番外編①:第二回、龍翔VS晟
どうもこんにちは、羅弾怖我です!
この度、4話にわたる短編を書かせていただきました! クリスマスならではも含めた、龍翔と晟を中心に回る日常です!
さて、この話は龍翔VS晟の2回目となっています。
ドS少年に対するツンデレ少年の、わちゃわちゃとした可愛げのある反抗。ぜひ読んでみてください!
十二月二十四日、人々はその日を、クリスマスイヴとして楽しむ。
日本での一般的なクリスマスとは、サンタクロースがプレゼントを持って来たり、友達とパーティーしたり、寒空の下で恋人がその仲を深めたり――即ち、俗に言うリア充や勝ち組と言われる者たちが理由をつけてはしゃぐ日だ。
しかしながら、勿論そのイベントを毎年のようにスルーしてきた人間もいる。そしてそのうちの一人に、天野龍翔と言う人物も混じっていたことは言うまでもない。
その手のイベントには毎回のように疎い龍翔は、そんなクリスマスなど意識せず、いつもと同じ日々を過ごす。
――そう。去年までなら、そうだった。
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龍翔は今、とある広場の噴水前にいる。
周りには、今夜でぐんと距離を縮めるのであろうカップルがたくさんいて、たった一人で立っていることでさえ苦痛になりそうな場所。しかし、そんなカップルにすら憧れない龍翔は、いつもと何ら変わらない様子でいられる。
そして今日は、それとは別な意味でも苦痛を感じることがない。
それは――、
「りゅーしょーくんっ!」
振り向くと、笑いながらこちらへ手を振っている少年がいる。男子にしては少し高い声で、明るく龍翔の名前を呼ぶその少年は、少し寒そうに萌え袖をしている。
「おーぅ、久しぶり! 晟!」
そう言うと、龍翔に駆け寄った少年――晟は、「うん!」と返事をしながら万遍の笑みで応える。
「こうやって会うのはハロウィンの日以来だねー」
「そうだなー。二つも学年が違うと学校でもほとんど会わないからなー」
今日は、龍翔と晟が久しぶりにプライベートで会う日。
部活を引退している龍翔が学校で晟と会うことは数少なく、移動教室の時に少し顔を合わせるくらいだ。
「んじゃ、早速行こっか」
「うん! 最初どこ行くのー?」
「どっか行きたいとこある?」
「んー……あ、映画観たい! 丁度観たい映画があったのー!」
「そかそか! おし分かった。最初に映画観て、そのあとはその辺ブラブラしてよっか」
かなりざっくりとした予定だが、龍翔と晟にとってはこんな感じが普通。というか、龍翔や晟の周りではこんな友人が多く、的確なスケジュールや細かいプランを建てる人はいない。
それでも、意外と普通以上に楽しめてしまうのが良い。約束をするのも前日や当日が多いうえに、大体が会ってからどうするのかを決める。
それになにより、龍翔たちは気分で動くのだ。スケジュールなど建てたところで、その日の半分以上は予定がズレるだろう。
「この辺っていいよなー。公園はあるし、カラオケもあるし、映画観ようって言っても歩いて観に行ける範囲だし、病院とか図書館も近いしなー」
「龍翔くん、図書館なんて使わないでしょ」
「あ、バレた? だって静かにしないといけないところとか苦手だし、珍しく図書館に行った日なんかは追い出されたかんなー」
「それは龍翔くんが悪いでしょー。あれでしょ、図書室で鬼ごっこしたりとかしてたんでしょ?」
「いやいや、さすがに図書館で鬼ごっことか、そんな子どもみたいなことはしねーよ。ちゃんと走らないように、隠れんぼにしたから!」
隠れんぼも鬼ごっこも同じようなものだが、龍翔的には静かな方を選んだつもりだ。それでも、そのような遊び心を抑止出来ないのが問題なのだが。
