第9話 運命の相手はどこに?
「えへへ、私の初めてが駿河で本当に良かった――」
予想外の言葉が咲良の口から漏れた。
「!?」
「初めては痛いって聞いてたから心配していたけど、全然痛くなかったし、血も出なかったみたい」
「そうだったんだ――」
「駿河が上手だったのかしら。どこで練習したのか気になるけど、過去のことだから詮索しないであげるわ。これからは絶対に許す気ないけどね」
「僕がそんな事するわけないだろ? 過去も未来も現在も咲良一筋だよ。はち切れそうになって痛いくらいなんだから」
「ふーん。あら本当、嘘はついてないようね。駿河は嘘をついても簡単にわかるもの。だてに長年、駿河のお姉ちゃん役をしてないわよ」
下から僕の顔を見上げた咲良が不思議な台詞を口にした。咲良相手だと一目で嘘がバレる?
そんな事を咲良は一度も言ったことはない。初耳すぎる。
僕は動揺を隠しきれなかった。
「あっ、急に心臓の鼓動が激しくなったわよ。今更動揺しても遅いんだから。駿河は私のものよ。だから何でも知ってるの、例えばあそこの引き出しの中に――」
ギク。
そんなにヤバいものは入れていないから見つかったとしても大丈夫。そもそも簡単に見つかるわけがない。
「私の写真隠してるわよね。いつ手に入れたのかしら? あれって高校の時の体育祭の写真よね。もしかして隠し撮りかな?」
「えっ? 嘘? どうやって見つけたの?」
「一番下の引き出しの裏側に貼り付けるなんて、なかなか手の込んだ事をするよね。よっぽどやましかったのかな? エロ少年くん」
「エロくなんてないよ。スポーツに汗を流す健全な肉体美だろ?」
「ああ、言い逃れしようとしてるな。それじゃあさ、押し入れに隠している――」
「ごめんなさい。勘弁してください、もう降参です」
僕は素直に白旗を上げた。まさか、部屋中を家探しされているとは思ってもみなかった。
「素直に謝ったから許してあげる。今後はここに実物があるんだから、わかってるわよね?」
咲良は下腹に当てていた僕の手をそのまま上に移動させると自分の胸に押し当てた。手のひらが先ほどよりもさらに柔らかい物体を、乳房をやさしく包み込んだ。
「意地悪だよね、咲良」
「何の事? 私のおっぱいを触って嬉しくないの?」
「手を出せない事を知っててずるいよ。これじゃあ、蛇の生殺しだよ」
「あら、顔を真っ赤にして可愛い。安定期に入るまでの辛抱よ。旦那様」
チュッ!
咲良の柔らかな唇が僕の唇に触れた。
「私だって我慢してあるんだからね。濃厚なキスはまた今度」
むにゅ。
僕の手の動きと連動して咲良が身悶えた。
「あん、駄目だって! 動かしちゃ駄目なの。もう、スケベなんだから」
むにゃむにゃ。
柔らかい。本当に柔らかい。手のひらに吸い付く感じが――
「駄目だって言ってるでしょう! 本当に油断するとこれなんだから」
「ごべんなざい。ゆぶじでぐざい」
両手で頬をつねられ揺られてまともに返事ができない。
「駄目よ。しっかりと反省なさい」
「ごべんなざい。ばんぜいじまず――」




