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魔王のお仕事 世界侵略編

四天王っていいですよね。

そういえばシャドルー四天王ってベガも含まれているんですよね。

海外表記だとベガ→バイソン

バルログ→ベガ

バイソン→バルログ

って表記みたいですね

とある時代のとある世界。

人々は魔法の力を発展させることにより安寧を謳歌していた。

自然との調和により発生するマナは無尽蔵に溢れ、枯れ事のない泉とも言われる。

マナの源泉には樹齢うん百年ともうん千年とも言われるほどの巨大な樹木が生えており、その周りを囲うようにドーナツ状の湖が形成されている。

樹木で生成された莫大なマナは大地へと還元され、水と空気と混ざり高純度であり純粋なマナとして世界を循環し、やがて大樹のもとへと還ってくる。


魔力の元であるマナを生み出す大樹を人間たちは世界樹と呼び、大戦時はその莫大なマナを奪い合い多くの人々が殺し合い、その大地を赤く染め上げた。屍はやがて空気中のマナにより分解され、瘴気と結びついたものは大樹の循環作用によって新しい世界の礎となる。


そして場面は外の世界の魔王城に一室へと移る・・・・・


「流石に時間がかかるな。」


「そのようですね。ところで、人間界で上質な茶葉が手に入りましたのでお茶の時間に致しませんか?」


長身で

茶目っ気を出しながら、空中に展開させた魔法陣から瓶を取り出して


「それもそうだな。フラムは・・・・新兵の訓練で遠征中だったか。コリオは地下で解析に集中させているから無理だ。はぁ・・・・・」


オーダーが書斎机に置いてあるベルを「チリンチリンッ」と鳴らすこと15秒後、扉をノックする音が響く。

僅かに開いた扉から音もなく女性が入室する。しかしその下半身にはすらっと伸びる長い脚ではなく蛇の尻尾が伸びている。


オーダーの構える魔王城及び、付近にご住まいの魔族の方々には周知されていると思われるが、紹介しなくてはならない。

オーダーの側近には四天王と呼ばれる三人の魔族がいる。

1人はアラクネのフレア。

1人は吸血種のバレンティ。

1人はラミアのローレンス。

最後の一席は空白のまま長い期間過ぎている。


オーダーの父もその父も四天王と呼ばれる四人の側近を抱え、執務をこなしている。歴史から見れば「格好いいから」という理由で誕生したシステムだとも言われている。


前回から行動を共にしている執事服の魔族の男こそ吸血種のバレンティその人である。


「お呼びでしょうか若様。」


顔だけ見ればイケメン。男装の麗人。一人宝塚。帝国華撃団。など言われる。

その顔の下には無理やり仕舞い込まれ今にも弾け飛びそうになるほどの大きな果実が収まっている。


顔を高揚させ若干息を荒立たせているローレンスは、バレンティに気が付くと顔を歪めた。


「どうしてあなたがいるのですか?」


「私は最初からいましたよ。ただ若様にお茶の時間に致しませんか?と提案しただけです。」


「そう気を立てるなローレンス。たまには皆でティータイムを楽しみたくてな。二人ともいつもは遠慮しているのか参加してくれないからね。いくら私の立場があるとはいえ直属の部下との時間も大切にしたいんだ。30分後に始めたいからローレンスは中庭で準備をしてくれ。」


「かしこまりました。」


「バレンティはそいつに合う菓子を持ってきてくれ。この時間帯なら出来立てがあるだろう」









青空が広がる魔王城の中庭

世界一安全で世界一危険なこの場所には、貴重な植物。力のある魔物の幼体。妖精。

天界にも劣らないゆったりとした時間が流れている。


魔石によるポットの温度管理。転送された出来立ての焼き菓子の香り。テーブルに集まってくる妖精たち。

外から見れば楽園の1コマを切り抜いたかのように見える。


「ねぇねぇわかさま。お菓子ちょうだい。」

「わたしもわたしもー。」

「おかしおかしー。」


甘い香りに引き寄せられた妖精たちが菓子をねだる。人間の子供は特定の日に「トリック・オア・トリート」と言う呪文を唱えることで菓子を得るというが、それに似た雰囲気がある。


「みんなで仲良く分けるんだよ。」オーダーはケーキスタンドの一段目を妖精たちに渡した。「はーーい。」と元気な返事をすると四人でお皿を持ち上げながらフヨフヨ飛び去っていった。


「若様は相変わらずお優しいのですね。」


「力のあるものが無理やり支配するのは簡単だ。特に私みたいな存在ならなおさら。最も世界を作ったとしてもある程度はその世界に出来たの法則に任せっきりだ。この前のみたいな余程のことがない限りは過干渉しないよ。それに―――」


出来立ての紅茶を一口。


「―――私は私1人では生きてはいけないからね。君たちがいて。あの子たちがいて。ようやく私と言う存在が平和の楔になっているのだから。」


「若様……。」

「若様ぁ。」


バレンティは感動のあまり涙を溢れさせ、ローレンスは彼から感じた愛に鼻から忠誠心を溢れさせていた。


「さて、本題に移ろう。」


オーダーがカップを置いて手を組んだ瞬間、3人は別の世界にワープしていた。快晴は曇天に、静かな中庭は獣と魔物の咆哮に包まれ、空から魔法の降り注ぐ地獄絵図のような光景に変わっていた。

