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11話 言語の壁

この話の前に1話投稿しています。

 翌日から訓練が始まった。訓練と言っても座学だが。当然ながら俺たちはこの世界のことを全く知らない。召喚された直後は気が動転してて気づかなかったがそもそも言葉が通じるのだっておかしいのだ。偶然同じ言語だったなんてありえない。そう言ったことも含めてこの世界の基本的な常識を教わる日々が始まった。



「勇者殿たちをよんだ召喚術は非常に高度なもので研究によりさまざまな機能が付与されています。ギフトを授かれる才能豊かなものを選別するのもそうですがその中の一つに言語の翻訳があります」


「言語の翻訳ですか?」


「はい。現在勇者殿は我々の国の言語、ファイン語というのですがそれをを理解できておりますがそれも召喚術の力です。また勇者殿は日本語を話しているつもりでしょうが実際にはファイン語を話しております。最もそれは日常会話範囲のものです。例えば『ゲオムンナン』。今なんと言ったかわかりますか?」


 

全員が顔を見合わせる。音をそのまま表すならゲオムンナンだがそういう意味ではないのは明白だ。しかしなるほど。よくよく観察すると耳で感じる音と口が微妙にあっていないのがわかる。気づくと気持ち悪いし召喚術に頼らず現地の言葉を学んだほうがいいかもしれない。



「このように召喚術に含まれていない言葉はそのまま聞こえます。因みにさっきの意味は」


「ベル鋳造法かナ? 意味はわかんないけド」


「正解です。そういえばブライト殿のギフトは翻訳でしたな。翻訳は初めて聞く言語でもどういう意味かわかる便利なものです。最も今のようになんと言っているかわかっても自分がそれを知らなければ効果は薄いですが」



 そういえばブライトの親は外国の貿易商で海外を飛び回っていると聞いたことがある。小さい頃は親についていろいろな国に行っていたようでそんな彼女だから翻訳というギフトに目覚めたのかもしれない。……しかしそれならば扇動家なんて物騒な名前のギフトを得たのも俺の性格や嗜好が関係していることになる。あまり愉快な話ではないが。



「さてあくまで勇者殿たちが理解できるのはファイン語つまりこの国の言語だけです。この大陸には大国がほかに2つ、小国や従属国まで含める10個以上の物がありますがそれらの国で使われている言語を聞いても先ほどのように何を話しているわからないでしょう」



 大国はそれぞれラングリーフ帝国とミネア共和国と言うらしい。ラングリーフは皇帝がおさめる中央集権型、ミネア共和国は元老院による合議制らしい。ちなみにファイン王国は国王と貴族がおさめる国で形としては地方分権型に近いようだ。歴史で習った御恩と奉公とかあんな感じだ。現在は魔王復活の予兆ありとして表立っての戦争はないがちょっとした小競り合いのようなものは日常茶飯事とのこと。北の国がミサイルを打っただけで大騒ぎしていた国にいた身としては中々理解しがたい。自国民が他国の人間に殺されるのがよくあることなんて。その後も授業は続き様々なことを学んだ。

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