「図書館で隠れんぼとか俺もやりたかったなー」
「出禁になるぜ。俺とクラスの奴と、一緒にやってたやつは皆出禁になってるから」
図書館での隠れんぼに惹かれた晟に、龍翔は笑いながらそう言う。
ふざけてるような発言だが、龍翔の発言は嘘ではない。事実、中一の夏休みに友人と図書館で隠れんぼをしたその日から、図書館には入っていない。
「出禁は困るよ! テスト前とか友達と勉強しに行くもん! 出禁になったら勉強できない!」
「したら俺ん家来ればいーやん!」
「龍翔くんの家じゃ絶対に集中できないもん! 勉強始めて十分くらいで終わっちゃいそう」
「俺のことが好きだから?」
「龍翔くんが絶対にちょっかい出すから!」
龍翔のふざけた投げかけに、晟は若干強い口調で否定する。
晟やその他の後輩が来た時に、龍翔の家で勉強会など始まるわけがない。実際に、ハロウィンの時に入った龍翔の部屋には学校で使うもの以外の勉強道具らしいものはほとんど見られず、本やゲーム、フィギュアやストラップに筋トレ器具、あとはコスプレ衣装があった。
そんな龍翔の部屋で絶対に勉強会など始まらないと、晟はそう確信している。
「そんなに強く否定しなくてもいいのに……っと、そんなこと言ってる間にもうすぐだぜ?」
「あ、ほんとだ。なんかいつもより早くついた気がする」
映画館のある大型のショッピングモールは、龍翔と晟が待ち合わせた広場から約20分の距離にある。ハロウィンの時に来た場所と同じで、龍翔の家からなら15分ほどしかかからない場所だ。
しかし今回、晟の体感時間は5~10分ほど。そこまで積もる話でもなかったが、晟にとってはあっという間だった。
「それだけ俺との話が楽しかったってことでしょーよ! ――やっぱり俺のこと好き?」
「そーやっていつまでもからかってくる人は好きじゃありませんー!」
「つまり、からかわなくなったら好きだと?」
「別にそんなこと言ってないでしょ! てゆか、龍翔くんがからかわなくなることなんてないし!」
たしかに、龍翔が晟をからかわなくなる可能性は限りなく低い。ない、とまでは断言しないが、ないと言っても過言ではない程だ。――いや、やはり断言出来る。龍翔が晟をからかわなくなることはない。
それだけ晟はからかいがいのある存在で、龍翔にとって晟をからかうということは、どんな行事よりも本当に面白い。
「まぁたしかに、俺が晟をからかわなくなることなんてなさそーだな。晟ってば本当に面白いんだもん」
「今日か明日で絶対にやり返すもん! もう一方的にからかわれたりなんてしない!」
「そーやって日にち教えてくれるあたり、からかうのには向いてないと思うぜ? 今日か明日なんて言ったら、ずっと警戒されるよ?」
「あ……いやでも! 龍翔くんそこまで頭良くないし! どうせ忘れるから! 大丈夫だもん!」
「さり気なくディスってくるのやめて!? 晟よりは中一のテスト順位よかったからな!?」
意図せず日にちを教えてしまい、苦し紛れにあたふたと言い訳をする晟。そんな晟の言い訳の中で、龍翔はさり気なくディスられる。
晟は気付いていないが、二つ差でここまで遠慮なく物をいえるということは、かなりのいじりやすさがある。それを上手く利用できていないのが晟だが、たまに、天然発言に紛れてディスられることがある。
「うう……て、テスト順位なんて関係ないし! 絶対に龍翔くんが行く高校に行くし!」
「そこで俺が行く高校より上って言わないのが可愛いよな。なんだかんだ言って、俺と同じ高校に行きたいだけじゃないの? 晟が入りやすいように志望校のランク下げてあげよーか?」
「べ、別に同じ高校に行きたいとかじゃないし、そんなことしなくていいから!」
実際、龍翔と晟のテスト順位はさほど変わらない。学年が違えば周りやテストのレベルも違うが、そこまで大きく変わったりはしないだろう。
