1.少女たちの集い
――カラン、カラ、ン
涼やかな入口扉の鈴の音が聞こえる。
「いらっしゃいませ。3名様でいらっしゃいますか?」
書生の恰好をした青年がお客様を出迎える。
紺色の長着で首元から真っ白なシャツを覗かせ、くすんだ感じのする緑色の袴に下駄を履いている。
「あ、はい!3人です、、、、、、。」
店内に入ってきたのは、制服を着た3人組の女の子だった。制服に見覚えがあると思えば、どうやら近くの高校の生徒のようだ。
「こちらのお席へどうぞ」
青年もとい店員は席へ案内し、一旦厨房奥へと姿を消した。
「ねぇ、ねぇ、さっきの店員のお兄さんかっこよくなかった?」
「もう、本当に理子はイケメンが好きなんだから」
「ん、確かにイケメンだな。でも、彰先輩だって負けてないだろ」
最初に頬を赤らめながら言葉を発したのは、岡田 理子。ハーフアップにした髪にシュシュをつけ、カバンには最近はやりのキーホルダーをじゃらじゃらと付けている。足をぶらぶらさせ、落ち着きのなさから活発な少女だと分かる。次に呆れ気味に言葉を交わしたのは倉本 美優。長い黒髪に落ち着いた雰囲気をかもしだしている。最後に発言をしたのは多賀 翼。男勝りな口調だがれっきとした少女だ。髪もショートカットなため私服時に男子に間違われることが多い。
仲よさげに会話しているが、少女たちは個性豊かで似付かず、小さい頃からの幼馴染ではない。
学校で仲の良いグループで一緒に教室移動をしたり、一緒にお昼ご飯を食べる、いわゆる仲良しグループな訳でもないのだ。
しかし、少女達にはある大事な共通点があった。共通点から生まれた仲間のようなものなのだ。
そしてそこで起こったある出来事から、同じ悩みをここ数日抱えていた。
「あ、店員さん戻ってきたよ。」
「お待たせ致しました。お冷をお持ちしました。こちらがメニューになります。
お決まりになりました頃にまた、、、、、、」
「あ、あの!私達、そのお茶をしにきた訳ではなくて、、、、、、。ま、魔女さんはいらっしゃいますか?」
「、、、、、、。ああ、あの方に用事でしたか。
おりますよ。少々お待ち下さい。」
一瞬考えた顔をした後、青年は微笑むとまた奥へと姿を消した。
「ふぅ、何とか言えた、、、、、、」
「ごめん、理子ありがとう」
「理子ちゃん、ありがとね」
これで、ここに来た目的が果たせる。そう思うと途端に緊張し、3人の手は机の下でぎゅっと握りしめられた。
10分程経過した後、かの定員がその彼女を連れてきた。
「お待たせ致しました。この方が当店の主の魔女でございます」
「初めまして。そして、ようこそいらっしゃいました。私が魔女と呼ばれているものでございます。
一応列記とした名前がありますので、親しみを込めて灯華とお呼び下さい。
そして、隣に控えておりますのが佐古屋 蒼です。助手のようなものだと思って下さい」
――魔女もとい花園 灯華が姿を現した。