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二度目の四天王ライフ  作者: 羅弾浮我
第一作:〜異世界への突入、『聖陽郷』での波乱〜
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31話:再臨のリゥ

 仮面男を倒し、安堵の息を漏らすザイデとリオ。


 ――過去は、そこで終わってしまった。


 ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼


 再び無の空間が広がり、リゥはただただそこに浮かんでいる。浮かんでいるという表現が正しいかどうかは分からないが、床も、壁も、天井もない空間なので、浮かんでいるという以外に表現ができない。強いて言うなら、『在る』だけだろうか。


 ――なんで?


 そんな無の空間で、リゥの中には疑問しか浮かばない。


 ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼


 ――いつ


 命を落としたのだろうか。


 ――だれが


 命を落としたのだろうか。


 ――どこで


 命を落としたのだろうか。


 ――だれと


 命を落としたのだろうか。


 ――どうして


 命を落としたのだろうか。


 ――どうやって


 命を落としたのだろうか。


 ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼


 声が、聞こえた。


 どうしたの?


 ――見たく、なかった


 なにを?


 ――自分の、過去を


 どうして?


 ――頭が、混乱する


 駄目なの?


 ――駄目というか、嫌だ


 どうしたい?


 ――分からない


 忘れたい?


 ――出来るなら


 そっか。


 ――うん


 ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼


 ――え、聞いただけ?


 救われると、そう思った。

 忘れさせてくれると、そう思った。

 それなのに、声はそこで終わってしまう。


 ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼


 何も無い、今度こそ一人になった空間で、リゥはなにをすれば良いのか分からないまま、ただただそこに浮かんでいる。

 景色、見えない。

 音、聞こえない。

 匂い、嗅げない。

 声、出せない。

 物、触れられない。

 体、ない。

 何も、出来ない。


 ――否。


 一つだけ、できることがある。


 思考力だけはある。

 考えることだけはできる。

 自分の体が存在しない中でも、脳だけは理解出来る。

 喜怒哀楽はそこまでないが、考えることはできるはずだ。


 でも、何を考える?


 ここはどこか?


 ――分かるわけがない。


 さっきのはなんだったのか?


 ――分かるわけがない。


 なぜ体がないのか?


 ――分かるわけがない。


 どうすればいい?


 ――分かるわけがない。


 詰んだ。


 答えが、何一つない。分からないことだらけで、分かることが一つもない。

 なんで?どうして?

 なんでこうなった?

 どうしてこうなった?


 ここのことは分からない。だから、ここ以外のことを考える。

 現在のことは分からない。だから、現在以外のことを考える。


 まずは過去。

 ここに来る直前は……塔に、第6支部に、迷い森にいた。


 次、なぜこうなったのか。

 明確な理由は分からない。しかし、関係があるとしたらあの老人。それ以外には思い当たる節がない。


 過去は、分かった。

 現在は、分からない。


 そしたら次は、未来だ。


 どうしたいのか。

 とりあえず、ここを抜け出す。抜け出さなければ、他のみんなが……


 ――他の、みんな?


 そうだ。他のみんなは、どうした?

 ゴウは? ゲンは? レツは? スイは? フウは? ライは? サドは? イオは? ネイは? セトは? クラは? イルは? グラは? ネスは? アイクは? エンジは? カイは? クレハは? レントは? ウレンは? アヤトは? レックスは? バルは? トートレスは? ヒールは? コントルは? ハイルは? リボンは? ルリは?


 そしてなにより、アキラは?


 ゴウやゲンは一人になっても大方大丈夫だ。

 十二人衆も、彼らの実力ならば大丈夫だろう。

 特戦隊も個の実力は確かに高い。大丈夫に賭けるしかない。

 特援隊も、逃げる術くらいはあるはずだ。治癒術に特化しているだけで、他にも出来ることはある。


 だが、問題はアキラだ。アキラが一人になった場合だけは、可能性が一番低い。相手が一般人なら可能性はあるが、リゥが今までに見た邪陰郷の連中で、一般人レベルの人間はいなかった。


 ――アキラが、危ない。

 ゴウやゲンがアキラを放っておく訳はないと思うが、絶対に助けられるという保証もない。

 それに、自分がこうして隔離されているのだ。可能性がないとはいえないが、あの場でリゥだけが隔離される可能性は低いはず。


 ――リゥよ、お前は何を誓った?

 あの夜に、他の四天王の三人に勇気を貰った、この迷い森上陸への覚悟を決めた、あの夜に。お前は何を誓った?

 アキラと、何を、誓った?


 アキラと交わした誓い。

 アキラのそばにいて、何があっても守ると、そう誓ったのではないのか?


 アキラが危ない。

 誓いは破ってはいけない。

 アキラを守らなくてはいけない。


 ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼


 でもさ、どうやるの?


 再び、声がした。


 目も、耳も、鼻も、口も、手も、足も、何も無いんだよ?

 君には、体がない。動かせる身体がない。


 目がなければ、見えない。

 耳がなければ、聞こえない。

 鼻がなければ、嗅げない。

 口がなければ、話せない。

 手がなければ、掴めない。

 足がなければ、歩けない。

 体がなければ、触れられない。

 身体がなければ、何も出来ない。


 そんな中で、どうするの?


 ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼


 それでも、守らなきゃいけねェんだよ。


 アキラが危ねェかもしれねェなら、何がなんでも近くにいてやらねェといけねェんだよ。


 何があってもアキラのそばにいるって、約束したんだ。

 どんなときでもアキラを優先するって、決めたんだ。

 何としてもアキラを絶対に守るって、誓ったんだ。


 あの一瞬で、俺が殺される訳ねェ。一度死んでる俺が言うんだから、間違いねェ。

 だとしたら、この空間は瞞し。ただの夢に過ぎねェ。


 ――それが分かっても、起きられないよね?


 内部から起きようと思って起きれねェなら、外部から起こされればいい。


 ――でも、起こされる気配はゼロだよ?


 外がそれどころじゃねェってことだろ。だったら尚更、戻らねェといけねェ。


 ――どうやってやるの?


 自分で動きゃァいいだろうが。周りに頼れねェなら、自分に頼るしかねェ。


 ――でも、腕とか足の感覚なんてないでしょ?


 たしかに、この空間には体が存在しねェ。だから動かす感覚もねェ。


 ――じゃあ、無理なんじゃない?


 手足が動かせねェだけだろ。俺にはまだ考えることが出来んだよ。


 ――考えて、何になるの?


 考えられるってこたァ、想像が出来んだよ。想像が出来るってことは創造も出来んだよ。


 ――想術でも、使う気になった?


 今は、外にいる俺の手の向きが分からねェ。だから、自分に撃てるって確信が持てねェ今は、好き勝手に想術を撃つことは出来ねェ。


 ――それなら、終わりじゃないの?


 想術だけしか、使えねェならな。


 ――他にもなにか、方法があるって言うの?


 お前、気安く俺に話しかけてくるくせに何も知らねェんだな。


 ――だって、そこまで興味無いもの。


 ああそうかよ。それなら直ぐに行っても問題ねェな。


 ――ええ、行けるならね。勝手になさい。


 なら、とっとと行かせて貰う。


 ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼


 十数年久しぶりだな……


 想術が使えたなら、お前も来てくれんだろ?


 お前が来てくれなかったら、正直言って他に手立てはねェ。想術の乱射は最終手段にもしたくねェ。


 だから頼む。出てきてくれ……!


 ――これを使えて、ようやく自分(リゥ)に戻れるってもんだ。




想技(そうぎ)浮躍(ライジング)!!

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