
「鍵は? 」
「ああ、そんなこともあろうかとアダムスに借りておいた。へへへ…… 」
「さすが編集長! 」
鍵の束を回し格好つける。
意外に抜け目のない男。
「うわあ! 」
調子に乗って鍵を回し過ぎた為どこかに飛んで行ってしまった。
「もう間抜けなんだから」
「済まん済まん。ハハハ…… 」
そう言うと鍵を拾い左の洞穴に入っていく。
こっちね。
ガムの後に続く。
入ってすぐに子供たちの叫び声が聞こえてきた。
「助けて! 」
「ここから出してよ! 」
「怖いよ! 」
泣き叫ぶ子供たち。
囚われの王子が宥める。
「大丈夫だ。大丈夫」
このままだと宇宙人に人体実験にされてしまう。その恐怖から叫び続ける子供たち。
割合は男の子が八割。うるさくて敵わない。急がなくちゃ。
「おい! 食っちまうぞ! ははは…… 」
編集長が驚かす。
「うわああん! 」
泣き叫ぶ子多数。
「もう何やってるのよ。急いでよもう! 」
ガチャガチャ
不器用な編集長。焦りと緊張から手につかない。急かす子供たちの前で大粒の汗を流す。
「もう早くしなさいよ! 」
開錠。
「さあゆっくり一人ずつ。もう怖くない」
落ち着かせてから歩いてもらう。
自力で歩けない子は抱きかかえてやる。
子供に混じって大人も数人。老人も一人か二人。皆元気そうに見える。
大人たちは問題ないだろう。
「さあこの子で最後だ」
王子が出てきた。
「ほら急いで! 仲間がやってくるわよ! 」
洞穴を抜けると一直線に走る。
もう間もなく仲間が戻ってくる。急いで避難しなくてはいけない。
「ここはどこなの? 」
秘密基地から離れ何とか逃げることに成功した。
後は戻るだけ……
しかしここがどこなのか全くわからない。
「王子! 」
「大丈夫だ。見覚えがある」
王子復活。ああやっぱり素敵。ガムも見とれている。
「狩場だ。これを見てみろ」
木に変わった跡がある。
「昔父上に連れて来られた覚えがある。さあ私に着いてきてくれ」
復活の王子を信じるしかない。
ノロノロしていればまた連れ去られてしまう。急がなければ。
救出を果たす。
続く




