9話 宴の裏側
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「明日からもでも訓練をはじめたい。そうヨロイ様がおっしゃっていました」
「承知した。お前は下がってよい」
「失礼いたします」
メイドが下がると室内に残るのは国王パラディ―・ファイン、近衛隊長ゲイツ・ヘルフレイム伯爵、宮廷魔術師長グリム・スロウス男爵の3人。貴族間でも派閥はあり常に足の引っ張り合いは行われているがこの3人は現在最大派閥の国王派であった。
「ふむヨロイか。確か重力魔術のギフトを授かっていたな」
「はい。こちらのリストにもそう書かれています」
3人はそれぞれ手元にある紙を見る。それはギフト確認の際に部下が書き記した氷室達の所持ギフトのリストだった。
「重力魔術と聞いて不満げな顔をしていたがどう思うゲイツよ」
「は。宴会の席での話を聞く限りヨロイ殿は元の世界で武術を嗜んでいた様子でして。おそらくホウオンジ殿やトミタ殿のように肉弾戦に関連するギフトではなかったからかと」
「血の気のおおいことよ。しかし重力魔術は記録が正しければ竜をも落とす強力なギフト。本人の希望に従って前にだすわけにはいかぬな。それとホウオンジだが……どう思う?」
「要注意人物の1人かと。格闘家は強力なギフトですがむしろ見るべきは精神面でしょう。ジングウジ殿とホウオンジ殿、その2人が勇者殿たちの精神的支柱ともいうべき存在です。今日の様子を見る限り基本的にはジングウジ殿が指示を出しているようですが」
ゲイツの言う通り報恩寺は最初の発言以降神宮司が復調するとその後は特に喋らず黙っていた。サポートに回るつもりなのか他に考えがあるのか現時点ではパラディ―達には判断しきれなかった。
「ジングウジはいえば最上級光魔術のギフトだったな。宮廷魔術師長としてどう見るグリムよ」
「はい。 伝承通りの力を発揮できるなら魔王討伐の大きな戦力になるかと。ただ文献によっては先代勇者殿が持っていたギフトは光の勇者と記しているものもあります。過度の期待は危険かと。あとはアオキ殿含め治癒術3人に加え上級魔術のエコダ殿、そして性格に難ありかもしれませんが先ほどのヨロイ殿。今回は魔術系のギフトが豊富だったのはありがたいことです」
その後もパラディ―達はリストを手にギフトの使い道とその勇者の扱い方を相談した。
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