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8話 恋心

今回が本編最終話ですが、次の番外編第1話が実質最終話になります。


一部、暴力的な場面がありますので、お嫌いな方はご遠慮ください。

 食べ終わった重箱を集めていると、山科さんと畑中さんにお礼を言われた。

おかずの種類と量で当然かなり費用もかけているのが判り、二人とも実費を払うと言ってくれたけど武人が言った通り、もう作らないから最後のサービスだと思ってもらうしかない。

奇しくも田中先生が言うように『手切れ金』だと言えると思う。


二人から武人にも直接お礼を伝えたいと言われたので、連絡して放課後に時間を作らせた。

さっき、山科さんの涙を見てしまったこともあって断りにくかったこともある。どういう形であれ、話をさせてあげたいと思ったのだ。


放課後、四人で駅前にあるファミレスに入った。

四人ともドリンクバーを注文して席に揃ってからすぐ、二人が冒頭から年下の武人に対して真摯に頭を下げてきた。

他人への弁当を横取りする形になってしまったこと、騒ぎに巻き込んでしまったこと、あれだけ手の込んだ弁当を作らせてしまったこと、その費用を負担させてしまったこと。

本当にごめんなさい、と謝られた。

そのうえで、今日のお弁当はとても美味しかった。一品ずつ食べたけど、それでも食べきれないほど品数が多かった、という話を進めていた。

畑中さんは料理の内容のほうに興味があったようで、作り方や食感などのコツを武人からいろいろと詳しく聞きだしていた。

彼氏に美味しいものを作ってあげたいけど最近マンネリになっていたそうで、山科さんと理由は違っても、金曜日にあの弁当をどうしても手に入れたかった利害は一致していたらしい。


 畑中さんが料理は愛情だからこそ研鑽しないといけないとかなんとか、しばらくそんな話をしていたところで、山科さんが唐突に切り込んだ。

「早宮くんが好きな人は、それに応えてくれていますか?」と。

瞬間、空気が固まった。

それまで和やかな雰囲気で話をしていたのに、武人の表情が硬くなった。

誰も口を開くことができない。その中で山科さんが覚悟を決めたように続ける。

「わ、私ではダメですか?その人の代わりになれませんか?お互い知らないことが多いのもわかっています。知る時間さえも与えてもらえませんか」

そこまで、武人の目をみて言い切った彼女が噛んだ唇は色を失って、震えていた。


それに対して武人は静かに、でもきっぱりと拒絶した。

「先輩には、関係ありません」

「そう、でしたね」

力なく返した彼女の瞳は潤んでいたけど、震える唇で必死に笑顔を繕っていた。

「今日は本当にありがとうございました。私、もうしばらくここにいます」

彼女の言葉を受けて、私は武人には先に帰るよう促した。

「わかった」 よし!重箱は全部持たせてやったぜ!


 気丈に前を向いて顔をあげていた山科さんも、武人が見えなくなるとうなだれて顔を伏せ、そのまましばらく静かに涙を流し続けた。

可能性はゼロに近いとわかっていても乾坤一擲の勝負に出、そして潰えてなお潔し。

この気高さ、誠実さ、主張はしても押しつけない姿勢。そしてその覚悟。山科さんて『お嫁さん』にするなら最高の人なのではないだろうか。不謹慎かもしれないけど私はそんなことを考えた。大和撫子という言葉を思い浮かべながら。

畑中さんがハンカチを取り換えたり背中をさすり続け、私も隣に移って手を握ってあげたり背中をポンポンしてあげていると少し落ち着いてきたのか、ようやく顔をあげてくれた。

「ごめん、なさい。未練でしたね」

「弟が、なんというか、ごめんね」

そういうと山科さんは私の顔を覗き込み、あきらめたように笑って言った。

「本当に、...早宮さんが羨ましい」

「いゃその、ごめん」

そう、これから武人の弁当を食べられるのは家族だけなのだ。分けてあげられなくて、ホントごめん。

「これじゃ彼も苦労するわね」畑中さん、私、朝は苦手なのよ。うん。


「もう大丈夫だから」と山科さんに言われ、畑中さんが「私が送っていくし」と請け負ったので私も帰ることにした。

 でも、私も私で混乱していた。

武人って好きな人いたの?しかも片思いっぽい?それをなんで山科さんが知ってるの?

