噂を聞いたおばあさんは
とある森に、ハリネズミがいた。そのハリネズミの針を、1本抜いて手に刺す。
すると、どんな人もたちまちなりたい様になれると言う。
この話は、その噂を知ったおばあさんの話。
昔々あるところに、おばあさんが、いました。
とても美にうるさい人です。
ただ、年齢というものは、ウソをつきません。どんどん、老いていきます。
とある日のことです。
おばあさんは、ハリネズミの噂を聞きました。
おばあさんは、若返りたりがために、その丈夫とは言えない、あしで森までいきました。
そして、2日間探し続けた結果、あしは動かなくなりましたが、そのハリネズミを見つけることができたのです。
しかし、針は抜けません。
そこで、おばあさんは、自分の手をハリネズミに押付けました。
「若くなあれ」と言いながら。
そうして、無事に若返ったおばあさん、いや、お姉さんは、家に帰るために立ち上がろうとしました。
しかし、立ち上がれません。
立とうとしても力が入りません。
数日後、おばあちゃんは、悲しくも、飢えてなくなりました。
実は噂には続きがあったのです。
ただし、2本以上刺してはならない。刺すと、なりたい姿にはなれるが、なりたい様にはなれない、と。
おわり
余談ですが、森の中でお姉さんが助けを求めてくるような声が、今でもたまに聞こえてくるそうです。