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優しい西日・下  作者: 藍川牡丹
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延長休学

留学期間を終えても日本に帰らずに休学の延長を申請した。


その頃に突発の通訳など少しずつアルバイトもこなしていくようになり


日本の景気は極めて悪いと聞いていたが


それでもパリに入国する日本人がゼロになる訳でもなく


ちらほらと仕事の依頼も続いていた。


こちらに駐在したばかりの奥様がローカルな料理教室に通いたいのでその時の同行。


盆栽の本を訳して欲しいという方の依頼。


それは多種多様に渡った。


そこで 後に長くお世話になる ある事業主にも出会うことになる。


あんなに意気込んでガツガツと詰め込み勉強をしたフランス語が


ようやく生活の一部に感じられ始めた頃でもある。


こちらでの生活がより自然体に思え始めてもいた。


だからもう少しこの地にいよう。


教授へ手紙を書いてから、秘書を通じて委任状が送られてきた。


それに署名してまた日本へ返送すると


幸いにも丸一年の延長休学の許可が下りた。


祐介を失って結婚が遠い幻になり、彼は永遠に学生のまま。


自分もこのままずっと学生でいたい気持ちすら芽生え始めていた。


日に日にフランス語で生活するのが自然に感じられていった。

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