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168 パトリシア先輩の侯爵家にて(前)

どうぞよろしくお願いします。

 次の日、パトリシア先輩の侯爵家の馬車が迎えに来てくれてヨシュアと一緒に出掛ける。


 パトリシア先輩とロマーナ先輩……、ロマネス王弟殿下が迎えてくれた。


 あれ、教会と騎士団は?

 

「今日はおふたりともお休みですか?」


 私の言葉にふたりは顔を見合わせて笑った。


「王族としての仕事がある時はね」


 ロマネス王弟殿下が私とヨシュアに笑いかけ「では、仕度を待っているからな。ヨシュアはその服でいいのか?」と話しながら、ふたりでどこぞへ行ってしまった。


 パトリシア先輩に「ペスカはこっちよ」と奥の方へ案内される。


 促されて入った部屋に、なんと、アンジェリカ先輩がいた!!


「アンジェリカ先輩!!」


「ペスカ、お久しぶり!」


「アンジェリカ先輩もお休み!?」


「ふふふ、今日はね、特別な仕事なの。

 パトリシアから聞いたけど、アーサー王子殿下に気に入られちゃったんだって!?」


 おふたりと侯爵家の侍女さんと私の仕度をてきぱき進めてくれる。


 きれいな淡い黄色のドレスが用意されてる。


「これ、ペスカに似合うというか、絶対に似合うはず。

 ヨシュアの見立てだから」


 え?


 とりあえず、着させられる。


 鏡を見て、すごく素敵なドレスと思った。

 前にアリエスさんが来ていたドレスの色味に似ているけど、あれは冬で夜だったこともあり、総刺繍だったから柔らかい月の光のように感じた。

 でも、このドレスは元気が良くて太陽の光って感じ。

 濃い色じゃないのに不思議。夏の空気感というか。生地の感じかな?

 デザインもシンプルで、私好みかも……。


 サイズ感もぴったりで……。


「さすが、ヨシュア!」


 パトリシア先輩が言った。


「さすが? ヨシュア?」


「このドレス、ヨシュアがペスカに着てもらいたくて用意してたものだから」


 私は無表情になった。頭の中ではいろいろなことがぐるぐるしていた。


「いつもはマリアがいて、ヨシュアが入る隙が無いでしょ」


 あ、前にヨシュアにドレス用意しようかって、言われたことあったな……。


 あれ、本気というか、本当に用意しちゃったの!?

 でも、あれからだいぶ経ってるよね?


「ヨシュアはいじらしいっていうか、ペスカにはフレイがいるってわかっているのにね。

 まあ、ドレスや装飾品に罪はないから、着てあげて」


 また、いじらしい……!?


「ちょ、ヨシュアが用意してくれたってのはわかったけど、なんでサイズが!?」


「アンナにね、聞いたの」


 は! 学校の身体測定のデータ!? 寮長なら見れるか!?


「アンナ先輩まで……」


「今回はマリアがいない隙にって、ヨシュア、本当にうれしそうだったわよ。

 真珠のネックレスはひょんなことから身に付けてくれたけど、返されたって残念がってたし。

 今回は全部身に付けてもらえるって、喜んでた」


 いー!?

 それは、身に付けていいのか!?

 マリアのいない隙ってなに!?


読んで下さり、ありがとうございます。

いや、アンナ先輩、それ情報漏洩ですよ!

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