「はいはい、ツンデレね。可愛い可愛い。あとで一緒に高校選ぼーねー」
「ツンデレとかじゃないし! 高校も一緒に選ぶ必要ないし!」
「少しくらい素直になればいいのに」
「ずっと前から素直ですー! 嘘なんかついてませんー!」
口を尖らせている晟の口調は、かなりツンデレに似たものがある。周囲がこの姿勢をどう評価するかは分からないが、龍翔にとってはこのくらいのツンデレがストライクだ。
どれだけからかっても飽きる気配などなく、どんどんと好感が上がっていく。
「まーま、映画館着いたけど? 何観たいの?」
「え? あー、えっとね……あ、あれ! あのシリーズ好きなの!」
「あー、あれか。結構広告とかで見るけど、全然観たことないな……映画とかアニメのやつか面白そうなドラマ物しか観ないし」
「え、そうなの? あのシリーズ本当に面白いから一緒に観よ!」
「まぁ、ここまで来て俺だけ観ないなんて嫌だしな。いいよ、あれ観よっか」
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「あぁー、面白かったー!! これまで観た中で一番面白かったかもー! ――あ、別に龍翔くんと観たからとかじゃないかんね!」
「え? あ、うん。そーだな! 俺と観たからだよ!」
「だから違う……って、どうしたの? もしかして、あんまり面白くなかった?」
お気に入りの映画観られ、テンションの上がる晟は、満足そうな評価を付ける。が、″一番面白かった″などと言えば、いつものように龍翔が食いつくだろう。よって、そう言われる前に訂正を入れるが、龍翔はそこまでの食いつきを見せてこなかった。
晟の言葉は聞いてこそいたものの、そこまで内容に耳を傾けていなかったのか、反応が遅れる。
「あいや、面白くなかったわけじゃないんだけどさ、あの映画、難しくね? 最初から最後までわけ分からんのやけど……」
「え、そーお? 俺は普通に面白かったけどなー」
晟が好きなシリーズと聞き、龍翔はもっと簡単な話かと思っていた。
なのに、晟に理解出来て、自分に理解出来ない今の映画には、少々納得がいっていない。
「いやだって、難しい言葉多くね? 考えれば理解出来る言葉が多かったけど、意味を引っ張ってくるのに時間がかかって内容が入ってこねぇ……」
「え、そんなに難しい言葉なんて使われてた? 俺あんまり記憶ない……」
『難しい言葉』に覚えがないと、晟はそう言って、首を傾げる。
まさか、龍翔にとって難しいと判断した言葉が、晟にとっては簡単な言葉だったのだろうか。しかし、同学年として見た時の龍翔と晟の語彙力はほぼ同じくらい……もしくは、国語が得意な龍翔からすれば自分の方が優っていたとも思っていた。
「え、だってさ、中盤から終盤の間くらいで「貴様の拙い想像力などで、この世界が救えるとでも!?」ってセリフあったやん? その、拙いって単語の意味とかパッと出てくる?」
「え、そこってそんなセリフだったの!? 俺てっきり、″浮かない想像力″かと思ってた……」
龍翔は、口を開けて唖然とする。
これは、龍翔にとっての難しい言葉が晟にとって簡単だったのではない。晟の頭の中で、難しい言葉が晟の語彙力に合わせ、勝手に変換されていたのだ。
「浮かない想像力ってなに……」
「え、だから! 浮かない顔? みたいなのあるじゃん!」
「あー、確かにあるな……ってことは、暗い感じの想像力?」
「そんな感じかなーって……」
「暗い想像なんかしてたら救うどころか滅亡に追い込むやろ……」
「だってそう思ったんだもん! つたない? とか分かんないし!」
やはり龍翔の考えは間違っていなかったようで、晟の語彙力が高い訳では無い。
これまでのシリーズも、きっと簡単な言葉に変換してしまっていたのだろう。