えぇぇ!? 全然知らなかったんですけど?

どうしよう?どうしたらいいの?



「ただいま~」

帰宅すると武人の靴だけがあった。愛美は夕飯の買い物だろうか。

「おかえり」

キッチンへ行くと武人が重箱を洗っていた。もうかなり洗い終えていて、残り2段。

「あ、あのさ」

呼びかけて気づいたけど、何と声をかければよいのだろう。『好きな子いるの?』いゃいゃ。『いつ知り合ったの?』言えねー。

でも、好きな子がいるなら、なんで相談してくれないのだろう。同年輩の女の子の意見とか貴重じゃね?まさか言えない相手?あの身長だし?大人の女?OLとか?

スーパーで買い物途中に知り合ったとか?それを山科さんが見てた?相手は武人に応えてくれない?


「年上?」 しまった、なんか思わず聞いちゃった。

「...」

返事がない。まるで屍のようだ。いゃ違う!答えられないんだ!年上のOL!ビンゴだ!

高校生を誑かすような女に、うちの武人が熱を上げてるなんて。

「ダメだよ、年上なんて」

「...」

黙って洗い物を続けている。

「クラスにも可愛い子いるでしょ」

最後の段を洗い終えて水切りにかけながら

「うるさい」

このぉ!心配してるのにうるさいだなんて! そんな女の

「どこがいいのよ!」

「か、可愛い...。可愛いんだよ!」

いつも落ち着いている武人が、頬を赤くしてスネるように、次には声を大きくして言い切った。


可愛い...。武人にこんな顔をさせてそんな言葉を言わせる女がいるんだ...。 ドキドキして、なんだか胸が苦しい。

「もういいだろ!」

武人が2階に駆け上がり、自分の部屋に入り扉をしめた。いいわけないじゃない!

あとを追いかけ、扉をたたく。

「年上なんてやめときなさいよ!」

「うるさい!」

「ちゃんとあんたを見てくれる相手を選びなさい」

「見てくれてるさ!」

「騙されてるのよ!」

「いいんだよ!俺が勝手に好きなんだから!」

扉越しの問答が続く。

好きって言った、好きって。勝手に好きってどういうこと?応えてもらえないのがわかってるってこと?そんなの不毛すぎる。

でも武人に好きって言わせる女って誰よ!なんかムカムカしてきた!


ノブに手をかけると鍵はかかっていなかった。

扉を開けて中に入り、机に座っている武人に詰め寄った。

「可愛く見えたくらいで好きなんて言ってんじゃないわよ!」

机に肘をついて下を向き、おでこを支えたまま反論してくる。

「泣かれると辛くなる。笑ってくれれば俺も楽しい。俺の作った飯を美味そうに食ってくれる顔を見てると嬉しくて作って良かったと思う。美味しいって言ってくれたら幸せな気持ちになる。ずっと、ずっとそばに居たい」

そばに居たい、のとこで顔を歪めて苦しそうに言った。


そっか、学校帰りにご飯、作ってあげてるんだ...。

でも、ずっとそばに居たいって思ってるのに、学校帰りにご飯作りに行ってあげてるのに、応えてもらえなくて、それでも勝手に好きだからいいんだって自分に言い聞かせて・・・。

「私が可愛い彼女探してきてあげる!」

「ゆかりや浅子の知り合いにも当たってもらう!」

「今日の山科さんだって本当にすごくいい人だって私は思った」

「愛美の先輩にも、きっと素敵な人が何人もいるはず!」

矢継ぎ早に提示していく。

「だから、だから、そんな女はやめときなさい!」

ガタンッ!

