表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
優しい西日・下  作者: 藍川牡丹
3/14

アルバム


祐介を訪ねた日には決まって昔のアルバムを取り出す。


あまり多くの写真は残っていないが、


プルメリア時代の写真、江の島へ行った時のもの、ドライブ…


どの写真の中でも彼は幸せそうで輝いている。


別れは本当に突然だった…。


突然すぎて、もう何年も前のことなのに祐介との日々は昨日のことのように思い出せる。


それなのにそれが真実ではない気さえしてしまう…。


フランスに留学中に毎月手紙を送ってきてくれた。


男にしては几帳面な字で綴られた文字。


バイト代がいくら貯まったかの報告。


どのエリアのどんなアパートが良いだろうか。


来月はもっと頑張る。氷河期時代の入り口ではあったが就職が決まったなど嬉しいニュースが多かった。


故人を想うその時間にはどっと悲しみが運ばれてくる時もあるし


戻れない日々への喪失感に耐えられなくなる時もある。


また逆に彼の頑張りと希望からエネルギーをもらえることもあった。


何度見てもアルバム内の変わらない祐介が愛しく思える。


結婚を約束していた人…。


このアルバムには幸せのピークが色褪せずに残っているのだ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