150 ダンジョンでの出会い
どうぞよろしくお願いします。
私は結界を担当しているので周囲に気を配る。
話を聞くと、ここら辺までは灯りなどの整備がぎりぎりできているらしい。
この下からはけっこう過酷なんだそう。
様子を見ながらこの階のポイントを周回してアイテムが生成されるのを待つでもいいし、下に探索に出てもいいしという話だ。
となると、ここがベースキャンプみたいな感じか?
フレイとケビンが一緒に警戒をしてくれている。
遠くで叫び声?
階段を上ってくる音が響き、大人の男性4人のパーティが駆け上がってきて私の結界に飛び込んだ。
階段から嫌な気配がして赤黒い不気味な生き物が3体上がってきたのが見えた。
なんだ、あれ?
私は結界の強度を上げた。
カエル? みたいな? でも、でかいし、人間と同じくらいの大きさだよ!?
「デストードだ! 身体に触れるな!」
逃げ込んできた4人のうちのひとりが言った。
死のカエル? 毒か!
死んでるカエル、ゾンビみたいな?
もし、アンデット系なら……、カードバトルでは結界のスタジアムが効いたよな?
エースが言った。
「フレイ、ペスカに身体への防御結界を掛けてもらって、打って出よう。
槍なら距離が取れるだろう。
素手攻撃のケビンは今回は控えて。
カフカ、ユミエラ、炎で援護頼む」
私はフレイに防御結界と攻撃力アップを付与した。
マリアもエースに防御結界を掛ける。
たちまち、2体がフレイとエースと戦闘状態になり、炎魔法で焼かれて動きが鈍くなったところを仕留めた。
私は逃げようとしたデストードを中心に結界を発動させた。
まるで空気を遮断されたかのようにその場でもがき苦しんで倒れ込むと、そのまま、ダンジョンの床に吸収されていく。
「何したの? 結界?」
マリアに言われて頷く。
「うん、結界に閉じ込めた。デストードってアンデット系? だから結界であーなるんだね」
「マジか……、ちょっと怖いわ」とユミエラ。
「ま、急に生きられない環境に放り込まれたみたいになるよね。
それも怖いか。
でも、やっつけて吸収させないとアイテム出てこないんでしょ?」
苦笑いしてエースが頷く。
ハーブが考え込みながら言った。
「ペスカに結界を発動したまま階段を降りてもらったらいいんじゃないか?」
「というか、結界を狭くして階段を降りて、下に着いたら広げればいいんじゃない?」
私の言葉にエースがびっくりする。
「そんなことが!?」
「できると思う」
「君は離れたところにも結界を張ることができるのか?」
さっきデストードだと教えてくれた人が話しかけてきた。
「はい、なので、3体目のデストードはそうして結界で囲みました」
おじさん? お兄さん? 微妙な年齢の4人は顔を見合わせ話し始め、そのうちのひとりが私達に言った。
「この下の階、アイテムがかなり生成されているんだ。
その結界で守りながら、一緒に回収してくれないだろうか?」
読んで下さり、ありがとうございます。
なんと、ペスカとダンジョンは相性が良かった!