カレラさんの正体
「ちょ…、ちょっとまってくださいよ。カレラさん、何者ですか?」
こんな王城に用があるとかどんなお偉いさんなんだ…?
「私か?私は王宮直属の武器職人だぞ。逆に、私がおまえに聞きたいよ。」
王宮直属…。充分すげぇじゃねぇか…。
「あ、そうだ。お前よ、なんでMPがあんなにあったのにMP不足になってたんだ?」
え…。なんでっていわれてもなぁ?
『それは、私が制限したからよ。』
え、なんで制限したんだよ!
『だって君、街にたどり着けそうになかったじゃない。誰かに拾われるほうが早いわよ。』
あ…。そうでした。すいません。
「えっと…、ちょっと事情があってフルで使えなかったんですよ。」
「そうか、なるほどな。」
そんなやり取りをしているうちに、豪華な部屋に辿り着いた。
「カレラさん、今日はなにしにきたんですか?」
「今日は、王子の武器作成依頼を受けにきたんだ。だから、すぐ帰れるさ。」
王子の武器作成とか…。マジで凄い人だ。
「あの…。王城に図書室みたいなものあります?」
「図書室?ああ、確かあったぞ。場所は案内さんに聞くしかないが…。」
「図書室にいってますね!終わったら図書室まで迎えにきてください!」
よし、やっとこの世界のことが学べる!まずは、それぞれの街のこと調べて、そのあとは魔法だな!
次は…。んーと…。 いてっ。
誰かとぶつかった。
「貴様、王城内を走るな。名はなんという。」
「逸見智哉です。」
「そうか。トモヤか。貴様、マナーはなっていないがなかなか凄い冒険者のようだ。私には分かる。
私は、この国の王子。ルイン=ベルモストだ。それでは。」
なっ…、王子様…。絶対王子様に顔と名前覚えられちゃったよなぁ…。
じゃなくて、図書室、図書室!
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ついた。図書室だ。
「すげー。本めっちゃあるな。」
まずは、世界のことだな!
とりあえず、分かりやすそうな本を手に取ってみる。
「なるほど…。この世界は2つしか大陸がないのか…。」
この世界は僕が今いる“トパルビア大陸”と“キャリング大陸”があるらしい。
しかしキャリング大陸と、トパルビア大陸の北部は魔物たちに支配されているようだ。
そしてこの街の名前はプルニアという名前だった。
プルニアに王城を構えている国がさっきの王子様のとこの、ルーキュアという国みたいだ。
とりあえず、このくらいでいいだろう。
次は魔法だ。
初級魔法の本がある。これくらいなら、余裕だな。初級魔法は、ボールとか回復魔法Lv.1などが書いてあった。
中級魔法も大したことはない。
しかし、上級以上が見当たらないのだ。なぜだ?と考えていると、カレラさんが迎えにきた。
「おーい、トモヤ。いるか?」
「はい、いまいきます!」
と、戻ろうとしたとき
ワタシヲモチカエレという声が聞こえた。周りをみてもだれもいない。
本棚をみると一冊の本が光っていた。普通の魔道書のようだけど…?
恐らく、声の主はこの本だろう。ありえないが、ここは異世界だ。わからない。
僕はこの本を服の中に隠すと、カレラさんのもとに戻った。
「さあ、用事も済んだし帰るぞ。」
「はい。そうしましょう。」
この本は、なにが書いてあるのだろうか…。帰ったらよんでみよう。
次回も明日の20時ごろ投稿予定です。