炎の明かりがそこらかしこで灯っている。

あまりにもシームレスなワープなために転移前を転移後の部屋の構造が同じであるなら、いつの間にか場所が変わっていることに驚くことになろう。



「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

「グオオオオォォォオ!!!」「ギャオオォオオオォォォオオオオン!!!!」


眼前にはトロールやオークといった大型の魔物が鎧を着て、人間たちの軍隊へ走り込んでいくのが見える。天から降り注ぐ光の矢に貫かれる魔物。一突きで串刺しになる人間。まさに大きな戦いが繰り広げられてた。


広範囲の魔法は崖下の魔物だけではなく、崖の上のオーダー達にも降り注いだがローレンスが腕を組んだまま指をくるくると回すと光の矢は3人に届く前に霧酸した。


「この戦い、どうなると思う。」


ローレンスは音もなくオーダーの背後から顔を出し、崖下の戦場を眺めた。


「魔王軍の兵力は十五万。人間たちは城の中にもいるとして甘く見ても四万。数でも圧倒的にこちら側が有利ですが、人間たちの上手いこと陣形を保ちながら拮抗してますね」


いつの間にか隣に立っていたバレンティは戦況を見ながらそう答える。

いくら最前線を大型の魔物たちを置こうが、人間側はゴーレムや強化呪文による力自慢たちの防衛力が簡単に突破できるものでない。それに加え負傷者を交代させ控えの人間が前にでる。かつて第六天魔王と呼ばれていた人物が行った三段撃ちと同じ構えをしているの厄介だ。


「あれぐらいの数なら私一人で壊滅させらます。私だけではなくフラムも―――――」一瞬、横目でバレンティを見ると顔を歪め「――――――――こいつも。」


「おや?ローレンスは私のことを名前で呼んでいただけないのでしょうか。」


彼女はニコニコの笑顔を崩さずに分かっていることを聞いてくるバレンティが苦手なのだ。

対してバレンティは折角の四天王仲間なのでもっと仲を深めたいと思っている。


「流石は私の四天王だ。確かに君たちなら一人で殲滅も容易だろう。だがこういった戦いで大切なのことは2つあると思う。1つはこちらと相手の戦力を比較して有利であること。もう1つは地形による正面衝突の幅だ。」


オーダーは崖際に移動すると人間側の陣地を指さした。


「今回攻めている城は周囲を掘りと城壁によって囲まれている。部隊を4つに分け、それぞれ前衛に戦士や武闘家といった格闘職で固め、後衛を魔法使いや各国の聖職者たちが回復と守りを担当している。ここでさっきの『正面衝突の幅』の話になる。上から見ればわかるが真正面の二部隊を若干後ろに下げて配置することでまるで攻め込めている様に錯覚させている。そこにいけば左右からの攻撃も加わって一気に潰されてしまう。そもそも攻城戦は守る側が圧倒的に有利な立場にある。まあそもそもの話―――――」


オーダーは再び椅子に座り紅茶を一口飲み、続けた。


「――――この手の戦いには必ずいる。」


「勇者・・・・ですか?」


ローレンスは答えた。それは世界のルールであり、代わりことのない決まり事。

数秒後、城から花火が上がり兵たちは門の前に一本道を作る。それと同時に青白い閃光が飛び出し魔物たちを枯葉の様に吹き飛ばれた。

全身にオーラを纏った勇者が、剣と盾を持ち煌びやかな鎧とマントを翻し最前線へと降り立った。


「終わったな。さて、帰って戦力の増強案でも考えるか」


「そうですね。」

「賛成です。」


バレンティとローレンスの同意を得ると、3人の姿は元の世界へと戻っていた。

その後の戦闘は人間側の勝利に終わった。

肉を焼き、骨を焦がす、灼熱を纏った剣は一振りで周囲の魔物を炭化させ、その灼熱の余波は勇者を中心に円を描くように広がり、魔物たちを次々と焼き払っていった。

遠くから飛んでくる矢は煌びやかなマントに弾かれるだけではなく、翻された時に起きた風に巻き込まれ撃った本人へと返っていった。

勇者の何倍もの巨体をもつ魔物の一撃ですら容易に盾で受け止められ、その魔物をも巻き込む強力な魔法は兜と鎧に吸収され剣と盾をより強化させた。

本来ならば間違いなく致命傷にはならなくとも痛手を負わすことができるレベルの魔法であったが、剣と盾と鎧と兜、この4つが揃っているために、最上級魔法以外の魔法攻撃では傷1つ付けることすら困難となっていたのだ。








元の世界でオーダー達はまるで何もなかったかのように3人でティータイムを過ごしながら、ほんのわずかな休息を楽しんでいた。


「若様。紅茶が冷えてしまいましたね。新しいのお持ち致します。」


「そんなこともあろうと用意してあります。どうぞ若様。魔法瓶です。」


ローレンスが魔法陣から筒状の入れ物を取り出し蓋を開けると湯気が立ち上った。


「そいつはなんだ。新しい魔道具か何かか?」


「はい!実は魔法陣を使いことなく液体を保温することができる魔道具なのです。ちょっと前に人間界で見つけたんですよ。」


「相変わらず人間たちは変わったものを作るな。」


「ローレンス。茶葉の用意ができましたので、その魔法瓶とやらの実力を見せてください。」


コポコポコポコポ・・・・・


ふわっと香る紅茶の香りが再び妖精たちを呼び、ちょっとした楽園の時間が流れていた。



簡単魔物紹介


ゴーレム

でかい、つよい、かたい の三拍子が揃っている

なにがでかくて、なにがつよくて、なにがかたいのかは秘密

大きい括りではアンドロイドもゴーレムに分類される

少女型のゴーレムは人気もある

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