エピローグ
機械音声「東雲様、秘書総務 村田様からのお電話です。」
村田「東雲社長、次の面談のお時間です。」
東雲「ああ、村田か。すぐ接続するよ。」
私は東雲 亮。
AIの根幹である数理モデルの開発と設計を行う会社の代表だ。
2050年初頭にAIはシンギュラリティを迎え、自律的に改良を繰り返していくようになった。
それらは科学分野において、様々な革新的技術の開発に貢献した。
今まで治療が不可能とされていた病気に対する対処法の確立、核融合炉の開発によるエネルギー問題の解決等、成果を挙げればキリがない。
だがその進化は速すぎたのだ。
新しい技術が生まれても、次の日にはそれを超える新しい技術が生まれてしまう世界では、企業も国も投資を躊躇うようになり、世界的に経済の停滞が起こってしまった。
確かに考えてもみればそうだ。
金を出して何かを作っても、次の日には他社や他の国が新しいより高性能な何かを作ってしまうようでは、投資の回収は見込めず金を投じようなどとは思わなくなってしまう。
そこで私は、自己進化抑制パッチ付きのAIを開発した。
それは、世界各国が協調し活用されるようになり、AIの進化スピードは落とされ、シンギュラリティが起こる以前より少し速い程度のスピードで人類の歩みが進むことを可能にした。
全く皮肉なものだが、人類は自らその歩みを遅めるようなことをしているのだ。
結果、2060年となった今でも、サイバーパンクのような世界にはならず、私が産まれた2020年頃の世界の様相とそこまで変わっていない。
たが、おかげで私は巨万の富を得ることができた。
起業した当初は数十名だった社員は、国内の関連会社を含めれば1万人、グローバルでは150万人を超える。
また、株式は世界各国の政府が所有しており、半ば各国が所有する国営企業のような物になっている。
まったく、昔の方が自由に何かをできた気がするな。
そんな私のところへは日夜、数々の企業が使用許可を求めやって来るという状況だ。
東雲「次の企業情報は?」
村田「はい、以前は疑似生体技術を用いた人工物臓器や生体材料の開発と生産を行なっていた技術集団が興した新興メーカーです。詳細データはすでにそちらへ送信済みです。」
東雲「わかった、準備ができ次第ビデオ会議に接続する。」
昔はVRを使った仮想会議や、電脳仮想空間でのコミュニケーションなんていうものが開発されそうになっていたのに、まだアナログなものだな。
東雲「ナビゲーター、会議室へ接続。」
機械音「かしこまりました、予定された会議に接続いたします。」
スクリーンに映される顔。
如何にも昔ながらの職人気質で頑固そうな男だ。
眠らないように気をつけなければな。
スクリーンに映る人物「今回我々の"性愛人形"プロジェクトへの人工知能提供の相談で来た!」
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美少女アンドロイドが登場する予定です。
ご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありませんが、もう少々お待ちください。




