1話 終わりそして始まり
お久しぶりです。以前「死んだら神様にチートをもらって転生したんだが」を書いていた明夜です。また新しく書き始めるのでよろしくお願いします。
「おはよう」
「おはよう翔!!」
「なーんだ遅刻かと思ったのに。賭けは俺の負けか」
「よう翔! ギリギリだな今日は」
「おはよう壮太。少し寝坊してな」
始業時間5分間に教室につくと当然ながらそこにはクラスの殆どの人間が揃っていた。いないのは担任くらいだろう。俺が教室に入ると同時に挨拶をしてきた集団、学年一の美人勅使河原華、輝く金髪と日本人離れしたスタイルのエミリーブライト、野球部のエース富田隆吾、そしてサッカー部のキャプテン神宮司壮太、の元に行く。面子をみれば分かるが当然このメンバーはクラスはおろか学年でもトップに位置する集団だ。全員容姿は平均以上だしなんらかの一芸も持っている。かくゆうおれもバスケ部でレギュラーを張っている。自分でも醜いことだとは思うが俺は毎朝
こんな風に自分の立ち位置を確認してしまう。俺はリア充だ、俺は恵まれていると自分を納得させるために。
「ただの寝坊かつまんないの」
「お前が好きそうな話なんてあっても言わないからな」
近くで聞き耳を立てていた結城香奈枝に冷たく返す。こいつは1を10にするわ他人の噂を勝手に広めるわでほかのやつらからも煙たがられいる。
「ちょっと氷室ぉ。女の子にそんな言い方ないんじゃない」
遠くの席にいる江古田芽衣がわざわざこっちまで来て文句を言ってくる。わざとらしく結城の肩まで抱いて。こいつはいわゆるクラスの2軍、そのリーダーなんだが中学では1軍だったらしい。しかし高校に上がったら神宮司、というより勅使河原とブライトがいるせいで1軍に入れなかったのを未だに恨みに思っているらしい。こうして少しでも何かあるとすぐに突っかかってくる。
「じゃあ江古田は結城に腹を割って相談できるのかよ」
「そ、それとこれとは関係ないでしょ!! 私はあんたの態度に文句を」
「君たち少し煩いんだが。朝くらい静かにしてくれないか。勉強に集中できない」
耳からイヤホンを外して文句を言ってきたのは生田圭。ノーフレームの眼鏡と一分の隙もなく整えられた身だしなみから優等生を連想させられるが実際こいつは学年2位の秀才だ。ちなみに1位は神宮司である。
「あんたのイヤホンの音漏れのほうがうるさいんだけど。大体音楽聞いてて勉強なんてしてないじゃない」
「喋るときはもっと考えてから話してくれ。僕は英語のリスニングの勉強をしていたんだ。頭の悪いJ-POPだがK-POPだがしか聞かない君と一緒にしないでくれ」
「はあ!? DBSは神だから。知らないあんたがおかしいんでしょ」
江古田と生田が言い争いを始める。しかし周りの人間は誰も止めようとはしない。ここまでの流れがほとんどいつ
ものことだからだ。
「まあまあ二人とも落ち着いて。江古田君私は君より生田君の席に近いが音漏れなんてまったく聞こえなかったぞ。友の過ちを正そうとするのはいいことだがそれが目的になってはいけない」
「ふん。すぐにバレる嘘をつくなんて馬鹿な奴だ」
「生田君、君は少々キツイ言葉を使ってしまうところある。それでは要らぬ軋轢を生むし君自身が誤解されてしまうぞ」
仲裁に入ったのは報恩寺道明。名前から分かるが寺生まれの彼は不思議な雰囲気を持っておりその鍛え抜かれた巨体とあいあまってクラスでは一目置かれている。基本的に問題が発生しなければ自分からはしゃべらない寡黙な男なのでクラスのリーダーというわけではない。神宮司がリーダーならば保護者といったところだろう。因みに家が合気
道道場の鎧吟子に度々組み手を申し込まれているらしい。
「今日も道明の雷、というには穏やかなのが落ちたな。お前らもいい加減学習しろよ」
田島洋平の言葉にクラスのそこかしらから笑いが漏れる。しかしそれは注意された2人を揶揄するようなものではなくもっと健康的な笑いだ。字面だけ見れば悪口の類と取られても仕方ないのにそれを感じさせないのは田島の人柄だろう。ここまではいつも通り。そしてここからがいつもと違った。突如床が輝き出したのだ。そしてそれに驚く間もなく光は強くなり。収まったとき……俺たちは異世界にいた。
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