146 ヨシュアの真意(上)
どうぞよろしくお願いします。
私は一度マリアの部屋に行った。
「服、どうして着替えたの?」
「んー、清浄魔法できれいにしたけど着替えた方がいいって、ヨシュアが言ってくれて。
まあ、トラブルの種になるなら、そうかって……。
でも、もう帰っちゃうんだもんね。
どっちでも良かったかも」
「ヨシュアが着替えろって?
うーん、帰らなかったことまで考えたのかな?」
「かもね。
でも、おかげで大きなトラブルにならなくて良かったよ。
あ、魔法省に興味がある子っているかな?」
「ユミエラ、エース、フレイは魔神寮だし興味あるかもね。
私とペスカも一応関りはあるわけだし」
「アーサー王子殿下が遊びに来てって言ってた。友人連れて来ていいって」
「へー、それなら行きたいっていう子多いかもね。
ハーブとかも見たいって言いそうじゃない?」
「そうだね。夏休みにでも聞いてみよう」
「フレイのところに行くの?」
「うん、この花、部屋に置いたら行ってくる」
部屋に戻るとテレーゼ先輩が自分の制服に着替え終わり、ヨシュアの制服に清浄魔法を掛けていた。
掛け終わると、邪魔をしないように静かに白い花を瓶に活けていた私に言う。
「今日のアーサー様って、もしかして第1王子殿下?」
「……はいそうです。
ロマーナ先輩とパトリシア先輩のことは知っていますか?」
「王弟殿下よね。パトリシア先輩も貴族令嬢で婚約したって。
ペスカも男爵令嬢か!
私も実は子爵令嬢なの」
「えっ? 年末のパーティーにいました? お茶会は?」
会ってないよ?
「13歳の時、参加したことあるけどね。
その時って、アーサー王子殿下とステファン王子殿下と……、すごく盛り上がっていたというか……。その雰囲気が嫌でね。
それ以来、欠席してる。
今でも、令嬢達が浮足立つというか、そういう感じなんでしょ?」
「……そうですね。
でもアーサー王子殿下はよくわからないけれど女嫌いと聞いたりもして……。
ステファン王子殿下はなんかいい人なんだけど、忘れっぽいというか、ふわふわしているというか。あれでもててるのかな?
そのおふたりに令嬢が集まって、アベル王子殿下とヨシュアは放って置かれてるというか……」
「ヨシュア?
ヨシュアもそういえば貴族ならパーティーに出るか!
でも、その並びで名前が出るなんて……。
もしかして王族……、だと、側妃の第4王子?」
ごめん、ヨシュア!
でもテレーゼ先輩がパーティーやお茶会に来ていれば、わかることだもんね。
でも、私から、ばらすのは……。
私は顔を強張らせた。
テレーゼ先輩が笑う。
「あなたから聞いたとは言わないわ。
そっか、それで……。
でも、アーサー王子殿下もペスカのこと、気に入ってるわよね?」
私はお茶会の時にトラブルがあり、私の髪飾りが壊されてしまい、思わず泣いてしまったら、アーサー第1王子に興味を持たれてしまって、何故か、私のことを守ろう、助けようと思って下さっているようだと話した。
読んで下さり、ありがとうございます。