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1)入学式

 四月七日

 いよいよ明日が入学式。

 日記も今日で終わりなのかな。

 中学三年間、親に無理やり書かされてたけど、今となってはきちんとした習慣だな。

 高校生になっても続けることが出来たら続けよう。



 そう日記に書き電気を消した。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

翌朝


(つばさ)!今日入学式でしょ準備もあるんだから早く起きなさい」



「んぁ?」


 母親の声で目を覚ました俺は、枕の横に置いてあった目覚まし時計を手に取る。


「やば、もう8時じゃん」


 そうつぶやいて、まだ一度も着ていない新品の制服に着替え、リビングに向かった。


 リビングでは既に父と姉が食事を終え仕事に行くところで、焦ったけれど、入学式ということを思い出して後30分の余裕があると思い直し、朝食をとる。

 朝食後すぐに残りの準備を終わらせ、学校に向けて家を出た。


 学校に向かっている途中、中学の時から仲のいい修也を見つけ、駆け寄って背中を思いっきり叩いた。

 これが中学の時に友達になってからずっと変わらない朝の挨拶だ。


 にしても、あの真面目な修也がこんな時間に学校へ向かっているとは。


「修珍しいなこんな時間に」


「翼か、今日は入学式だから、これでも早いほうだぞ?」


 これでも早い方?

 朝家を出たのが8時半、登校完了が9時で、入学式が9時半……


「お前入学説明の時もらった紙見たのか?9時半登校完了の10時入学式だぞ?」


「……あれ、9時登校完了の9時半入学式じゃなかったのか?」


「その時間なのは在校生の方だな、ごっちゃになってるぞ?」


 なんだと、初日からこんな醜態を……


 それから学校に着くまで修也の肩に手を置いて俯きながら歩いていた。

 すると、足元に桜の花びらが散っていて、学校が近いことを知り、顔をあげまだ少し先にある校門を見て聞いた。


「そいえば、クラス一緒なんだっけ?」


「そうだね、馬鹿だったお前が同じクラスとは思えないよ」


「「ははっ」」


 こうして話しているうちに校門をくぐって今日から通うことになる蒼月高校の校舎にはいった。


 静かな階段を上り、緊張感溢れる新入生のクラスがある三階に着く。


 俺たちのクラスは端っこだったはず。


 クラスについて時計を見るとまだ9時だった。


「30分何していよう」


 そうぼそっと呟いて、寝てるのもいるけど起きれるのかな、そんな考えをしたりして時間を潰していた。


 “キーンコーンカーンコーン”


 やっと九時半になったか……

 寝る所だった……


 チャイムとほぼ同時に担任の西澤先生が入ってきた。


「おはよー、今日は入学式とクラス内役員決めとかするだけです。では、体育館に移動するので女子前男子後ろで2列に並んで」


 といわれて、知らない人が多い中皆が黙々と番号順に並んでいく。

 並び終えたのを確認した西澤先生が先導して体育館に向かう。


 体育館は三階建て、珍しいなーと思いつつ、主役の新一年生は一階で在校生全員に見られるのだ、と思うと胃が痛くなる。

 学校説明会の時に言われたから覚えている人も多い、だからなのか体育館が近づくに連れて緊張感が増して来た。


 そしてついに今日一番のイベント会場、体育館へと踏み込んだ。


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