ケネス・J・サリバン後編
ケネスは長い階段をかけあがった。
ケネス「いったいどこから…」
っとその時、
『ウワァー。やめろ何を…。』
『ドコーン』
右端の部屋から叫び声が聞こえ急いでその部屋のドアを開けた。すると部屋中に血が飛び散っていた 。
ケネスは嫌な予感がし、細い廊下を進み奥の部屋のドアをあけた。
そこには大きなテラスがあり、何とそこにはフォレストが身体中血だらけになって座り込んでいるではないか。
急いでケネスはかけより
ケネス「おい大丈夫かフォレスト。いったい何があった」
フォレスト「すまねぇ。俺としたことがまさかあんな…うっ」
ケネス「今は何も話さなくていい。しっかり気持ちをもて。わかったな」
しかしケネスから見てもフォレストの傷は尋常ではなかった。
斧で殴られたかのように頭から肩、そして腹にかけてえぐられていたのだ。
しかしケネスはフォレストをこのままにしておくことはできなかった。
ケネス「あの時俺があんな勝手な行動をとってしまったばっかりに…すまん」
フォレスト「ううっ」もうフォレストには話す気力も残されてはいなかった。
ケネスはフォレストの傷口から溢れてくる血をただただ懸命に抑えることしかできなかった。
そしてしばらくするとその時、
『ピピーピピー』
ケネスの通信機が突然鳴った。
しかしケネスは通信機をとることはなかった。
フォレストの傷口を抑える手を緩めれば血がどっと溢れてくると感じていた。
フォレストを懸命に助けたいという気持ちと、フォレストを先に一人でいかせてしまったという罪悪感の気持ちとがケネスの中では入り交じっていた。
しかしそんなことを感じているつかの間、ケネスの身体から温もりがだんだん消えていった。
ケネス「すまんフォレスト」
ケネスは自分の言葉を振り返った。
ケネス「なぜ俺ではなく、若いお前が死んじまったんだ。俺がいたらお前の身代わりになれただろうに。」
フォレストからの出血は止まったがしかしフォレストは二度と動かなかった。
ケネスはしばらく考えこんでいた。
そして他の仲間をこれ以上死なせてはいけないとフォレストの死から強く感じていた。
テラスにはいくつものハーブが並べられていた。
フォレストは自分の通る通路にいくつかのハーブを残すことにした。ハーブには傷口の組織を活性化させ傷口をふさぎやすくしたり鎮静化する効果もあった。
以前からケネスは仲間にハーブの重要性を教えいざとなったらハーブを使うようにと言っていたのだ。だから大きな傷でない限りハーブで治療が可能なのである。
ケネスは早速、洋館の調査をはじめた。 そしていたるところにハーブを自分の目印として置いた。他の仲間のためを思って…。
そしてある部屋にいくとケネスにはとても興味があるものがあったのである。
その部屋は温室でありにはたくさんの植物が置かれていた。その中で特に興味をそそられたのが動く植物である。近くにいくと感情があるのか執拗にケネスの身体に触れてくるのである。しかし水があまりなく、しおれかかっていた。
ケネス「まさかこれもあの化物と関係があるのか」
しかしケネスは、いくら動く植物が化物のひとつといってもケネスにとっては大変興味深いものであり、むしろ愛着があった。
ケネスはその植物に水を送る水道管のポンプを見つけ排水してしまったのである。
ケネスには化物といっても自分の愛する植物に変わりがなかった。
しかし今は任務が優先でありいつまでも植物と戯れている余裕はない。
ケネス「俺の庭で育ててみたいものだ」 そうゆうと名残惜しむかのように植物もケネスに手を振っているように感じた。ケネスは近くにあった除草剤をもって部屋をでた。
ケネスは除草剤でその植物を枯らされたくはなかったのである。このいくつかのケネスの行動がのちに仲間を助けたり、 または妨げたりするとは考えてはいなかったであろう。
除草剤を小部屋に置き、また調査をはじめた。
ある部屋の廊下に植物があり、それに意識がいっていたからか、精神的に疲れていたからか、ケネスに化け物が近づきつつあることをケネスは知るよしもなかった。
ケネスがしゃがみこんで植物を眺めていると、突然
ジル「誰かいませんかー」
玄関の方から声が聞こえ急いで振り返ったケネスだが、そこにはゾンビの化物がケネスに襲いかかる瞬間であった。
ケネスはとっさに銃を構え発砲したがゾンビは平然とケネスの首もとにかぶりついてきたのだ。
あまりの噛む力にケネスは身動きが出来ずそのまま倒れこんでしまった。
ケネス「グワァ。俺はこんなやつに」
ケネスは仲間を誰一人守れずに死んでいく自分を悔やんだ。 ケネス「ちくしょう…」
しかしケネスの行動なくして他の仲間がこの洋館を脱出することは出来なかったであろう。