「やっぱりなー。晟があんな難しい言葉理解出来るわけないかー!」
「あー! そうやって俺が間違えてたからってさー! ろ、ろく? ろこ、ろっこつ? にさ! 明るくなってさー!」
「露骨じゃねーのか? 肋骨だと単純に骨になるぞ?」
「ろ、ろこつだし! 別に、肋骨なんて言ってないし! 龍翔くんが聞き間違えたんですよーだ!」
語彙力のなさを認めたくなかったのか、晟はうろ覚えの単語を無理矢理に頭から引っ張り出す。
その努力は可愛いが、結局はそれも失敗。龍翔を見返すことは出来ず、可愛いだけの悪あがきで終わってしまう。
「いいんだよ、晟は。無理してそんな難しい言葉使おうとしなくても、晟は可愛いんだから。だいじょーぶだいじょーぶ!」
「無理なんかしてないし! ろこつ? くらい余裕で分かるし! てか! 可愛いとかないから!」
「やっぱりあやふやじゃねぇかよ……」
露骨という単語を使うとき、語尾が上がり、疑問形になる。首を若干傾け、目は斜め上を向いていて、眉間に皺も寄せているし、明らかに理解出来ていない様子だ。
それでも頑張って使おうとしているのだから、その可愛さが憎めない。というか、龍翔はそんな晟の努力も含めて楽しんでいる。
「もー! そんなことどーでもいいの! 早く他のところ行くよ!」
「はいはい、分かりましたわかりましたー。ほかにどっか行きたいとこあるの?」
「んー、特にないかなー」
これ以上話していても絶対に弄られると分かった晟は、話を先に進めないために話題を変えようとする。
龍翔としても同じようなことを繰り返して嫌われても嫌なので、それ以上の追求はしない。取り敢えず今は話題を変え、次の場所に行く。
「んじゃ、今日のクリパで使うもの揃えっかー」
「そーだね! 楽しみー!」
そう、今日のこの日は十二月二十四日。俗に言う『クリスマス・イヴ』の日だ。
ハロウィンの日に約束したとおり、龍翔と晟が珍しく予定を立て、龍翔の家でパーティとお泊まり会をすることにした。そしてほかのメンバーには夜八時に集合すると伝え、龍翔はサプライズの用意をするために晟を助っ人に呼んだ。
助っ人に晟を選んだのは至って簡単。後輩の中で一番接しやすいのと、単純にからかいやすいからだ。
「んー、ハロウィンのときは咄嗟で飾り付けとか出来てなかったから、今回は飾り付けから入りたいな……」
「そうすると結構早めに帰らないとだね」
今日の集合は午前の十時で、十一時から十三時の映画を観た今は、大体十三時三十分と言ったところだ。
ちなみに、時間短縮のために昼食はポップコーンで済ませてしまった。
「この前は買いすぎて家に持ち帰るの大変だったからなー。菓子類は前もって注文しといたから、今回は飾り付けくらいでいいっしょ」
「結局ほとんど龍翔くんが持って、帰ってすぐに寝ちゃったもんね。お菓子があるなら俺はなんでもいいよー」
「お菓子があればいいよーって、″お菓子好きの可愛い少年である僕をどうぞ可愛がってからかってください″って言ってるようなもんだよ?」
「それは龍翔くんの考え方がおかしいでしょ! 俺そんなこと一言も言ってないし!」
流れで言った一言でさえも、龍翔のセンサーに引っかかった瞬間に変な解釈をされる。
とはいえ、龍翔のセンサーはかなりの広範囲に行き渡っていて、本当にからかわれたくなければ黙っている他にない。それほどまでに、龍翔は言葉をからかいに結びつけるのが得意だ。
そんな会話をしながら、龍翔と晟は買い物を終える。
先ずは百均で装飾品などを揃え、注文しておいたというクリスマス用のセットをコスプレ店に取りに行き、最後にプリクラを撮って終了だ。
「あとはプレゼントってとこか。まだ用意してないっしょ?」
「あ、そーそー。すっかり忘れてた。ここで買おーって思ってたの」
