第二十七話:決戦装備(ドレス)の調達と、悩殺される荷物持ちたち
ゴールド・パラダイスの高級ブティック街。
私たちは「狩り」の前の準備、すなわちショッピングに来ていた。
「いい? 男を落とすには、まずは見た目からよ! 金に糸目はつけないわ、最強の戦闘服を持ってきて!」
私が店員に命令すると、店中の高級ドレスが運ばれてきた。
さあ、試着タイムだ。
***
**エントリーNo.1:ルナ**
カーテンが開くと、そこには黒いレースのミニドレスを纏ったルナがいた。
大胆に露出した背中と、スリットから覗く太もも。
まさに「夜の蝶」だ。
「どう? 動きやすいし、隠しナイフも仕込めるわよ」
「……け、けしからん!」
荷物持ちとして連れてこられたレオナルドが、顔を真っ赤にして叫んだ。
「そんな格好で街を歩くなど! 騎士として見過ごせん! ……も、もう一度回ってみてくれ!」
「あんた、鼻血出てるわよ」
**エントリーNo.2:ソフィア**
「あ、あの……恥ずかしいです……」
もじもじと出てきたソフィアは、純白のオフショルダードレスを着ていた。
清楚な顔立ちと、無防備な鎖骨のライン。
そのギャップが凄まじい。破壊力Sランクだ。
「……美味そうだな」
賢者がじゅるりと涎を垂らした。
「おい、そこの白いの。俺の巣に来い」
「ひっ!? 食べないでください!」
「バカ! 食欲と性欲を混同するな!」
私が賢者の頭をハリセンで叩く。
**エントリーNo.3:シャルロット**
「お待たせ。真打ち登場よ」
私は真紅のドレスで登場した。
胸元には大粒のダイヤモンド。裾には金糸の刺繍。
歩くたびにジャラジャラと音がする、まさに「歩く資産価値」だ。
「どうよ、クラウス。このゴージャスさ!」
「……素晴らしいです、お嬢様」
クラウスは眼鏡の位置を直し、冷静に評価を下した。
「そのドレスの布面積と価格の比率、および宝石のカラット数……計算上、この街の男性の98%が『金目当て』で寄ってくるでしょう」
「上等じゃない! 金目当てでも何でも、寄ってきた獲物は逃さないわよ!」
***
こうして、私たちは最強の装備を手に入れた。
店の外に出ると、通りすがりの男たちが一斉に振り返る。
「おい見ろよ、あの美女たち……」
「すげえ……高嶺の花ってレベルじゃねえぞ……」
視線が痛いほど刺さる。
快感だ。これこそが、私が求めていた「選ぶ側」の特権だ。
「さあ、行くわよ! 今夜は朝まで狩りまくるわよ!」
「おー!」
「お手柔らかにお願いします……」
私たちは夜の街へと繰り出した。
背後で、荷物の山を抱えた男たちが、よろよろとついてくる。
「……重い。このドレス、鉄板でも入ってるのか?」
「女性の美しさとは、重みのあるものなのだよ、賢者殿……(ゼェゼェ)」
「……経費、経費……(ブツブツ)」
彼らの苦労など知ったことではない。
今夜の主役は、私たちなのだから。
***
**【本日の営業報告】**
**文責:クラウス**
* **売上:** 0ゴールド
* **経費:** ドレス代(計3着)、アクセサリー代、靴代……締めて5000万ゴールド
* **獲得スキル:** 荷物持ち(限界突破)
* **懸念事項:** お嬢様のドレスの胸元が、少々……いえ、かなり際どいです。護衛の難易度が跳ね上がりました。
**【クラウスの一言メモ】**
ソフィア様のドレス姿を見た賢者が、一瞬だけ「狩人の目」ではなく「オスの目」をしていました。
……野生の教育が必要かもしれません。
(第二十七話 完)