武人が立ちあがった。はずみで座ってた椅子が倒れて大きな音がしたけど、そちらに目をやる余裕が私にはなかった。なぜなら、武人が怖かったから。とても怖かったから。

私との身長は20センチ以上違う。そんなことわかってる。普段はただ「大きい」としか思わない。

今は違う、怖い。叩かれでもしたら、吹っ飛びそう。横をすり抜けるなんて無理。

何より、目が怖い。いつもの優しい目じゃない。


「そんな女、じゃない」

武人が1歩来る。私は1歩半、下がる。

「ずっと好きなんだ」

武人が1歩来る。私は、下がる足がベッドに当たって下がれない。

顔を歪めて、武人が声を絞り出す。

「俺が好きなのは、早宮有紀子」

え?

私はベッドに押し倒された。


「俺の姉さん、だよ」

そう言うと、そのままキスされた。右腕は身体ごと押さえつけられてる。左腕を私の背中から回して私の左腕は固定された。

両脚も武人の脚に絡まれて曲げることさえ出来ない。

そして弄られた。

『どんなに暴れても兄さんからは逃げられませんからね』愛美が言ったことは本当だった。

キスされたことはびっくりしたけどイヤじゃなかった。弄られるのも本格的なものじゃなかった。私の形を確かめるように触ってきただけ。あの大きな手で、繊細な料理を作れるあのしなやかな指で。

でも全然動けないのが悲しくて、押し返せないのが悔しくて、泣けた。

両目から涙が溢れ出た。声は出なかった。


しばらくそうしていると、唇が離れた。手も離され、身体も自由になった。

ベッドに押し倒されていた身体を、両脇に腕を入れ支えられて起こされ、私が目を開けた前には武人の顔があった。

少しの間言葉も出ずに見つめ合っていると、武人の右目からツーッと一筋、涙が落ちた。

「ごめん」

武人が立ち上がって、部屋から出て行こうとしたところを思わず引き止めた。

「待ちなさいよ!!」

右手で、武人のズボンの左前のベルトをガッツリつかんで。

真面目な武人は、罪悪感から家出してどこかに行ってしまいそうな気がしたのだ。

こっちを振り向いた武人の右頬に、左手でビンタを放った。

「あんたは!私の弟で!この家に居て!明日からも!ちゃんと!」

2発、3発、4発、5発・・・。

私は泣きながら打ち、武人は避けることなく、庇うことなく打たれ続けた。

「朝ご飯作るの!夜は!みんなで!ご飯食べるの!わかった!?」

そこまで言って手を止めると、武人はズルズルと床に滑り落ち、泣いた。「うん、うん」と何度も頷きながら。

武人が頷くのをやめたタイミングで今度は私からキスしておいた。キスされたことはイヤじゃなかったのに罪悪感抱かれても困るし。

「だから、いなくなったりしないで」

そう言って、抱きしめてからもう一度キスした。



その後、私と武人はそれぞれ自室にこもり、夕飯の声をかけられて食卓についた。

二人して泣きはらした目で、武人は右頬を真っ赤にして。私の頬は別の意味で真っ赤だったと思う。

父さんも母さんも愛美もしばらく唖然としていたけど、流石に父さんが一番に立ち直った。

「何かあったのか?」

憮然としながら私は答えた。

「ちょっとした姉弟(きょうだい)ゲン「明日からも早く起きて朝飯作れって何度もビンタされた」カよ...」


こ、この裏切りものぉぉぉ!

「お姉ちゃん?」 ふぉぉぉ!? 愛美さんが『武人の守護神』モードになっていらっしゃる!?

「有紀子っ!いくらなんでも、それは酷すぎるだろう!」 めったなことでは怒らない父さんが立ち上がって怒鳴った。父さん?娘を信じてほしいの!

