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169 パトリシア先輩の侯爵家にて(後)

どうぞよろしくお願いします。

「それは、どういう?

 私で人形ごっこ、してるわけじゃ……」


「あらあら、ヨシュア、かわいそうに」


 苦笑するパトリシア先輩。



 アンジェリカ先輩が会話に入ってきた。


「しょうがないわよ。フレイが、前世からの恋人がいるんだから」


「じゃないですよ! 一護とは友人で、恋人とかそんなんじゃない!」


「ほら、髪やりましょ!」


 アンジェリカ先輩が私を鏡の前に座らせると、髪を梳いてくれ、結ってくれる。

 2年生のお茶会のことを思い出した。なんか懐かしいな。


「ヨシュアもね、わかってはいるのよ。

 でも、まだ、フレイとは15歳で離れてるために、はぐらかしてるのか。

 そんな感じなら、たまにはヨシュアに付き合ってあげてもいいんじゃない?

 それにアーサー王子の動きも気になるし。

 教会としてもね。ペスカを引き抜かれるんじゃないかと。阻止しないと」


「あ? そういうこと!? 教会の方の牽制!?」


「そう、魔法省に来いみたいなこと言われてるんだって?」


「あ、副官にとか? あれは冗談じゃ?

 魔法省には遊びにおいでって言われましけど」


「行くなら、アンナやテレーゼも連れて行くこと。

 話はしてあるから」


 編み込みをしたかわいい髪型にしてくれた。


 侍女さんがあのヨシュアの真珠のネックレスを持ってきて、付けてくれた。


「うん、素敵。

 昼の王城訪問なら、これくらいでいいわよね……」


 パトリシア先輩が満足気に言いかけて、私の右手の包帯に目を留めた。


「ダンジョンで事件があったとか」


「……はい」


「うん、これで良し! ヨシュアを呼んで!」


 アンジェリカ先輩の言葉に侍女さんがドアを開け、呼びかけるとヨシュアが入ってきた。


「ペスカ! よく似合っている! 想像してた通り!」


「ありがとう……」


 ヨシュアが私の右手を取り「直してもいい?」と言った。


「直す?」


「包帯の上にこれを」


 ソファに座ると、ヨシュアはドレスと同色の薄くて柔らかいリボンを包帯の上にくるくると巻いて、最後にふわっと結んでくれた。


「こうしたら、かわいいだろなと、ずっと思ってた」


「ありがとう……」


 もう、ありがとう、しか言える言葉がない。

 

 パトリシア先輩とロマネス王弟殿下とヨシュアに私。

 それにアンジェリカ先輩が侍女って感じでついてきてくれるんだって。

 

 それはすごく心強い。


 さくっとアーサー王子との面会(?)を終わらせて、帰るぞ!


読んで下さり、ありがとうございます。

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