68 将来と未来
どうぞよろしくお願いします。
スノウはヴァローナ女史に迎え入れられ『あなたの刺繍の腕を買いました。これからここで服飾全般に関わることができる職人として育てます。期待しているわ』と話をしてもらい、マリアも一緒に契約を確認した。
工房が雇っているお針子を住まわせている借り上げのアパートがあるそうで、そこに住まわせてもらい工房に通うことになるそう。
休みもあるそうで、私と連絡を取り合うことも確認した。
「ありがとう、ペスカ。
ありがとう、マリアさん」
「マリアでいいって!
私もこの素敵な工房にお針子の友達ができて、うれしい!
また会いましょうね!」
そして学校への帰り道である今に至る。
「明日はどうする?」
ヨシュアが言った。
「明日も出掛けたいけど。ペスカの買い物何もできなかったし」
マリアがそう言うけど……。
私は微笑んだ。
「またにしようよ。すぐ夏休みに入るしさ!」
「そうか!
私、ペスカと一緒に服を買いに行くの、憧れてたんだ!
そうね! 夏休みにゆっくり行こう!!
エース、ヨシュア、ペスカ、明日は学校でたくさんお話ししない?」
「あ、私もみんなの演習の話、聞きたい!
ダンジョンとか、薬草探しとか!」
そうなのだ、私の報告ばかりで、まだみんなの話ほとんど聞けていない。
「今日は、スノウのこと、みんなに助けてもらって、本当にありがとう!
マリアは王都に詳しいの知ってたけど、ヨシュアもかなり詳しいよね。
王都出身なの?
ロマーナ先輩と同郷だったよね? 王都のどの辺り?」
ヨシュアがちょっと困ったような表情をした。
「ん……、まあ王都の、中心部に近いというか、そこらへん?」
あまり聞いて欲しくなさそう?
「そうなんだ……」
エースとも明日会う約束をして別れ、女神寮に戻り、夕食を食べてからマリアと自分達の部屋に戻る。
部屋の明かりを落としてベッドに横になってからマリアとぽつぽつ話をする。
「ペスカはフレイと将来のことを話したりするの?」
「うーん、話してない。だって今、会えないし」
「あ、そうか、失礼しました」
「マリアはエースと話してるの?」
「うん、私の家は男爵家だけど、商会の方が重要なのよね。
父ってよりは母なのね、商売してるの。
ペスカが来てくれた家も、商会の、母の方の屋敷なの、だから貴族っぽくなかったでしょ?」
「うん」
「私は治癒師としての仕事をしながら、商会の仕事も好きだから関わっていけたらなと思うし。
エースは王立の騎士団に入れるだろうし、そうしたら王都に部屋を借りて住めばいいかって」
「それは結婚して?」
「そうね。卒業してそれぞれの仕事を始めた時は、エースは寮に入ることになるから、それから婚約して結婚してからだね」
「すごい……、ちゃんとしてる……。
私は学校のことまでしか、まだ考えられないや……」
「そうねえ、ペスカはきっとフレイと結婚して、王都の郊外に竜舎を庭に建てられる家に住むんじゃないかな。で、出勤するフレイに毎日教会まで送ってもらうの! どう?」
「想像もできないよ……」
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