173 マンシー達の処罰
どうぞよろしくお願いします。
お父様がアーサー王子と入れ替わるように客間に入ってきた。
竜騎士団の馬車で迎えに来てくれたとのこと。
まあ、心配して様子を見に来てくれたんだろう。
馬車に分乗してみんなで竜騎士団へ行くことになった。
ステファン王子とアベル王子に挨拶をしてエントランスに向かう。
竜騎士団の馬車にはやはり従者としてフレイが付いてきてて、私とヨシュアは竜騎士団の馬車に乗ることにする。
馬車の中でヨシュアが、私がアーサー王子に意見して、納得させ、さらに魔法省への誘いも友達数人ではなく友人達を引き連れての社会見学にしてしまい、ほかの王子もみんな参加したいとなったことを話した。
お父様は大笑いしてた。
でも、私が考え込んでいるのを見て、心配そうに言った。
「何か、気になることでも?」
うん、ここでは言えない。
「いえ、アーサー王子ってよくわからないなと」
アーサー王子には悪いけどそう言わせてもらって、本心を隠した。
「そうだな……、これからも気をつけて対応した方がいい。
……それにしても、今日のペスカのドレスは?」
「あ、ヨシュアが用意してくれたんです。
パトリシア先輩が協力してくれたんだよね」
私が言うとヨシュアが頷いた。
「いつもはマリアがいるから、モリソン商会が手伝ってくれるけど。
もし、そちらの準備が間に合わない時があればと、用意だけはしていて……」
「用意を? 使うかわからないのに?」
お父様が少し驚いたように言った。
うん、それは驚くよね。私も驚いたもの。
「まあ……、今回は助かりました。
お礼を申し上げます。ありがとうございます」
お父様がお礼を伝えてくれてるけど、フレイは面白くなさそうな顔をしている。
うん、ちょっと気持ちはわかる……ような気がする。
話を変えよう。
「領地へ行く日程は決まりましたか?」
「ああ、明日、エース達が帰ってくるのだろう。
それを待って、3日後でどうだろう。
こちらの仕事もあらかた片付いて、調整もできている。
予定通り出られると思う」
「はい、わかりました!
明日から数えて3日後ですね。
それならエースやマリアから話も聞けるし、学校に女神像を寄贈の話をしたりにも余裕を持って行けます!」
私は元気に返事した。
直前にお土産のお菓子買いに行こう!
竜騎士団に到着すると団長室へ呼ばれた。
ミクラ団長も戻っていて、その後のことを教えてくれた。
マンシー達は21日間、つまり3週間の強制労働の罰になったそう。
他のパーティを故意に危険にさらし、死者や怪我の人が出なかったケースでは妥当な線だとか。
で、私の怪我については、最初に一緒に回収したアイテムもマジックバッグ、指輪、長剣を慰謝料という感じでこちらに差し出すという話になったみたい。
エース達はそれを聞いて話し合い、長剣だけを貰うことを決めたそうだ。
後のふたつは、こういう結果になってしまったが、ダンジョンの情報を教えてくれたことは感謝しているし、反省して、これからもダンジョンでアイテム回収の冒険者として活動して欲しい。
そのためにもマジックバッグは大切に役立てて欲しいと伝えたそう。
うん、マジックバッグ、気になってたんだ。
マンシー達のようなダンジョン周回回収をしている人達にこそ、必要なアイテムだもんね。
あの時は魔が差して不正なことに使おうと思ってしまったとしても。
「『ペスカに相談しなくていいのかね?』と聞いたら、ハーブとやらがペスカならこうすると断言していて、みんなも頷いていた」
読んで下さり、ありがとうございます。