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7 お茶会の誘い

どうぞよろしくお願いします。

「お茶会? 女神寮の2年だけの?」


 フレイに変な顔をされる。


「いつ?」


 エースに言われ苦笑いする。


「なんかね。ふたりが来てくれるんなら、設定するとかで……」


「何だよそれ?」


 フレイが怖い目をする。


「私だって困ったよ。

 なんで私が伝言係なんかしなきゃなのって!

 でもさ、あんなに大勢に頼まれたら、断れないじゃん……」


「伝言係?

 ぺスカはそのお茶会にいないの?」


 フレイがさらに怖い声で言う。


「うー、わからないよ。

 私が開くわけじゃないもん。

 じゃあ、もっと具体的に日時とかわかれば返事くれる?

 こっちだって困ってんじゃ。

 あ、そうだ。

 4年のロマーナ先輩ってどんな人?」


「えっ、なに急に?

 エースと同じ魔法騎士だよな?」


「ああ、なんかあった?」


「あ、その先輩が私と話をしてみたいとかで、女神寮の子が一度会ってくれ! って。

 マリア、あ、私と今同室なんだ、

 マリアはお薦めできないっていうし、でもヨシュアもいい加減困ってるみたいだし」


「そっちの伝言係はヨシュア?」


「うん、ロマーナ先輩と同郷らしいよ。

 私がそういうの興味がないって知ってるから断ってくれてたんだけど、ちょっと、もう無理そうで……」


「へー」

 

 フレイがなんだか顔を上げ気味に返事した。


 なんか、嫌な感じだ。

 私に対してじゃないのはわかる。なんか、なんか、企んでる……。


「じゃあさ、今度魔神寮でお茶会あるんだ。全学年の。

 それにぺスカ来いよ」


「なんで?」


「ヨシュアとマリアも連れてくればいい。

 そうすれば、そこでロマーナ先輩とも話せるから、一気に片が付く」


 ん?

 ロマーナ先輩問題は片が付きますが、私の女神寮お茶会問題は?


 私が困った顔をしたのでエースが助け舟を出してくれた。


「魔神寮の方がもう日程も決まってるし早いから、ぺスカが来てくれたら、女神寮のお茶会への参加を考えても……、だよな」


「おう」


 考えてもいい……?

 なんだか曖昧だなぁ。


「じゃあ、女神寮の子にはお茶会の日程をきちんと決めてもらうことにするよ、いい!」


 休み時間が終わりそうになり、私は慌てて席に戻った。



 その日の夕方、なぜか私の部屋に例のお茶会の女の子達が詰めかけてきた。


「これはどういうこと!?」


 差し出されて受け取ったのは魔神寮からのお茶会の招待状の封筒だった。


「あ、今日、フレイとエースに『来て』と言われて。

 女神寮のお茶会、日時が決まってないと返事しにくいと言われました」


「早く開けなさいよ!」


 えっ、なに?

 招待状、公開しろって言われてる!?


「え、それはさすがに、個人宛の手紙ですよね!?」


「何騒いでるの!」


 この声は!


「寮長!!」


 女神寮の寮長、5年生のアンジェリカ先輩だ……。


 女の子達が急に静かになる。


 寮長が私の持つ封筒に目を留めた。


「あら、私以外に招待を受けた方がいるとは……。

 開けて見なさい」


 ひいっ!

 マリアがペーパーナイフを差し出してくる。


 私はみんなに見つめられながら封を開け、カードを取り出し、目を通した。


 普通の印刷の招待状。

 フレイとエースの連名での招待。

 代表は私で、マリアとヨシュアの名前も書かれている。


 私はアンジェリカ先輩にカードを渡した。


 近くの子が背伸びして覗き込もうとしてる。


「マリアとヨシュアは?」


 マリアが手を挙げ、人ごみの後ろの方から「僕です!」とヨシュアの声がした。


「では、ぺスカ、マリア、ヨシュアは私の部屋に来るように!」


 アンジェリカ先輩は私に招待状を返しながら言った。


読んで下さり、ありがとうございます。

怒られる? なんか怒られそう?

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