僕のステータス
少し遅れてしまいました。申し訳ありません。
この世界の街は僕がいた日本のようなビル群ではなく、ヨーロッパのようなレンガで出来た建物がたくさん並んでいる。
カレラさんとロキさんは街で武器屋を営業しているらしい。
少し進むと小さな人だかりがある。
「カレラさん、あの人だかりはなんですか?」
「ん?あれか?あれは昼から酒を呑んでるバカどもが喧嘩してるんだろう。」
うわぁ…。現代日本でこんなことやってたら警察呼ばれるわ…。
この世界の人たちは誰か呼ぶどころか楽しんでるし…。
「まあ、関わるだけ無駄だな。」
そんなのを眺めつつ歩いていくと、周りとは格段と大きい建物が見えてきた。あれが冒険者ギルドぽいな。
「さあ、冒険者ギルドについたぞ。
登録をするにはあそこのカウンターに行くんだ。私も用まで時間があるし、ついていってやるよ。」
生まれつき登録するからか、登録するカウンターはガラガラだ。
「すいませーん。登録したいんですが。」
「それでは、こちらの魔法版に必要事項を書いてください。」
項目は、名前、居住地、年齢、性別だけのようだ。
居住地の項目はどうすればよいのだろうか。
「あの、僕住んでいる所がないのですが。」
「あ、自由民の方ですか。こちらで処理するので空欄でかまいませんよ。それでは奥の部屋へどうぞ。」
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案内された部屋は、応接室のような部屋で、なにかの板のようなものがある。
「これから、こちらの板のようなものを体に埋め込みます。痛くないのでご安心ください。」
おいおい…。痛くないっていってもな…。まあ、我慢するしかないのだろうが…。
「すぐ入れていただけるんですか?」
「お客様がよろしければいつでも。」
「じゃあ、おねがいします。」
「かしこまりました。」
ギルド員さんが手をかざすと身体が光り出す。板も光り出して僕の身体にズブズブ入ってくる。
不思議と痛くない。すげー。
「おわりました。確認の為にステータスカードを確認したいのですがよろしいですか?」
「はい。いいですよ。」
「それでは、ステータスと念じていただけますか。」
念じるのか。モンスターリストを見るときと同じ要領だな。
“ステータス”
「ありがとうございます。ステータスカードでは、攻撃力や冒険者ランクなどがわかりまして、冒険者ランクというものもあります。みなさん最初はGランクからのスタートになります。」
「え?でも、僕Aランクになってますよ?」
僕のステータスカードにはAランクと表示されていることを言うと、カレラさんが食いついた。
「おい、本当か!?それって、一生魔物倒しても辿り着くのが難しいランクだぞ!?お前どんだけ戦闘したんだ!?」
「どんだけって、スライムスネークしか倒したことありませんよ?」
「嘘だろ…。お前何者なんだ?ちょっとステータスカードみしてくれるか?」
名前:逸見智哉
性別:男
居住地:自由民
ランク:A(上限Sランクまであと70000の経験値)
攻撃力:1200
防御力:1000
HP:2000/2000
MP:450/450
魔法攻撃力:27000
魔法適性属性火、水、風、土、闇、光
特殊能力
神子の加護、限界突破:魔力暴走
「おいおい…これは…。魔法攻撃力が27000とか怪物だぞ?攻撃力も1200あるし、一流の戦士レベルだ。しかも適性属性が全属性ってなかなかいないし。」
「そうですね…。これは私も初めてみました。強すぎです。」
おぉい!まじかよ。僕ってそんなチートな能力なの!?
おーい!ニゲラ!
『どうも。久しぶりね。』
久しぶりじゃねえよ!どうなってんのよ、これ!
『多分、私の能力を引き継いだんじゃないかしら。私もこんな凄くなかったけど、神様が面白がって能力を増幅させたんでしょう。』
ここの神様はロクな人間じゃないようだ。
「とっ、とりあえずステータスはちゃんと表示されているので、大丈夫です。ありがとうございました。以上でおわりです。」
ああ、ギルド員さんもなぜかテンパっちゃったよ。
「あ、質問いいですか?」
「はい?なんでしょうか。」
「能力って、秘匿できませんか?さすがに、おかしいくらいの能力は隠したいのですが…。」
これが出来なかったら辛いな…。
「あ、可能ですよ。ランクまでは隠せませんが、能力ならできます。
ステータスカードを見せる際に秘匿と念じれば隠せます。」
「よかったです。ありがとうございました。」
部屋からでると、カレラさんが用があると言うのでついて行くことにした。
だんだん、豪華な街並みになっていく。
貴族がすんでるのかな。
「さあ、ついたぞ。」
カレラさんがそう言った場所はこの街の王城だった。
「えっ…えっ!?」
一体、カレラさんは何者なんだ?
次回も明日の20時予定です。