6話 目覚めたギフト
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「あ、次私の番だ。行ってくるねみんな」
「リラックスして行ってこい華」
口では平気そうな雰囲気を出していた勅使河原の緊張を感じたのか神宮司は安心させるように背中を叩いて送り出した。
「サイオンジ殿のギフトは治癒術ですね。2人でも珍しいのに3人とは! 加藤殿の守護者と言い勇者殿たちは本当に仲間想いですな」
治癒術か。マリウスさんはさっきからあなたはこんな性格だからこのギフトを授かったと言うことがあるがただのお世辞ではなく本当なのかもな。さっきも勅使河原は神宮司が前で戦うようなギフトじゃなくてよかったと言っていた。それに彼女はあんまり運動神経がいいほうではないから後ろのほうで傷を治しているのが似合っているだろう。勅使河原が治癒術を使えるならみんながケガをしても最初のほうに治してもらえるだろうし。
「次は俺だな! 腕がなるぜ」
「ワタシはまだまだ先カー」
「すぐに回ってくるよエミリー。それに後から壮太みたいな凄いギフトが出たほうがおいしいだろ」
「確かに! カケルはいいこと言うネ!」
すぐに富田が興奮気味に戻ってくる。しまった富田のギフトがなんなのか聞いてなかったな。
「おいみんな俺のギフト聞いたか! めっちゃ強そうじゃね?」
「すまん聞き損ねた」
「翔つめてーなぁ!! 壮太は聞いてたよな!」
「筋力増加だろ? 隆吾にピッタリじゃないか」
「だろだろ? いやーこの世界にもベンチブレスとかあるのかな? あ、そもそも野球ってあるのか!?」
「うーんどうだろう。でももしなかったら隆吾君が作っちゃえばいいんじゃない?」
「それは最高に熱いな!! 流石華良いこと言うぜ」
富田の単純さはたまに羨ましくなる。俺はそこまで単純に物事を考えられない。だから俺のギフト確認の順番が来た今も期待よりも不安が勝っている。神宮司は最上級光魔術で先代勇者と同じギフト、勅使河原は治癒術と戦う上でかかせない能力だし富田の筋力増加も運動神経抜群のあいつが使えば強力な武器になるだろう。残るは俺とブライトだがもし使えないギフトを手に入れたらどうなるか。緊張でのどが渇いてくる。
「みんな静かにしろって。ほら翔、次はお前の番だぞ」
「おう。行ってくるわ」
みんなにはいつも通りを装いつつ前の水晶まで進む。先ほどから勅使河原富田俺と神宮司のグループの人間が続いたせいかクラスメイトみんなが注目しているように感じる。もしここでまったく使えないギフトが出てきたらと思うと胃が痛くなってくる。しかし同時にこれはチャンスでもある。最上級光魔術に匹敵、いやそれ以上のギフトに俺が目覚めていれば……
「ではヒムロ殿。このように手をかざしてください」
「わかりました」
ここまで来たからにはもうギフトを授けてくれるらしい神様に祈るくらいしか出来ることはない。果たして水晶が光り俺のギフトを確認したマリウスさんが口を開いた
「わかりました。ヒムロ殿のギフトは……」
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