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6 王都の学校

どうぞよろしくお願いします。

 守護神ごとの寮に分かれていて、各寮に毎年10名前後入学するそう。


 そう考えると、3つの村で3人もいたって、けっこうな当たり年?



 王都の学校は守護神ごとのカリキュラムに分かれていて、共通の授業や実習などは一緒になるよう。

 だから、1年の内はけっこうエースとフレイとよく一緒に授業を受けた。

 でも、それぞれ、自分の寮の友達もできてきて、しかも男女だったし、だんだん出会った時にちょっと立ち話して近況を話したりするくらいになった。



 2年生になると合同の授業も少なくなり、それぞれ専門的な授業が増える。

 そうなると自分の得意なこと、好きなことに没頭できる環境になり、違う寮で違う活動が多くなることでさらに会うことが少なくなった。

 

 でも、学校や王都に慣れ、余暇に気分転換にいろいろ楽しむ余裕が出てくる時期。


 もともと王都出身の子なんかは、休みの日に自宅に帰ったり、買い物に行ったりしているし。


 学生にもお小遣いが支給されてる。

 だから、2年生になると地方出身の学生も休みの日に外へ行くことが増えた。

 別に悪いことじゃない。普通の王都での生活ってのを体験しておくのはいいことなんだろう。


 私は帰省の交通費を貯めたいこともあり、休みの日は図書館でほとんど過ごしていた。


 たまたまフレイとエースがいて、その近くの席で勉強したことがあった。


 閉館の時間になり、そのまま挨拶して話をしながら寮近くまで帰ってきたのを見たのか、寮に入るなり私は数人の同級生に囲まれ、質問責めに合った。


 どうやら、魔神寮で竜騎士見習いのフレイと魔法騎士見習いのエースはけっこう目立っているみたいで……。


 彼らとは同郷(同じ村ではないけれど教区が同じ)で、顔見知りなのだと説明すると、どこかで話をしたいと言われる。


 どこか?

 どこでよ?


 なんで私が?


「彼らとは会った時に立ち話するくらいなので……」


「その時に、今度女神寮のお茶会に来てよね、ぐらいなら言えるでしょ!」


「あ、まあ、そのお茶会って……?」


「良さげな返事がもらえたら、設定するから!」


 私はその女子達の圧に押されて頷いた。



 よろよろと女子の輪から出てきた私を見て、マリアが手を取ってくれた。


「大丈夫?」


 隣にヨシュアもいる。心配そうな表情。


 女神寮にも少ないけれど男子はいる。

 まあ、他のふたつと比べると女子率が異常に高いけど。



「ああ、大丈夫」


 私がにこっと笑うと、ふたりは苦笑いする。


「全然大丈夫に見えない」「うん、よれよれだよ」


 私は肩をすくめて自室に戻る。



 マリアとふたり部屋なので、ヨシュアも遠慮なく入ってきた。


「まあ、竜騎士フレイ様と魔法騎士エース様、どっちも人気あるもんね」


 マリアの言葉に「そうなの?」と返して笑われてしまう。


「まあ、ぺスカはそういうことあまり考えてなさそうだもんね。

 聖女様になるのが決まっているし……」


「やめてよ。

 聖女だって、結婚はできるし。

 ということは将来的に恋愛もOKってことでしょう?」


 私の言葉にヨシュアが食いつく。


「じゃあさ、魔神寮の先輩と会ってくれない?

 ぺスカと一度話をしてみたいって、脅されて……」


「脅されて?」


 それは穏やかでない。


「誰よ?」


 マリアが鋭く問う。


「ロマーノ先輩……」


「あー、あの魔法使いか! 2年も上じゃん!

 あれ、前に同じ4年の魔神寮の先輩と付き合っていなかった?」


「別れたそうだよ。だから、ぺスカに気があるみたい」


 えっと……、私達、11歳ですよね!?

 だから、将来的にと、言ったんだけど。

 今はそういうの全然興味がない。


 ……まあ、フレイは、ちょっと気になるけど……。

 でも、一護かもと思ったことがあったからかもしれないし……。


読んで下さり、ありがとうございます。

男女比 女神寮は2:8 魔神寮は6:4 神寮は7:3 ぐらいな感じです~。

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