200 再会を願ってのお別れ
どうぞよろしくお願いします。
祝200話!
お父様が「ペスカ、そろそろ出よう。ヒイロは?」と聞かれて、さっきの部屋に案内する。
フレイと兄が何やら話をしていて……。なんか変なこと吹き込んでんじゃないだろな……、兄よ。
お父様が兄にお祝いの封筒を渡した。
「私とペスカからだ。おめでとう。困ったことがあったら、遠慮なく相談してくれよ」
「はい、ありがとうございます。頑張ります」
「あ、兄さん、お菓子まだあるんだけど、アイリさんの御両親とかにあげる?」
私はそう言いながらお菓子の箱を3つほど出す。
「うわ、ありがとう。
うん、アイリの家と付き添いの母方のトリーのとこ、父方の伯父さんちだから、3つで大丈夫」
「じゃあ、みんなのこと、よろしくね」
私とお父様とフレイと兄は居間の方へ戻った。
私は祖母の所へ行って「おばあちゃん、そろそろ私達、行くね。身体に気をつけて」と言うと、頭を撫でてくれた。
「ペスカ、気をつけてね。空を飛んでいくんでしょ?」
「庭にいれば、上を飛びますよ」
フレイが微笑んで言った。
「あら、それは見てみたいわ!」
祖母がにっこりする。
母が「ペスカ、ありがとう!」と抱きしめてきた。
「クインとも話せたよ。どっちにしろ学校へ行って寮に入ることになるね。その時に使ってあげて」
昨夜、母にダンジョンで思ったより収入を得ることができたからと話してお金を渡してある。
「ええ、大切に使わせてもらう」
お互いに小さな声で言って微笑み合う。
クインとアメリをぎゅっと抱きしめて「お父さん、お母さん、おばあちゃんをよろしくね」と言うと「「うん」」とふたりは頷いてくれた。
「では、そこの空き地に移動してから飛び立ちますので。
結婚式にお招きいただき、ありがとうございます」
お父様がみなさんに挨拶したきっかけで私とフレイも礼をして、兄の新居を出た。
実家の庭へ行き、オーバとジョイに「おまたせー」と駆け寄る。
「ギャウー、ギャギャ!」
オーバは元気いっぱい。
ジョイもすくっと立ち上がった。ちょっと飽きてきてたっぽいね。
手早く胸当てのベルトを確認。
私達もベルトをして、それから空地へ移動。
ライオネルが新居の庭で目をキラキラさせて見ている。
「すげえ、かっこいい!!」
フレイが「オーバに乗るだろ?」と手を差し出してくる。
うーん、ここでお父様の方に乗るとかは……。
ま、いいか、話したいこともあったし。
フレイに引き上げてもらい、オーバに乗り込む。
最初にオーバが飛び立ち、ジョイが続く。
新居の方から歓声が上がる。
赤いドラゴンが2頭なんて、縁起が良さそうよね。
その時、フレイが一点をじっと見ているのに気がついた。
「どうかした?」
私はフレイの視線の先を追う。
……フレイのお母さん!?
レミ村、結婚式、リオ家……、気になって周囲に聞いたり調べれば、私が竜騎士ジェラルドの養女になっていることや、帰省で2頭のドラゴンが来ていること……、村の噂というか情報があったんだろう。
ナーベイ夫人はフレイが来ているのかもと思い、実家の近くでフレイの姿が見られるかもと待っていたようだ。
「……少しだけ」
フレイが呟いて、オーバに夫人の方へ行くように指示をした。
道の木の陰にいた夫人が驚いたように道の真ん中へ出て来てこちらを見上げている。
フレイはその上をぐるっと丸く飛んだ。
「母さん!! チーズケーキうまかった!!
前より、ずっと、ずっとおいしかったよ!!」
夫人が微笑んで大きく手を振ってくれた。
フレイは私を見て笑い「行こう!」と言った。
そして、新居の上も丸く飛んで、庭に出ていた人達に手を振った私達はジョイとお父様の後を追った。
読んで下さり、ありがとうございます。
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とても励まされていて、読んで下さったかな~とチェックするのがとても楽しみで楽しみで。
毎日100人以上の方が読みに来てくれれば! を目標に書き始めた物語ですが、最近100人以上の方が来て下さっているのがうれしい!
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これからもどうぞよろしくお願いします!
他の完結作品もブックマークがちょこちょこ増えてるので、こちらから他の作品を読みに行って下さる方もいるのかな。本当にうれしいです。どうもありがとうございます!