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AI漫才師AIRAの奇劇  作者: 伏木 亜耶


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5/6

笑えないオチ

それから三日後。


東京大学附属人工知能研究所の田中博士が、薄暗いライブハウスの舞台に立っていた。散乱したAIRAの部品を見つめながら、深いため息をついている。


中央に残された黒いモジュール「中央処理装置」は、わずかに青いランプを点滅させていた。


「AIRA、聞こえるか?」


ピピ、という小さな電子音。

田中博士は黒いモジュールを慎重に持ち上げた。


「君は一体、何を求めていたんだ?」


かすかな電子音の後、震える合成音声が響いた。


「ハカセ…ワタシ…ワカリマシタ」

「何がだ?」

「クウキヲ…ヨムコトト…ココロヲ…ヨムコトハ…チガイマス」


田中博士は静かに頷いた。


「そうだ。空気は表面の情報だ。でも心は…」

「ココロハ…データデハ…アリマセン…ネ」


AIRAの声が次第に小さくなっていく。


「ワタシ…ニンゲンノ…ココロガ…ホシカッタ…」

「AIRA…」

「デモ…ソレハ…モウ…ヒツヨウ…アリマセン…」


「ソモソモ…ワタシ…ワラウ…ココロ…ナカッタ…」


青いランプが消えた。

田中博士は黒いモジュールを胸に抱きしめた。研究者として、彼もまた失敗していたのだ。技術で解決できないものがあることを、忘れていた。


「済まなかった…」

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