母さんはしばらく私と武人を見比べていたけど、トントンと自分の唇を指し示した。

ヤバっ!唇をゴシゴシこすって手の甲を見る。武人の唇も見たけど何も付いてなかった。ハッとして母さんに目を戻すとクスクス笑っていた。やられた!

母さんが父さんの前に出て父さんに軽く抱きつく。「お父さん 落ち着いて。ほら、武人笑ってるじゃない」

あらためて見ると、左の口の端をピクピクと持ち上げて、確かに笑っていた。


ほっほぉぉぉ?

姉をハメるとは、やってくれるじゃないの・・・。

「右の頬をぶたれたので、左の頬もぶってください」ってどこかの偉い人が言ってなかったっけ?

左の口の端を持ち上げられないように、左頬もヤっとくべきだったわね。次はそうしよう。

その後、会話はなかったけど夕ご飯をみんなで食べた。

愛美のご機嫌が『守護神』から『大魔神』にアップグレードされ、母さんだけが楽しそうにしていた。



その晩は大変だった。

愛美は武人の頬を冷やす口実を得て、氷嚢とタオルと氷水の入った洗面器を持って武人の部屋に入り込んだ。嬉々としてあの赤いベビードールを着て。

「兄さん!そんなことを気にしている場合ではありません! こちらを向いてください! 今日は一晩中、そばにいて冷やして差し上げますから!」


 そんな感じで隣は隣でうるさかったけど、

私は、私は、うぉぉぉぉぉ!枕に顔を押し付けて吠えた。

本人に向かって武人に、可愛いとか幸せだとかそばにいたいとか言わせた女が、......私です。


枕に顔を埋め、ベッドから転げ落ち、床をゴロゴロとのた打ち回った。

そっかぁ、武人のヤツ、私に惚れて...。えへへぇ~!

でもさ、私たち姉弟なんだよ...。「なんで弟なんだよぉ;;」枕を殴った。

そしてまた、武人の照れた顔が浮かぶ。顔を枕に押し付けてのた打ち回る。

枕から顔を上げたときに足が見えた。

扉が開いていて、母さんがニヤニヤしている!

「もう終わり~?まだ6周しか見てないのよ。もう少し楽しみたかったわぁ」

ずっと見られてた? 性格わる~!

「武人が圧勝したみたいねぇ」

は? 武人が勝った? 思いっきり連打してやったわよ!

「そのゆるみきった顔は負け堕ちた顔よ。(恋に)」

最後にコソッと囁かれた言葉に、口をパクパクさせたけど何も言い返せなかった。

「お父さんのことは大丈夫よ。何かあったら私に連絡ちょうだい」

真剣な顔をしたのはそこだけだった。

「青春ね~。私も愛美にキャミソール借りちゃお。待っててあなた~」

母さんは、愛美のように身をくねらせて出て行った。お、親子だ・・・。




 翌朝、武人はいつも通りに起きて、朝食とお弁当を作っていた。

『守護神』モードを復活させた愛美が私の部屋に来て、いつもの倍の時間をかけて起こされ(襲われ)た。

目は覚めたけど全身に力が入らなくて、武人にお姫様抱っこされて食卓についた。私を抱き上げた武人の右頬は腫れて痛々しく、ごめんねと言ったら「ん」とだけ返してきた。


顔の右半分を酷く腫らしたまま登校した武人は、今度はちゃんと「姉弟ゲンカです」と言ったので私も一緒に職員室に呼び出された。

『ケンカ両成敗』なら仕方ないな。よしよし。

安原先生に「お前がやったのか?」と聞かれ、そうです、と頷いた。

追求は武人に移る。「叩かれたとき何か言われたか?バカとか死ねとか言われてないか?」

虐待じゃあるまいし、人格否定するようなこと言うわけないでしょ。

「これからもずっと飯を作れ、と」 ちょぉっとぉ~!?

