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21 私の前世(前)

どうぞよろしくお願いします。



 私の前世は百果ももかという名前の日本人の女の子だった。


 生まれついての病弱。

 風邪を引きやすく、すぐに体調を崩し……。

 心臓にも今すぐどうということはないけれど、無理ができない先天的な欠陥があった。


 そのため、学校に通っては体調を崩し、入退院をくり返しているうちに、体調を崩さないように長期入院するのが普通になってしまった。


 小学4年生の時、小児科のプレイルームで怪我で入院していた一護いちごという同学年の男の子に出会った。


 一護がテーブルに並べていたのがいろいろなキャラクターがカラフルに描かれたカードで、絵を描くのが好きな私は興味を持ち話しかけた。


 それが『マジックゴッド&モンスター』というカードゲームで、一護は丁寧にやり方を教えてくれた。

 一緒に対戦することが楽しみになってきた時、病棟で一護と女の子を見かけた。


 かわいらしい外見の女の子で声も大きい。

 話が聞こえてしまい、彼女が姉妹ではなく、幼馴染であることがわかった。


 お母さん同士も仲が良く、一護の母についてほぼ毎日お見舞いに来ているみたい。


 一護はそんな智恵理ちえりという幼馴染が少し苦手だと話してくれた。


  

「怪我で時間を掛ければ治るのわかってるのに、なんで毎日来るかな。

 来なくてもいいのにさ。

 来てもこうやって俺の好きなゲームしたりモンスターやカードの話を楽しむでもない。

 学校のどうでもいい話をえんえんとさ。

 聞いてなきゃ、ふくれて拗ねるし……。

 幼馴染だし、母親同士が仲がいいから……、正直にうざいとか言えないし……」


「お友達がそれだけ大切に思ってくれているのはすごいことだよ。

 うらやましい」


 私は素直にそう言った。


「私には幼馴染もいないし、そこまで仲の良い学校の友達もいないから。

 いいじゃん。それだけ慕ってくれる友達がいるって」


 一護はぽかんとした顔をして私を見ていたけど「……そうか」と言った。


「じゃあさ、百果の幼馴染の友達に俺なるよ。

 今からでもギリギリ幼馴染になれそうじゃね?」


「大きな幼馴染だね!」


「だな!」


 ふたりで大笑いした。


 一護にしてみれば、私は女の子というよりゲーム仲間って感じだったのかも。

 男の子でも女の子でもないような!?



 一護は退院してからも、病院に会いに来てくれるようになり、対戦したり、新しいカードの話をしたりした。時々、智恵理が付いてきた。


 智恵理は『かわいそうな子』って私を見ているんだろうな……というのが伝わってきたけれど、一護はそんなことなくて……。


 私はだんだん、一護にほのかな恋心を持ち始めていたんだと思う。


 幼馴染で、友達で、初恋……。

 一護は私にたくさんのものをくれた。


 できるだけその気持ちは隠そうとしてたけど、智恵理にはどんどん嫌われた。

 

 そうだよね。


 私にもわかった。

 智恵理は一護のことが好きなんだ。

 

 幼馴染で家族のように仲が良いということを押し出してそばにいようとしているけど、一護のことが好きだからそばにいたい。


 こんなわけのわからない子が一護と仲良くしているの嫌なんだ……。

 でも、そんなことを言うと一護に嫌われるかもしれないし、冷たい女って思われちゃうし……。



 私と一護の間はお互いに好きなものが同じで、一緒にいて楽しくて。

 でも、私の身体のこともあるから恋とか愛とかそういうものは存在しない関係で……。


 だから、年齢を経てもそれは変わらなかった。


 一護と智恵理の関係は時々離れたり、でも助けあったり、いろいろ変化して行ったみたいだけど……。


 でも、ちょっとそういうのも羨ましい気もした。

読んで下さり、どうもありがとうございます。

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