表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

40/124

説得

「ならん! 」


ゴーチャット王の謁見。


ゴーチャット王は他所からゴミを集めてくるのでゴミ収集者と言われている。


「何がいけないのですか? 」


「ならんものはならんのだ! このベイリーが不憫だとは思わないのか? 」


どうしようもない王子と国民の手本となるような振る舞いの国王。


親子でここまで違うのは珍しい。


まだ王子は人生経験が浅く人の気持ちを理解しようとはしていない様子。


「よいか王子よ。お前はこのベイリーを選んだのであろう? 」


「確かにそうですが…… 」


不満顔の王子。


「もう一度やり直すつもりか? 」


「ですからこのステーテルを気に入りました。まだ婚礼の儀は行われていないのですからよろしいかと」


「ならん! 」


「一族の、いやこの国の恥をさらす気か? もう招待もしてしまった。相手が変わったなどと言えると思うか? 」


頑固者の国王。


本来なら真っ当な意見なのだが今回はベイリーを救出する為なので余計なことは言わないで欲しい。


一夫一婦制が仇となっている。


もしいくらでも妻をめとれるならここまでおおごとにはなっていなかっただろう。


王子のお相手は一人。吟味して選んだはず。その為決して簡単には覆すことができない。


王子は大変残念がっている。私たちも同様だ。


さあこの場合どうすればいいのだろうか?



「ガム…… 」


ここはやはりガムの交渉術が生きてくるはずだ。


「お取込み中のところ申し訳ございません」


国王が睨む。


「こちらのステーテルが是非にもと王子に無理を言った次第です。ですから王子は決して悪くありません。そこだけはお間違いの無いように願います」


どうしようもない女好きの王子を庇う。


これで王子の面目が保たれた。ただの我がままではないとなるはず。


「結論は後でもよろしいのではないでしょうか? 」


「うむ。その方の言う通りじゃ」


ガムの提案に乗る。


「よろしい。三日以内にどちらを選ぶか決めよ! それまでに結論を出すのだ。いいな? 」


「はい。ありがたき幸せ! 」


結局国王は王子を許してしまった。これだから甘いと言うのだ。


だが今回はその甘さがプラスに働いた。


もし王子が本当に婚姻するつもりならこのままベイリーを選ぶべき。


私はただのベイリーの代わりでしかない。


もちろんベイリーの気持ちも確認しなくてはいけない。


とりあえず三日間はこの宮殿内に留まることが許された。残すはベイリーをどう説得するかなんだけど……


「おいベイリー! 」


少年は妹の説得を試みるが上手く行かない。


「嫌です! 私は王子と一緒になります」


頑ななベイリー。


「お兄ちゃんの馬鹿! 」


「だってあの王子はお前を捨てる気だぞ。今日だってすぐに食いついてきたじゃないか。あいつはあんなものなんだって」


「お兄ちゃん…… 」


ベイリーは涙を浮かべる。


説得はうまくいかない。


少年は妹を部屋に引っ張ていく。今夜の説得は失敗に終わりそうだ。



ガムと二人っきり。


「あー疲れた! 」


シャワーを浴びてまとわりついたゴミの臭いを取り除く。


「ステーテル! 」


「いや来ないで! 」


「でも一緒に…… 」


ガムを拒絶する。


当然だろう。まだゴミ臭いだけでなくこの町でのガムの私に対する態度が納得いっていない。


「スティ―! 」


ガムの甘いささやきも無視。


許してないんだから。


「もう機嫌を直してスティ―」


何度迫られようと今日はそういう気分ではない。


ガムには悪いけど今日は無視させてもらう。


「あらあら嫌われてしまったかしら。もう本当にステーテルは子供なんだから」


ムッとするがこちらも戦術を理解しているつもりだ。


「おやすみなさい! 」


ガムにノーを突きつける。


                続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