175 アイテム売却について(前)
どうぞよろしくお願いします。
次の日、朝食を食べ終え、女神寮で勉強会が始まった。
魔神寮や神寮の子達も参加してきて(友人同士で声を掛け合ってくれたよう)、とても賑やか。
でも、ちゃんとみんなで教え合っているのが楽しそうで素敵。
キルシェも友人達と参加していたし、私とヨシュアは質問がある子に答えたりして、けっこう忙しかった。
なんだか自発的に、私が声かけたんじゃなく、こういう寮を越えた勉強会が開かれるのって、すごくない!?
午後、マリア達が帰ってきた!
それぞれ寮に荷物を置いたら、薬科教室に集合! となったんだって。
あ、ハーブとヨシュアが薬科教室の主というか管理しているみたいなもんか。
私はヨシュアと一足先に薬科教室に行き、話し合えるように場所を作ったり、お茶の用意をした。
ぼちぼち集まってきて、8人が集合した。フレイは学校にいないからね。
後でちゃんと教えてあげないと。
まずはお茶で「「「お疲れ様でした~!!」」」とみんなで乾杯した。
エースが「その、マンシー達の処分に絡むことで、ペスカに相談してなかったけど……」と言いかけた。
「マジックバッグのこと? ミクラ団長に聞いたよ。
それでいいと思う。私もマジックバッグは彼らが持って使ってくれた方が生きるし、これからもダンジョンの仕事を続けてくれた方がいいと思うから」
「な、ペスカなら、そうだろ!」
ハーブがうれしそうに言った。
エースが微笑んで話を続ける。
「ああ、良かった。ありがとう。
で、アイテムのことなんだけど、けっこうたくさんになったからひとりひとつずつ気に入った物をもらって、残りを売ることにしたんだ」
エースがアイテムのリストを見せてくれながら説明してくれる。
「鑑定してもらって呪いとかやばいのはなかった。
指輪が7個。首飾りが4個。ブレスレットが4個。短剣が二振り。長剣が二振り。マジックバッグが1個。王冠がひとつ。後はペスカに渡した女神像だな」
ハーブが手を挙げた。
「マジックバッグ、もらったよ」
ユミエラが言った。
「私とマリアはブレスレットにしたの。私が魔法の攻撃力を上げるもの。マリアは水の生活魔法が使えるものにしたのよね」
マリアが頷く。
「ええ、これが一番ずっと身に付けていられそうだし、便利そうかなって」
確かに結界や回復・治癒系だと学生としては身に付けていられない。
ユミエラはアイテムの研究をするためにそれを選んだのだそう。だから、研究の時だけ使用し、卒業するまでは日常使いにしないそう。
エースは長剣の青い方にしたそう。
最初、遠慮して短剣を選ぼうとしてたけど、みんなでせっかくだから長剣にしろって言ったんだって。
エースらしい……。魔法騎士としてきっと役立つはず。
攻撃できる水魔法の力が掛かっていて、切れ味がすごくいいんだってさ。
マリアが私とヨシュアに向かってゆっくりと話し始める。
「で、いないヨシュアとフレイとペスカにはどれがいいかってなって。
フレイには短剣にしたの。最初のきれいなの覚えてる?
あれには魔法に対する防御を上げる効果がついていた」
「えっ、すべての魔法に対して?」
「ええ、特に攻撃魔法への耐性が上がる感じね」
「えー、すごいね」
「それをフレイに。それと、最初に出た炎の石じゃないかって言ってた首飾り覚えてる?」
「赤い石の? 大きめの石がひとつついたシンプルな奴だ」
「そう、それをペスカに選んだの。
身に付けている者を守る加護がついているんですって、それも魔神の!」
読んで下さり、ありがとうございます。
のんびり少しずつ進む話ですが、あきれずにお付き合いいただけたらうれしいです。
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