「忘れてたのはあれやな、俺とのでーとが楽しすぎたんやな! 他のこと忘れるくらい夢中になったってことだし、やっぱ俺のこと好き?」
「単純に忘れてただけだし、好きとか関係ないでしょ! そもそもいつからデートになってんの!」
『忘れてた』の一言から、複数個のからかいを畳み掛けてくる龍翔。ここまで来ると、ある種の才能とも言える。
実際、龍翔の頭の回転は本当に早く、龍翔がボケに回ればツッコミ側は必ずと言っていいほどボケ倒される。そして、ツッコミ役がギブアップするのが日常だ。
「まぁまぁ、取り敢えずはプレゼントでも選びに行こーぜ。って言っても、プレゼントは一人一つ持ってきてルーレットって決めたかんな……プレゼント選びだけは一人行動にすっか」
「うん、分かった! 何時ぐらいに戻ってくればいいの?」
「んじゃ、三十分後に南口でOK?」
「分かった、じゃーまた後でねー!」
そう言って、龍翔と晟の別行動が始まる。
今日のクリスマスパーティーでは、一人一つずつプレゼントを用意して、ルーレット形式で選んでいくという形をとった。
なので、龍翔のプレゼントが晟に渡ることもあれば、その逆が起きる可能性もある。よって、プレゼント選びだけは一人で行う。
そして三十分のプレゼント選びを終え、十六時近くになっている。
「買えたー?」
「おう!」
「そしたら早く帰って準備しよー! みんなで集まるのはハロウィン以来だし、前に来れなかった人も来るんでしょ? 楽しみー!!」
「でも、晟が本当に楽しみにしてるのは」「龍翔くんがいるからとかじゃないからねー!」
「ちょ、せめて最後まで言わせろし!」
今回もからかおうとした龍翔の言葉を、晟は先読みして言い切る前に訂正する。
言葉を遮られた龍翔は、思ったようにからかうことが出来ず、納得がいかない。
「ふふん。こうやって言えば龍翔くんがからかってきそうだったから、どうしようかなってずっと考えてたんだー」
「くっそ。晟にしては珍しく自分から話してくるなって思ったら……そういうことかよ……」
「こういうことなら龍翔くんも警戒とか出来ないでしょー! ちゃーんと有言実行したもんねー! あ、有言実行って言葉は合ってるからね! こっちもさっき調べたし、もうそういうので間違わないから!」
龍翔のからかいを潰すことが出来て、晟は満足そうに笑っている。
有言実行と言う言葉もそこまで難しいわけではないが、晟からしたら難しい言葉だったのだろう。それをネタにからかおうともしたが、そんなことではただの仕返しにしかならない。
――そう、やり返すとしてもただやり返すだけでは面白くない。しっかりと、倍返しにしなくては。
「つまり、この30分間晟は俺のことばっかり考えてたんやなー。俺のからかい方とかも理解出来てきたみたいだし、そこまで俺に興味津々だったんだな!」
「そ、そんなことないし! ちゃんとプレゼントのことだって考えながらだったし! だからいいの! 今回は俺の勝ち! 俺の勝ちだもん!」
一度は龍翔の意表を突いたものの、そのあとのことを考えていなかったのだろう。呆気なく龍翔にからかわれ、最後はヤケになってゴリ押しだ。
「そんなに顔真っ赤にしなくてもなぁ……まぁいいよ。晟もたまには勝ちたいもんな。勝ちってことにしてあげるよ仕方ないなー」
「仕方ないとかじゃない! 今回は普通に俺の勝ちなんですー!」
からかいという面ではどう考えても龍翔の方が勝っていたが、晟があまりにも可愛く強情に言い張るため、今回は晟に勝ちを譲る。
「はいはい、分かったから取り敢えず帰ろーぜ?」
「俺の勝ちだからね!」
「だから分かったって。今回は晟の可愛さが勝ったよ」
「可愛さとかじゃないってば!!!」
十二月二十四日 十五時五十二分
★ 龍翔(可愛さ)晟 ☆