先生たちの私を見る目が、痛い。

「姉のほうは、どこか怪我とかはないのか?」

ありませんよぉ。

先生たちが私と武人を引き離し、武人を囲む。

「なぁ家を出て距離を置いてみてもいいんじゃないか?」「いぇもう姉からは離れられませんし」

「一方的に叩かれっぱなしだったのかな?」「俺が悪いですから」


ひょぉぉぉ!?

先生、『ケンカ両成敗』じゃなかったの?

DV被害者心理へ一直線の誘導尋問されてませんか!? このまま一気にストックホルムまでもっていかれるんじゃないだろうか?

先生たちが相談し、まず親に連絡することになったので昨夜言われたように母さんを通してもらう。


先生たちが母さんの承諾を得てスピーカーモードに切り替えた。

「お母さん、弟さんの顔のことなんですけど」

「ご心配をおかけして申し訳ありません。昨日、二人で派手に姉弟ゲンカをしてしまいまして」

「ケンカ、ですか?お姉さんのほうは無傷で、弟さんが一方的に叩かれたようですけど」

「いいえ?控え目に見て五分五分で、結果だけ見れば弟の勝ちでしたわね。仲直りも済ませておりますので今後、こんなことは起きませんわ」

先生たちは納得してなさそうだけど、保護者が言い、本人たちが同意しているのであれば、それ以上言うことはできない。

私たちは釈放された。シャバの空気が美味い!


しかしそれでは終わらなかった。

職員室へは複数の生徒が出入りしていて、それぞれの耳には断片的な話が入っている。そして都合よく組み合わされ、流布されていく。

『あの寄生虫女に、飯を作れと日常的に暴力を振るわれている可哀想な弟』の出来上がりであった。

武人のところへは同情を装い、中には涙を浮かべて言い寄ってくる女子が続出。

その手の連中は言えば言うほど関わりたがるので、無視しているそうだ。


私のところへは、武人の気を引きたい下級生が言ってくる程度。

クラスメイトから言われることはない。なぜかって?

ゆかり曰わく「有紀子のあのみっともなくて情けない姿をクラスみんなで見たんだぜ?武人と有紀子のどっちが可哀想なヤツか全員知ってるって!これ以上言うのは追い討ちってもんだろ?」

『可哀想』のニュアンスが違うんじゃないだろうか。

それにしても私の扱いって...。


そうそうお昼休み、2組から浅子に連れられて山科さんも来て、畑中さんも加えて一緒にお弁当を食べた。

山科さんが私の顔をしばらく覗き込んできた後、納得したように「おめでとうございます。悔しいですけど」と言われた。浅子はそれを聞いて「なるほど。ようやくなのね」と応えた。

バレてた!? 顔に出てたんだろうか?でもそれを認めるわけにはいかないの...。

「何のことかしらね」

ゆかりは「何が?」 あんたはパンを頬張ってりゃいいの!



 武人の顔の腫れが引いてから私たちは時々キスするようになった。愛美に気付かれないように気をつけながら。

本当は触っても欲しい。あのしなやかな指で、繊細なタッチで。

あの時『ずっと一緒にいたい』と武人は言った。今はわかる。だってこれまで『一緒にいられなくなる』ことなんて考えたことがなかったから。

一緒にいたい、キスしてほしい、触ってほしい、好きって言ってほしい。

そう思える気持ちを知ってしまった。

これが恋なんだろうか。

でも私はお姉ちゃんだから、武人は弟だから。父さんや母さんを困らせたくはない。

キスを超える行為はもうできない。


この気持ちを、この恋を、心の底に押し沈めて、私たちは家族として生きていく。




- 完 -


※本人談

ち、ちがうよ! これからだよ! 今はつかまれてるから、これからガッツリつかむんだよ!

ガッツリつかみましたよね?タイトル回収できましたよね?(笑)


拙い話にお付き合いいただきありがとうございました。

あと、番外編3部あります。

よければもう少しだけお付き合いください。

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